ふくおかフィナンシャルグループの地域支援にみるブランディングとプロモーションの区別とワンストップサービス
【今日のポイント】
ふくおかフィナンシャルグループが提供する地域版トータルマーケティングプラットフォームサービス。
デザイナーが参画するブランディングサービスに、デザイン思考を取り入れる可能性を見て取ることができるかと思います。
マーケティングの各段階を明確にしつつ、トータルで支援するワンストップサービスは、自社のマーケティングの強み、弱みを把握する上でも活用の価値があるものと考える次第です。
● 地域資源にフォーカスした「地域総合商社事業」の立上げについて
~ iBank社による「地域版トータルマーケティングプラットフォーム」の構築 ~
2019/8/2 株式会社ふくおかフィナンシャルグループは表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(取締役会長兼社長 柴戸 隆成、以下「FFG」)傘下のiBankマーケティング株式会社(代表取締役社長 永吉 健一、以下「iBank社」)は、2019年10月末(予定)を目処に、地域資源にフォーカスした「地域総合商社事業」を立上げると共に、「地域版トータルマーケティングプラットフォーム」の構築・提供に向けた準備を進めることにしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
(中略)
iBank社では設立当初より、地域のお取引先の経営課題克服の一助として、主に商品・サービスの認知獲得に向けたプロモーション領域における支援を主軸にデジタルマーケティングのサポート業務を展開し、これまでに約200社のお取引先の課題解決に貢献してまいりました。
今般、更に地域のお客さまのニーズに幅広くお応えするための新たな取組みとして、「地域総合商社事業」を立上げると共に、地域資源(モノ・コト・スポット等)にフォーカスし、商品開発やブランディングのサポートからオンライン上での販売(地域版ECモール)、プロモーション活動までをワンストップで提供する『地域版トータルマーケティングプラットフォーム』を構築・提供してまいります。』
商品開発時の資金調達から始まるワンストップサービス。
ブランディングとプロモーションをきちんと分けつつ、トータルでサポートしている点も、内容に興味を惹かれます。
● ブランディングデザインの重要性
リリースからは、デザイナーがどこまでブランディングに関わるのかは必ずしも明確ではありませんが、デザイン思考を取り入れたブランディングを意図しているものであれば、初期段階からデザイナーなどが参加することの意義は高いものと言えるかと思います。
『HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book) 石川 俊祐 (著) 』
では、人間中心のユーザーエクスペリエンスデザイン(UX)の重要性と、デザイン思考をビジネスに活用する上で「パッケージ化」と「ルールメイカー」に関する能力が必要であり、かつ、日本(企業)に欠けているものと指摘していますが、プロモーションが開発した商品をいかに売るかを考えるものとするならば、
ブランディングのデザインは商品企画あるいはその上流で必要なものと言えるかと思います。
● ワンストップサービスプラットフォームの活用
上記のように、ブランディングとプロモーションは別々のフェーズのものではありますが、ビジネスとしては一連の流れの中で双方とも関連し、独立して決められるものではないことも明確ですね。
そして、ビジネスをサポートするサービスを利用する際にも、こういった一連の流れ全体をデザインし、サポートしてくれるサービスやプラットフォームを利用することは、中小企業にとって心強いものではないかと思います。
今回のふくおかフィナンシャルサービスのような資金提供からブランディング、商品開発、プロモーションまでトータルソリューションを提供するプラットフォームの活用は、自社の中で弱い部分を把握することも含めて一考の価値があるものと考える次第です。
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