空飛ぶ車の促進政策に見る予測可能性の重要性

空飛車 Flying car

● 「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立します
“空飛ぶクルマ”の実現に向け、共同でロードマップを作成 

2018/8/24に経済産業省は表記のリリースを公表しました。
http://www.meti.go.jp/press/2018/08/20180824001/20180824001.html

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『世界では、ベンチャー企業から大企業まで様々なプレイヤーが、人を乗せて移動できる「空飛ぶクルマ」のプロジェクトを立ち上げ、研究開発や実証事業を実施しています。

日本においても、自動車や航空機の業界などの有志が集まる団体や、ドローンなどのベンチャー企業、投資ファンドなどの様々な分野の関係者が、都市の渋滞を避けた通勤、通学や通園、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などの構想を描いて、「空飛ぶクルマ」の研究開発を始めています。

こうした構想を具体化し、日本における新しいサービスとして発展させていくためには、「民」の将来構想や技術開発の見通しをベースに、「官」が、民間の取組みを適時適切に支援し、社会に受容されるルール作りなどを整合的に進めていくことが重要です。

こうした取組みをロードマップに反映し、官民の歩調をそろえつつ、空飛ぶクルマの実現を促進していきます。』

と、世界のドローンや空飛ぶ自動車の開発・事業化へのトレンドに我が国も遅れないよう、ロードマップやルール作りを官民連携して進めることを謳っています。

参加企業には、エアバス、NEC、ANAホールディングス、日本航空、ヤマトホールディングスなどの大手企業から、Uber Japan、CARTIVATOR、テトラ・アビエーション、Temma、Drone Fundなどのベンチャーやベンチャーファンドが集まっています。

空飛ぶ車が実用化される上で、安全面で現状の自動車を下回ることは、回避されなければなりません(というよりそうでなければ既存の交通インフラに負けて社会に受け入れられないでしょう)。

その意味で、先日の「Drive.aiの自動運転サービスにみる堅実なリーンスタートアップ」
https://wp.me/p9D2bS-Fn
の自動運転車のように、堅実なリーン・スタートアップから始めて行くことが必要になりますね。

この協議会は原則非公開とのことですが、この分野で日本が世界に伍していくベースになればと期待しています。

 

● 「笛吹けども踊らず」と「実効のある後押し」を分けるもの

上記のような官民連携において、「笛吹けども踊らずと、実効のある後押しを分けるもの」は何かという視点から見ると、潜在ニーズの有無と政策面での予測可能性が重要になってくるかと思います。

「自動運転」(省力化、高齢者の運転等での安全性向上)と「空を飛ぶ」=通路の制約排除による適用先の拡大のどちらが技術開発や実用化の面で優先されるか、
ここは潜在ニーズがどこにあるかと政策面・技術面での予測可能性のいわば綱引きになりそうな気がしています。

 

● ビジネス環境の予測可能性の競争

国家間の競争でも潜在ニーズの見極めに加えて、制度面での予測可能性を高められるかがポイントになるのではないかと、

「中国副首相の外資呼び込みに関するコメントにみる、「予測可能性」の重要性」
https://wp.me/p9D2bS-m9
で採り上げた、以下の昨年中国首相が出したコメントなどからも考えています。
「中国、外資呼び込むためビジネス環境の改善必要=副首相」
2017年11月10日のロイター。
https://jp.reuters.com/article/china-economy-businessinvestment-idJPKBN1DA0O6

『中国の汪洋副首相は、中国共産党機関紙人民日報への寄稿で、海外投資家のためにビジネス環境を改善し、サービスセクターへのアクセスをさらに拡大する必要があるとの考えを示した。』
その方策として
『優遇政策ではなく、公平で透明性が高く、法律に基づいた予測可能なビジネス環境を整えることで外資を呼び込むべき』との考えを示したとのことです。

また、中小企業といえども、取引先などを通じて海外との関係を持つことが今後増えてくる中では、どの国が自社の事業について、具体的かつ中長期的な政策・方針を持っているかということを見つつ、自社事業の展開や政策リスクを検討することが重要になってくると予想する次第です。

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