イケアの家賃99円のマイクロアパートにみる、ワーク・ライフスタイルの変化の捉え方と活用方法

アパート

【今日のポイント】
家具メーカーのイケアが東京で行った99円の家賃で住めるマイクロアパートキャンペーン。
年末は、1年を振り返りつつ、来年以降の将来を考える良い機会ですが、
この様に、自由な発想で世の中の変化を想定して実際にトライアルしてみるための発想法と、情報源をご紹介いたします。

 

【目次】
1 99円の家賃で東京に住めるイケアのマイクロアパートキャンペーン
2 ライフデザイン、ワークデザインの領域の異業種のコラボレーションが加速する
3.過去と現在のワーク・ライフスタイルの変化を、他分野の例も参考にして思い切り振り切って予想してみる

 

1 99円の家賃で東京に住めるイケアのマイクロアパートキャンペーン

2021/12/08の1日5分ビジネス英語に以下のトピックスが掲載されていました。

『イケア、不動産市場に挑戦 Ikea tries the real estate market』
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『イケアは日本の東京で貸し出す小さなアパートを持っており、不動産分野で運試しをしている。』

東京は新宿で、イケア(IKEA)が12月3日までに募集したキャンペーンの案内に関するものです。

イケアの本記事のキャンペーンサイトはこちら。

『このハッピーな部屋に足りないのは、 ふさわしい住人だけ。』

『限られたスペースでのコーディネートには、実はたくさんのソリューションやそれに適したアイテムがあります。

とある狭い都内の部屋のために、不動産エージェントBLAHAJ/ブローハイとイケアのインテリアデザインチームがタッグを組んで手がけました。

この入居当日から快適に過ごせるハッピーな部屋が完成したら、さっそく住人を探します。
11/24から入居者募集を開始しますので、ぜひお申込みしてください。家賃が心配?大丈夫、IKEA Familyメンバー限定で月々たったの99円です。

応募は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。』

 

同社は、上記の部屋(『Tiniy Homes』)で登場する部屋のように限られたスペースでのコーディネートを、IKEA原宿、IKEA渋谷、IKEA新宿の3店舗のルームセットで展開中とのことです。
3店舗のルームセットの紹介サイトはこちら。

『見覚えのあるサメが、あなたをアイデアあふれる小さな部屋へ案内します。』
各店舗毎に異なるユーザーを想定して、紹介していますが、ショールームだけでなく、実際に住める部屋を提供するキャンペーンは中々面白いとその結果にも関心を惹かれた次第です。

 

なお、イケアは、以下の記事の様に、横浜市等と提携した、SDGsに関する取り組みも日本で始めています。

『アキュラホーム×イケア・ジャパン×横浜市が連携 「SDGsな暮らし」が体感できるSDGsハウスを公開
環境貢献への取組みが評価されコラボレーションが実現』

2019/8/15 株式会社アキュラホームのプレスリリース。

『SDGsに積極的に取り組むイケア・ジャパン様、ヨコハマSDGsデザインセンター様とのコラボレーションが実現し、『SDGsライフデザインプロジェクト』として、SDGsに貢献する住まいや暮らし方を発信することとなりました。』

なお、今回の記事や参考記事の2017年からのイケアとNSASAの提携記事からは、イケアは「未来を先取りする開発の環境や舞台」を見つけて利用する事に長けているとも感じます。

今回のマイクロアパートへの取り組みは、必ずしも東京だけを最終の市場としているのではなく、家賃が高騰しているシリコンバレーや、今後の経済成長と人口増加が予想されているアフリカやインドなども視野に入れているのではと想像しています。

SDGsや都市の過密化などのトレンドを見据えて、先行的に取り組む姿勢は、他業界も含めて参考になるかと考える次第です。

 

2 ライフデザイン、ワークデザインの領域の異業種のコラボレーションが加速する

今回の記事と、以前ご紹介した、日産のオフィス付きボックス車キャッシュレスなどの非接触化行政の新型コロナ対応などによる都市間競争グーグル(メタ)のメタバースNASAとイケアのコラボのトピックスからは、
「新型コロナとSDGsが空間デザインや衣類を含めて、ライフデザイン、ワークデザインの領域の異業種のコラボレーションを加速する」様子が窺えると感じました。

最近は在宅勤務だけでなくワーケーションも含めてリモートワークへの関心が高まっていますが、
働き方、生活の仕方(ワークスタイル、ライフスタイル)が、新型コロナやデジタル化、SDGs等の社会課題への対応から大きな影響を受ける中で、
仕事をする空間、生活空間もその変化に対応するために、従来とは異なる空間デザインが必要になっているのではないかと思います。

また、2012年の米国のマイクロアパートの記事からは、この様な過去のトレンドも含めて幅広い時系列で世界のトレンドを見て対応している企業も多いと想像できるかと思います。

そのような居住・オフィスなどの空間の変化に応じてその中で使われる家具、オフィス機器、エンターテイメント機器(メタ社のVR用靴など)などもまた、新しい機能や価値が求められてくるため、
異業種とのコラボレーションによって、NASAの宇宙開発へのイケアの参加のような、未来の方向に振り切った環境・課題」を取得する取り組みが増えるとともに、その結果を提供するための新規商流開拓やエンドユーザーのラストワンマイル解消のためのコラボレーションもまた進むものと考える次第です。

 

3.過去と現在のワーク・ライフスタイルの変化を、他分野の例も参考にして思い切り振り切って予想してみる

上記のイケアの例のように、現在のVUCAの時代では、過去と現在の延長上で社会や市場の変化、自社の将来像を描くことにはリスクがあり、
いわゆる「ムーンショット」のような思い切った発想が必要になります。

そのような発想を行う方法としては、
一つには、例えば自社や市場が「長距離、補給、密室空間」などの課題を持っている場合には、宇宙旅行の環境を使ってみる、
「圧力、低温、短時間での活動」などの課題では、深海の環境を想定してみるなど、
自社が現在考えている課題について、「極端に深刻な状況」を持つ分野からヒントを得るという方法があります。

また、自社の年間目標や中期目標ではなく、経営理念やビジョンと公的機関やコンサルティングファームなどで行われている未来の社会に関する予測や想定などを突き合わせて、そこから自社の将来像を発想するという方法も有効かと思います。

 

年末は、数多くの1年の振り返りや来年を含めた未来予測などの特集が組まれる時期でもありますので、
『経営デザインシートにおける将来の外部環境予測の情報源と使い方』

でご紹介した野村総合研究所や博報堂生活総合研究所の未来年表なども参考にしながら、自社の将来像を経営デザインシートビジネスモデルキャンパスなどの【自社の全体像を俯瞰しやすいフレームワークの上で描いてみるには適した時期ではないかと考える次第です。

 

参考トピックス>

『日産の「オフィスポッド」にみる、「個(ソロ)x」の普及と、新市場のヒント』

『キャッシュレス化によるデータ利活用と債務増加に考える、リスク管理とビジネスチャンス』

『国家・都市間の競争の多様化にみる、自社環境の変化の把握と予測の重要性』

新型コロナ対応に考える、歴史に学ぶための新技術の活用』

『イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法』

 

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当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。

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