ピコセラ社の知的財産活用表彰の受賞にみる、知財戦略におけるフィードバックの視点の重要性
【今日のポイント】
無線通信デバイスとソリューションを提供しているピコセラ社は、自社の強みの特許化という知的財産戦略と収集データを活用したサービス改善によって日本弁理士会主催の知的財産活用奨励賞を受賞しましたが、
このような、自社事業への評価という「フィードバック」を有効活用して一貫したブランド戦略を建てる上で、「顧客先から得るもの」を自社のビジネスモデルに活用する視点が組み込まれている経営デザインシートも、有効なツールとしておすすめする次第です。
1. PicoCELA(ピコセラ)第6回知的財産活用表彰にて「知的財産活用奨励賞 知的財産情報部門」を受賞
2020/2/3に無線通信のデバイスと、無線通信システムを活用したソリューションを提供しているPicoCELA株式会社は表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『知的財産活用表彰は、知的財産の活用に対する意識が高まることを目的に、知的資産経営に積極的に取り組む中小企業やそれらを支援する金融機関・開発者・サービス支援企業に対し、日本弁理士会が表彰することで、知的財産の活用に対する意識を高めていただくことを目的としたものです。』
(中略)
『ピコセラが受賞した「知的財産情報部門」は本年新設された部門となります。
本部門は、 データ利活用、 標準化推進、 営業秘密管理等での知財活用を行っている企業が対象です。
ピコセラの受賞では、 「世界最高の無線メッシュ技術の実用化を目指し、 積極的に特許取得する一方、 収集データをもとに人流分析等を行い、 より効果的なサービスを提供するなど、 データ利活用で大きな評価を得ている」点が評価されるポイントになりました。』
自社の技術の事業への活用と事業から得るデータの活用方法を最初から設定して特許取得などの知財戦略も含めて必要な対応をとっていくことの重要性を示している事例かと思います。
ピコセラ社の概要はこちら
https://www.picocela.com/about/
以下のトピックスで紹介しているエアロネクスト社は、事業分野や持つべき資産を絞りつつも、ブランドのように優先して構築すべき自社資産については一貫した知財戦略を実行しているドローン企業ですが、
同社やピコセラ社の事例からも、
事業戦略と連動すること一貫した知的資産(知財、ブランド等)戦略が、「モノ売りからコト売りへ」という流れの中で、企業規模や企業の年齢を問わず求められていると感じます。
『エアロネクストの知財戦略にみる一貫したブランド構築戦略の作り方のヒント』
2.当初から「フィードバック」の視点で、自社の知見・データの利活用を考える
上記のような、一貫したブランド戦略を立てるためには、顧客への提供価値とともに、それが顧客からどう受け止められ、評価されて、望むらくは自社のファンになってもらって他者にも推奨しもらえるようになるかという、
「顧客からのフィードバック」をいかに予想し、また情報を得て活用する仕組みを作るかということが必要な要素となります。
経営デザインシートでは、「提供先から得るもの」を「ビジネスモデル」にどう組み込んで、自社の提供価値と顧客満足・顧客体験の向上を図るかを、自社の成長戦略の重要な視点として捉えていますので、
経営デザインシートの作成・利用自体が、このフィードバックという視点を社内や関係者間で共有する上でも有効なツールとなるものと考える次第です。
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