グローバル化の進展による地域間の国際競争の変化の捉え方

空港 航空機

【今日のポイント】

巨大旅客機エアバスA380が2021年に製造を停止するとの発表は、直行便による都市間交通の活性化とそれに伴う国境を超えた地域間競争の激化を予想させます。

空飛ぶ車のような、新しい交通手段も含めて、都市内、都市間の移動・輸送(ロジスティクス)の全体戦略の巧拙が非常に重要になってきていると感じます。

 

● エアバスA380に別れを告げるとき

2019/2/23の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

エアバスA380の生産中止を採り上げたものですが、

このように、巨大かつ豪華な旅客機が生産中止となるところに、現在の航空業界の流れが、ハブ&スポーク(一部の空港に便を集中させてそこから各拠点に分散する)からポイント・トゥ・ポイント(直行便主体のネットワーク)へと移動しているのではないか、

そのために一括大量輸送のニーズが減少し、稼働率(搭載率)の変動への対応が大型機では難しくなり、

また、LCC(Low Cost Carrier)の台頭で、より効率的な運用が求められるようになったこと、

さらに少数顧客を多くの便で輸送する際の航空管制側の能力も上がっていることなどが背景にあるのではないかと感じました。

ハブ&スポークとポイント・トゥ・ポイントについては、以下の記事がわかりやすいかと思います。

「LCCで「色々立ち寄ろう」ハブ&スポークとポイント・トゥ・ポイント」

 

● グローバル化の進展による地域間の国際競争の激化

この記事からも、「グローバル化の進展による地域間の国際競争」が更に進むのではないかと感じます。

ハブアンドスポークよりもポイント・トゥ・ポイントの方が有利になっているということは、
各国の少数の国際空港を持つ大都市間だけでなく、小さな国際空港を持つ地域間での直行便のニーズが増加していることを表しているとも考えられるので、国境を超えた地域間競争が観光、その他のビジネスの領域で更に激化するものと予想する次第です。

 

● 複数の移動手段の組み合わせが都市間の競争に及ぼす影響

上記のように、国境を超えてグローバルな地域間競争が進むと思われますが、

具体的な需要予測などについては、
国土交通省 国土技術政策総合研究所 (NILIM) のLCCの影響予測の手法などが以下に記載されています。

「航空市場の環境変化と需要予測手法の研究動向平成27年12月3日」

その中で、アジア太平洋地域は、2025年までに世界最大の航空市場に成長するが、日本のハブ空港としての地位は低下すると予想されています。

こういった中で、ポイント・トゥ・ポインによる巻き返しというのも一つの方策ではないかと感じます。

また、国内側の航空整備と、以前の本ブログトピックス
「空飛ぶ車の促進政策に見る予測可能性の重要性」
https://wp.me/p9D2bS-GF

でご紹介した空飛ぶクルマに関するロードマップ
の様に、新しい交通手段を含めて、都市内交通の整備を国内外の都市間交通といかに連動させて行くかも、国際空港の競争力に影響するものと予想した次第です。

 

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