DX人材の確保に関する動きにみる、自社に必要な知的資産の確保のヒント
【今日のポイント】
先日の『Q&A>知的資産の獲得のヒントは、どこから見つけられるか?』で、DXの事例から自社の将来に必要な知的資産の獲得方法のヒントを見つけることについてお話しましたが、
今回はDX人材確保の事例に関する事例などから、自社の事業改革などへの取り組みに必要な知的資産などの経営資源の確保について考えてみたいと思います。
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1.DX人材の確保に関する最近の動き
先日の『Q&A>知的資産の獲得のヒントは、どこから見つけられるか?』https://wp.me/p9D2bS-2iEでもご紹介したように、
中小企業でもDXへの取り組みについては、だいぶ注目が高くなってきたと思いますが、やはりDX推進にあたっては人材確保が大きな課題となっており、そのため、この課題に対して色々な方法で取り組まれていると、以下の記事などからも感じる次第です。
●〈中小企業のDXに関する実態調査 第2弾〉中小企業の経営者があまり効果を感じられていないDX施策1位「DX推進のための人材確保・採用」
一方取り組めていない企業の理由 第1位は「対応する人材がいない」リスキリングの内容・やり方が鍵に
2023/3/13に、フォーバルGDXリサーチ研究所(https://www.forval.co.jp/)は、表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000117855.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『【調査結果サマリー】
①中小企業で取り組まれているDX施策 第1位は「現行業務(バックオフィス業務など)のデータ・クラウド化」
しかし、約半数は実施検討フェーズにも至っていない状況
最も取り組まれていない「DXに関する新規事業の開発」は半数が取り組むつもりがないと回答②中小企業経営者の4人に1人が、 「社員へのDX関連の資格取得や知識習得の推進・支援」
「DX推進のための人材確保・採用」 にあまり効果を感じていないと判明!
リスキリングの内容、やり方も重要③ 「現行業務(バックオフィス業務など)のデータ・クラウド」に取り組めていない理由
第1位は「対応する人材がいない」 人手不足、能力不足の解決が必須と判明』
⇒「DX未導入・効果が出ない」と「DX人材の不足」は、鶏と卵の関係にも似ており、社内にDXに関する知見・スキルを取り入れることでこのお見合い状態を突き崩すためにも、DXに関する一般的な知識の提供や、着手し易い業務改善策への利用からの開始、補助金などの外部からの支援を含めて複数の方法による「着手のきっかけ作り」が、重要と感じる次第です。
●【プレスリリース】《調査報告》 リスキリングで「社員の意欲向上」「スキルアップ」「生産性向上」、84.5%の企業で効果
~実施率は年々上昇、7割以上がオンライン活用。今後の課題は?~
2023/3/16に、株式会社デジタル・ナレッジ(http://www.digital-knowledge.co.jp/)は、表記の調査結果についてプレスリリースを公表しました。
https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/31584/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『調査の結果、企業におけるリスキリング実施率は58%で、約10社に6社がリスキリングに取り組んでいることが明らかになりました。
そのうち81%の企業が「2020年以降」にリスキリングを開始しており、実施率は年々増加しています。
リスキリングは全社員を対象にしたものが主流で、74.2%がオンライン研修(eラーニング)を活用してリスキリングを実施していました。』
⇒DXなど、必要なスキル・知見が刻々と変化する中で、現在の社内人材を最大活用するための学び直しニーズの高まりが窺えると感じる次第です。
●リスキリングと賃金UPの相関性など気になる調査を『学びのコーチ』が実施
70%の企業が「リスキリング後の昇給を実施済みか検討」と前向きな結果に
2023/3/14に、パーソルグループのパーソルイノベーション株式会社(https://persol-innovation.co.jp/)は、表記のプレスリリースを公表しました。
https://persol-innovation.co.jp/news/2023/0310-3/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『TOPICS
✓約40%の企業がリスキリングに取り組む
✓リスキリングの種別ではトップダウンが80%
✓重点スキルはITプロジェクトマネジメント、クラウド活用等
✓約30%の企業が昇給・昇格などの優遇を実施。検討中の5%と合わせると約70%が昇給を実施・検討中という前向きな結果に』
⇒DX分野での人材確保のニーズの高さと同時に、企業規模で違いつつも各社取組を始めているため、この取組みの有無と成否が今後の企業競争力に影響を及ぼすものと感じる次第です。
2.事業提携も含めてDX人材確保を考える
上記のように、まずは現在社内にいらっしゃる人材の活用としてリスキリング等によるDX人材の確保が大手企業を中心に進められていますが、
経営資源(リソース)の制約の大きい中小企業では、現在の事業に必要なスキルの取得に集中せざるを得ず、将来に向けたリスキリングまで手が回らないことも多いかと思います。
このような状況の中で、以下の記事のように、事業提携や共同開発で、取引先などの他社と経営資源の共通化を行う方法も、自社の人材の育成・リスキリングなどを行う上で、選択肢の一つになるのではなるのではと思います。
●LOMBYとスズキ、公道走行向け自動配送ロボットの共同開発契約を締結
2023/3/16に、LOMBY株式会社(https://lomby.jp/)は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000103569.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『配送ロボットと電動車椅子という両分野の機体部品を共通化する開発を通じて製造コストを低減し、国内外で競争力のある製品開発を目指します。
2022年より共同開発の検討を開始しており、試作初号機となるLM-R1はスズキ社の電動車椅子の駆動部品をベースに、屋外を遠隔操作、屋内は自律走行をするハイブリットな機体となっています。』
⇒「配送ロボットと電動車椅子の部品共通化」の点に、事業連携により、企業の垣根を超えた生産性向上による商品化への取り組み方法としても、関心を惹かれた次第です。
上記は、「部品の共通化」ですが、このような、事業に必要なハードだけでなく、業務システムや、業務プロセス自体などのソフト面を他社と共同で効率化する方法は、人材確保や育成においても、DXのように企業を超えて共通する面も多い分野、特に基礎的なスキルや知識取得の段階では、適用可能性も見えてくるのではないかと思います。
自社内、また外部支援を活用した取り組みに加えて、DXや、自社の将来に必要な人材(人的資産)の確保に上記の事例などがご参考になれば幸いに存じます。
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