アマゾンの求人情報への解説記事にみる公開情報を利用した他社の戦略推定

Dirk WoutersによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

求人情報や特許情報は、他社の戦略を推定する上で有望な公開情報となります。

とはいえ、特に現在直接競合している企業やお客様以外の公開情報を継続してウォッチすることは難しいですね。

そんな場合の情報収集のヒントをお伝えします。

 

アマゾンが次に狙うビジネス、求人情報から読み解く

2019/7/8 BUSINESS INSIDER に表記の記事が掲載されたいました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『所有よりもレンタルに関心を持つ若い世代が増えるにつれ、レンタル市場は拡大している。

アマゾンは教科書のレンタル以外は、まだほとんどレンタルを行っていない。
だが、アマゾンのウェブサイトに掲載された2つの求人情報は、それがもうすぐ変わる可能性があることを示している。』

 

具体的な内容は、ぜひ同記事をお読み頂きたいのですが、今までのアマゾンの事業展開を踏まえつつ、求人情報を加えて、今後の同社の動きを予測しています。

 

公開情報から競合以外の企業・業界の動向も推測する

同じ業界などで直接競合となる企業の動向は、求人情報なども含めて公開、非公開の情報を見ていることは多いかと思います。

ただ、異業種からの市場参入も珍しくなく、また、AI・IoTや通信などの分野の影響も大きくなっている現在、直接の競合でなくとも、自社に影響を与える企業、業界の動向も、特に中長期の視点から押さえておく必要がありますね。

そういったニーズにおいて、求人情報、特許情報、行政の白書などは有効な情報源かと思います。

もちろん、その道の専門家や当事者のお話が聞ければそれが一番であることは言うまでもありませんが、そのような機会を得るためにも日頃からアンテナを張っておく必要があるかと思います。

そのためにも、上記のような情報源を持っておくことは必要と考える次第です。

 

情報をみるトリガーを工夫する

情報収集は大事ですが、さりとて日頃から公開情報をウォッチするのもなかなか難しいですね。

直接の競合や業界団体内の情報でなければ、なおさら継続的に情報収集して利用する時間を取ることもままならないかと思います。

そのような場合の対応策として、情報を見るトリガーを工夫することが挙げられます。

どんな工夫をするかのヒントとしては、メールやメルマガなどのプッシュ型の情報源の方が、ネットサーフィンなどの自分から見つけに行くプル型よりも使いやすいかと思います。

プッシュ型の情報収集方法として、私も活用している「グーグルアラート」で見ておくべき業界、技術、企業などのキーワードを設定するのは、1つの方法としてお薦めする次第です。

 

本ブログの関連トピックス

『私の情報収集方法(情報源)のご紹介』
メルマガとグーグルアラート、ビジネス書を選ぶための情報源、耳から入るポッドキャストの「1日5分ビジネス英語」などと、私が活用している情報源と、情報収集のテーマの決め方をご紹介しています。

 

IPランドスケープ等の特許情報から他社の戦略を読むポイント』

昔から言われている、事業戦略・技術戦略・知財戦略の三位一体。

逆に公開情報である特許情報や、最近のサービス化に伴い商標出願の情報などから、他社の中長期の戦略を推測することも可能になってきます。

特許情報は、個別企業、業界全体などについて、時系列的に追えるデータですので、工夫次第でその活用方法も広がってくると考える次第です。

 

『特許情報活用にみる技術と市場の双方からの俯瞰』

特許出願のような、技術力をある程度客観的に評価する指標における主要なプレーヤーと、実際の市場における主要なプレーヤーを比較することは、

その技術が市場獲得に役立っているのか、あるいは表に出てこないバックヤードにおけるレイヤーマスターのような影響力を及ぼしているのかなど、その業界のプレーヤーの動向、ポジションを把握し、自社のポジショニングなどを考える上で良い示唆を与えてくれるものと考える次第です。

 

『サムスンの商標出願に考えるモノ売りからコト売り時代の他社の動向把握方法』

サービス化や「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、サービスなどの名称の重要性は増しています。

いち早く良い名前を商標出願などで確保することで他者に先に取られたり、他者の権利を侵害するリスクを回避するとともに、特許出願と同様に他者の商標出願からも、相手の商品・サービスの開発戦略を推測できる可能性があります。

 

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