リーガルフォースの契約書ひな形追加にみる、世の中の取引動向を探る視点
【今日のポイント】
AI契約レビューのサービスを展開するLegalForceが株主総会等のひな形を新たに提供しています。
この様な契約支援の対象となる分野の動向は、技術開発における特許情報と同様に、世の中のニーズや課題の変化を探る事にも使えるものと考える次第です。
● 契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」で新たに株主総会・取締役会等の議事録を含む書式・ひな形120点を提供開始
2020/3/11のAIによる契約レビューサービスを展開している株式会社LeagalForceは表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『株式会社LegalForce(本社:東京都千代田区 代表取締役 角田望; 以下LegalForce)は、法律事務所ZeLo・外国法共同事業(本社:東京都千代田区 代表弁護士 小笠原匡隆、以下法律事務所ZeLo)と協働し、株主総会・取締役会の議事録書式100点及び「ファクタリング契約書」等の専門性の高い契約書ひな形20点、計120点を、AIを活用した契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」で提供開始したことをお知らせいたします。』
(中略)
『■最前線の実務家の手からなるナレッジベースとして進化
その他、今回の追加では、「ファクタリング契約書」といった注目度が高まりつつあるビジネス領域のひな形や、「職務発明に関する特許権の譲渡契約」のような、一社一社の企業では目にすることが少ないひな形など、20点の契約書ひな形を追加いたしました。』
ファクタリング契約(他者の売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスの契約)など用意されているひな形から、多く用いられる契約や最近の取引形態などの状況も窺えるかと思います。
● 契約形態から世の中の取引動向の動きを探る
リーガルテックの動向は、世の中の取引や社内管理のニーズや課題を探る上でも参考になるかと思います。
自社が経験していない取引でも、業界の環境変化が激しい現在では、今後必要となる可能性が高かくなっています。
私自身も、契約相談を受けていていると、そこから自社や契約先のニーズや課題、懸念しているリスクなどの移り変わりを目の当たりにすることが最近増えていると感じます。
今後必要な取引や自社に有利/不利なケースを知るうえでも、契約関連サービスの情報は、以下のトピックスでご紹介している技術開発動向を探る際の特許情報と同じ様に、社会のニーズや課題を探る方法として活用が期待できると考える次第です。
・『IPランドスケープ等の特許情報から他社の戦略を読むポイント』
昔から言われている、事業戦略・技術戦略・知財戦略の三位一体。
逆に公開情報である特許情報や、最近のサービス化に伴い商標出願の情報などから、他社の中長期の戦略を推測することも可能になってきます。
特許情報は、個別企業、業界全体などについて、時系列的に追えるデータですので、工夫次第でその活用方法も広がってくると考える次第です。
・『AI利用のマッチングサービスにみる、「お客の課題発見」という特許情報のビジネス活用』
ニーズエクスプローラ社の自社の強みを適用できる業務や社会の課題をAIを用いて、特許情報から発見するというマッチングサービス。
特許情報の新しい活用方法であり、AIの発達によってこのような新規の活用方法が今後も出てくることを予想する次第です。
・『特許情報活用にみる技術と市場の双方からの俯瞰』
特許出願のような、技術力をある程度客観的に評価する指標における主要なプレーヤーと、実際の市場における主要なプレーヤーを比較することは、
その技術が市場獲得に役立っているのか、あるいは表に出てこないバックヤードにおけるレイヤーマスターのような影響力を及ぼしているのかなど、その業界のプレーヤーの動向、ポジションを把握し、自社のポジショニングなどを考える上で良い示唆を与えてくれるものと考える次第です。
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