研究開発の各段階における情報管理のサポートの効用~スキルや知見の共有と属人化の防止~
【今日のポイント】
電子契約や社内外のオンラインコミュニケーションツールのサービスが普及し始めています。
これらのサービスを研究開発などのプロジェクトの情報管理のサポートとしても活用することは、知見の共有と属人化の防止や、開発成果の活用の最大化、リスク低減などの面からも検討をお勧めする次第です。
【目次】
1.プロジェクトの各フェーズでの法務支援に関するセミナー
2.技術契約の電子化やデータベース化による、研究開発の各段階毎の情報管理の効率化や知的資産の蓄積・構築
1.プロジェクトの各フェーズでの法務支援に関するセミナー
●9/22(水)15:00~「プロジェクトの各フェーズで何をする?法務×事業部連携のポイント」開催
2021/8/26にAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」、AI契約書管理システム「LegalForceキャビネ」を提供する株式会社LegalForceは表記のプレスリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『プロジェクトの立ち上げ段階での法務相談から、サービスローンチ後のメンテナンスまで、事業部門をサポートする際の全体の流れや、各フェーズで法務が取り組むべき事項を、企業内法務と法律事務所の両方に従事した経験をお持ちの法律事務所ZeLo・外国法共同事業の塚本菜那子弁護士と、株式会社LegalForceのマーケティングセクション所属で元法務部の高橋健太郎が、内部(法務部)の目線と外部(弁護士)の目線を交えながらお話ししていきます。』
⇒事業(ビジネス)の目的起点かつ、その全体観を共有しながら各段階に応じた支援やサポートが必要ということは、契約業務に限らず、事業をサポートする業務やサービス全般に共通するものであり、他の分野でも参考になるかと感じます。
2.技術契約の電子化やデータベース化による、研究開発の各段階毎の情報管理の効率化や知的資産の蓄積・構築
以下の記事にみるように、研究開発の各段階毎の情報管理の効率化や知的資産の蓄積・構築に活用できる技術やサービスも広がっていることが窺えるかと思います。
●締結後の原本と契約書情報を、紙・電子問わず一元管理できるWEBシステムBUNTANと契約書の管理・共有をスマートにするソフトウェアHubbleが連携開始し、共催ウェビナーを開催
2021/8/25に株式会社セキュリティリサイクル研究所は表記のプレスリリースを公表しました。
『今回の連携により、Hubbleで作成した契約書を、紙、電子いずれかの形式で締結したのち、BUNTAN保存・保管することで、紙・電子といった形式に関わらず作成過程から締結後まで、一元管理することが可能になります。』
⇒電子契約において、紙契約との一元管理と契約の権限なども含めたセキュリティ対策が喫緊の課題であることが窺えます。
●契約ライフサイクルマネジメントシステム 「ContractS CLM」がSaaS統制プラットフォーム「YESOD」と業務提携。バックオフィス領域でのDX推進を強化
2021/8/24にContractS(コントラクツ)株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
『この度のイエソドとの業務提携を通じて、ContractS CLM導入企業のIT管理者は、利用者への迅速なアカウント権限付与と適切なアカウントの一元管理を行いやすくなり、セキュリティ強化と作業効率の向上が実現可能となります。』
⇒セキュリティなどリスクマネジメントにおける統合管理のような、集中と分散の使い分けの重要性が窺えます。
上記の視点は、生産性向上だけでなく、研究開発や事業等のプロジェクトの実務についても同様に重要なものと思います。
●煩雑で時間のかかる不動産調査業務を、低コストかつスピーディーにTRUSTART、不動産調査サービス「http://R.E.SEARCH」をプレローンチ
2021/8/23に「不動産×テクノロジー×人」の力を掛け合わせて社会課題を解決する、TRUSTART株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
『「R.E.SEARCH」は、主に査定書や提案書作成等の際に必要な不動産調査業務を、専用フォームから簡単に発注ができ、調査資料の納品まですべてオンライン上で完結させるサービスです。
事前のお見積もりや打ち合わせも不要です。』
⇒調査は事業や入口のため、そのサービスの提供方法、調査自体の双方でAI・ICT等と専門家の組み合わせの活用は重要と感じます。
また、以下のトピックスでもお伝えしているように、テレワーク対応等による生産性向上への取り組みが、業界を問わず進み、そこに新たな課題も浮かんでいます。
新型コロナ下で環境変化への対応の素早さが要求される中、プロセス分解と全体俯瞰の両立をきちんと行える仕組みづくりの必要性もまた高まっていると考える次第です。
『契約の電子化やテレワークに考える、生産性向上におけるプロセス分解と全体俯瞰の両立の重要性と実現方法』
そして、上記の実務上の管理は、また、研究開発やその支援に関するスキルの属人化を防ぎ、人的資産の構造資産への転換にも活用出来るものとなります。
生産性向上や新規市場開拓のための研究開発やサービス開発は自社単独で進めることが困難なことも多く、共同開発や技術支援、事業提携なども重要な手段となりますが、
自社での開発、共同開発、また、他社の研究開発を支援するビジネスなどにおいて、その研究開発の各段階における研究成果、他社との協力関係の状況などの情報を一元管理することは、ビジネスの成果を最大化するとともにビジネス上のリスクの予防やリスク低減のためにも非常に重要な課題であり、
上記のような各種データベースや社内外のコミュニケーションツールを起点とする情報共有のシステムなど、外部のサービスなどのサポートも活用しつつ、自社の事業や規模、人材にあった情報管理の仕組みを構築することを、自社の中長期の将来像も見据えて検討することをお勧めする次第です。
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