知的財産エージェンシー、明治大学を支援

株式会社クリーク・アンド・リバー社、知的財産エージェンシーをスタート、第1弾として明治大学が決定

主にクリエーターのエージェンシー事業や著作権及びコンテンツの管理・流通業務を手がけている株式会社クリーク・アンド・リバー社http://www.cri.co.jp/ は、

2017年4月12日に、2017年4月より、大学や中小・ベンチャー企業の研究・開発の成果を大企業などに紹介し、外部連携を促進するプロデュース事業「オープンイノベーションプロデュース事業」を開始すると発表しました。
http://www.cri.co.jp/news/press_release/2017/20170412001905.html

「研究成果の登録および相談は無料で、実際に共同研究などのスタートが決定した際に、手数料をいただく成果報酬型の契約。(第1段として)明治大学とも、当内容で契約をしており、今秋までに建築やファッション、クリエイティブ分野などでの活用手法の提案を行う予定」
とのことです。

また、同リリース内では、
「本サービスの運用にあたり、当社のIT分野のグループ会社 株式会社リーディング・エッジ社とエコノミックインデックス株式会社と共にAI技術の一つである機械学習を、外部連携先の選定に活用する取り組みを実施いたします。論文などの研究成果データをAIが単語やデータ、文章パターンや画像の特徴などに自動で分析して分類。技術や研究者を求めている企業のニーズに最適なシーズを選び出し、共同開発などに繋げる仕組みとなる予定」
と記載されていますので、ここでも機械学習などAIが活躍するようですね。

大学の知財活用としては、すぐに大学の知的財産本部やTLOなどの活動が頭に浮かびますが、どこも事業化にはかなり苦戦しているようです。

今回のような、民間企業による大学等の知財活用が進めば、いわゆる「死の谷」や「ダーウィンの海」と行った技術開発から事業化への流れのハードルを乗り越えることに貢献できるのではと今後の動きにも注目したいと思います。

大手、中小を問わず、民間企業でも今持っている経営資源で新しい市場を開拓することは、検討すべき事業戦略の一つでありますが、
その経営資源の一つである知的財産(特許権など)、特に休眠特許のように自社の事業で現在使っていない知財を活用することは、非常に難しいことが通常ですね。

上記のリリース内でも、同社は、2015年に出願された特許出願31万8,721件のうち、未利用の特許(休眠特許)は、約65%存在すると推測しています。

知的資産とプロデューシング

今回の株式会社クリーク・アンド・リバー社のように、大学等の持っている知財=知的資産の活用を支援するエージェンシー機能は、いわゆるニーズとシーズのマッチングを行い、互いに不足している経営資源の補完関係を構築するプロデューシングに当たるかと思います。

中小企業にとって、自社の持つ知的資産を強みに変える上で、不足する知的資産をどうやって調達するか、特に販路開拓など、取引先等の関係資産の構築を他者の知的資産も利用して進めるには、プロデューサーの役割を果たす存在が必要となり、中小企業診断士や行政書士などもそういった役割を果たすことが望まれていると思う次第です。

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