「副業解禁」の流れに予想する「プロデューシング能力」の重要性の高まり

専門家集団 プロデューシング プロジェクトマネジメント

● 「副業解禁」で壊れる日本の「カイシャ」

2018/4/27の日経ビジネスに表記の記事が掲載されていました。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/021900010/042600066/?P=3

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

厚生労働省のモデル就業規則から副業金規定が削除されたことを受けて、

『つまり、会社の利益に反するようなことがない限り、「副業・兼業」は自由だとした。「原則禁止」から「原則自由」へと方針を180度変えたわけだ。中小企業庁の調べでは、大半の企業が副業を「原則禁止」としており、認めている企業は全体の14%に過ぎないというから、方針変更は大変化をもたらす可能性が大きい。』

と、既に副業を解禁した新生銀行、ソフトバンク、ユニ・チャーム、コニカミノルタなどの例も引きながら、今後の副業解禁の流れの加速を予想しています。

 

● 「本来業務」の明確化と「業務の専門化」

副業解禁の背景に関する上記の記事の見解は、終身雇用制度の崩壊など今までにも目にしたことがあるものでしたが、

『副業を解禁するには、その社員の「本来業務」が何なのかを明確に示さなければならなくなる
(中略)
競業先での副業はダメだとした場合、その社員の「本来業務」が何かを明確にしなければ、「競業」かどうか分からない。会社がその社員に期待する「本来業務」は何なのかを明示し、社員は規定の労働時間の中でそれに応える。つまり、ジョブ・ディスクリプションが明確になっていかざるを得ないのである。』

という指摘は、なるほどと思いました。

欧米企業のように、各従業員の職務が明確に定義され、その職務で専門性を発揮して成果を上げることが求められるということが、日本企業でも進んでいき、その中で、上記の記事が
その人を丸ごと「雇用」して「就業規則」で縛るという従来の「会社と社員」の概念から外れる専門家が増え、業務を明確化したうえで、それぞれの会社と個人が個別に業務契約を結ぶ。そんな関係が増えていくだろう。』
と述べているように、

会社対個人の関係も、個人をまるごと雇用することから、業務ごとの契約関係に移っていくとの予想は妥当なものかと思います。

 

● 横串を刺すプロデューシング機能がより重要に

上記の流れの中で、業務毎に個人が会社に貢献するということが、チームワークや、プロジェクト内での各専門家、あるいは各部所間の連携の在り方にも影響を及ぼすことは想像に難くありません。

従って、個人の専門化、業務特化が進む一方で、業務やプロジェクト全体を俯瞰し、横串を刺す機能は今まで以上に重要になっていくと考えられます。

そして、そのようなプロデューシング能力、プロジェクトマネジメント能力もまた、高度な専門性が要求されるようになっていくことを、人的資産の構築・維持において意識しておく必要性を強く感じる次第です。

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