リクルートマネジメントソリューションズの参画に見るギャップや歪みによる課題とチャンスの見つけ方
【今日のポイント】
自社が発展する段階で、人や組織の体制がついていかなくなるリスクは、特にスタートアップや中小企業では大きな問題になりますね。
中長期の成長戦略を立てる際に、このような人や組織に生じるひずみ、ギャップを予測して、他社に先駆けて対策を取ることは競争力強化にも繋がりますし、また、取引先の企業のライフサイクルから同じ様なリスクを予測して対策を提供することは新たなビジネスチャンスにもなり得るかと思います。
● リクルートマネジメントソリューションズが経済産業省主催「J-Startup」に民間サポーターズとして参画
少し以前の話になりますが、2018/9/2に、企業の人材育成を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズは表記のリリースを発表しました。
(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)
『企業の人材育成を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:藤島敬太郎 以下、当社)は、経済産業省が主催するスタートアップ企業の成長を加速し世界と戦うためのプログラム「J-Startup(https://www.j-startup.go.jp/)」に、民間サポーターズとして参画いたします。
この度、参画するJ-Startupは、有識者が推薦した成長スタートアップ企業を「J-Startup企業」として選定し、大企業やベンチャーキャピタル、アクセラレーターなどの「J-Startup Supporters」とともに、海外展開も含め官民一丸となって集中的にサポート。関係省庁とも連携し、プログラムを推進します。
1.「J-Startup」参画背景とサポート概要
人間が生まれてからいくつもの発達段階を経て成長するように、組織にも事業拡大に応じた発展ステージが存在します。
特に、スタートアップ企業が事業を拡大してステージを移行する際、多くの企業ではその事業拡大スピードに人・組織の成長が追いつかず、これまでのやり方が通用しなくなる状況、すなわち、組織の「ひずみ」に直面します。
対応が遅れ、場当たり的な対応に終始していると、問題が深刻化し、事業拡大が抑制される場合もあります。当社では、顧客の課題に寄り添い、「個」と「組織」の力を活かすことで現場の変化を生み出すソリューションを提供してきた知見を活かし、上記の背景を踏まえたスタートアップ企業の支援を実施し、これまでは経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「ICCサミット」に参画するなどの活動を行ってまいりました。』
と経済産業省が進めるスタートアップ企業育成プログラムへの参加とその理由や自社の提供価値について記載しています。
ちなみに、このJ-Startupには2019年2月時点でVCはもちろんのこと、幅広い業界から110社以上がサポーターとして参加しています。
このリリースの中で、「組織はその発展の過程において、人・組織にひずみが生じて事業成長を阻害することが多々ある」というコメントが大変印象に残りました。
● 課題、問題の発生を予め予測する
どうリリースでは、担当者のコメントとして、ひずみが出てからでは後手後手に回ってしまうので、ひずみを予測し、先手を打つことの重要性を自社でも実感していると述べています。
これは、いわば防災や減災、法規制に対するリスクマネジメントにも通じる考え方ですね。
「空飛ぶ車の促進政策に見る予測可能性の重要性」
や
「公正取引委員会の秘匿特権導入に考えるリーガルのグローバル化の影響」
で法規制やそのグローバル化が自社事業に及ぼす影響の予測や、
「ファーウェイの苦境にみる自国の評価というリスク」
で、日本の少子高齢化、地震などの天災なども含めて、他者からの評価という視点からのリスクマネジメントも今後大きな課題になってくるとの予想についてお話しましたが、
歪みや、ギャップをいち早く見つけ、さらには予兆などから予測して他社に先んじて対応する事でリスクをチャンスに変えることも可能となります。
また、今回のリクルートマネジメントソリューションズは顧客に発生するリスクを予測してサポートをすると述べていますが、
「電力・ガスの自由化促進策にみる、「お客様の予測可能性」の重要性」
でもお話したように、お客様や取引先が自社や自社のサービスを選択する際の「予測可能性」(どんなメリットとリスクがあるのか)を高めることで、お客様の不安を取り除き、自社への信頼を高めることの重要性がここにも現れているかと思います。
そして、そのようなひずみやギャップ、リスクを予測するうえで、自社の体験、今までの事業で得た知見と実績という知的資産の活用例としても、今回の記事は参考になるものと考える次第です。
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