ペイレス美容室にみる顧客に合わせる軸とコンセプトとしてブラさない軸の両立
【今日のポイント】
ペイレスシステムを導入したヘアサロン「ピンチ」の運営方針。
生産性向上などの目的だけでなく、自社のコンセプトを社内外に伝える方法として決済システムや開店時間なども考えることが、ブレない軸を作るうえで必要であることを示しているかと思います。
● 財布持たずに美容室に通える“ペイレス”システムを導入したヘアサロン「ピンチ」
2019/8/25のWWDに、表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『年中無休、24時間営業の完全予約制という業態で注目を集めている東京・赤坂の美容室「ピンチ(PINCH)」が、美容業界初の“ペイレス”システムを導入した南青山店を7月初旬にオープンした。』
ライン公式アカウントを利用したペイレスシステム。
現金を扱わないことによる生産性向上、支払いの手間が省けるという顧客度満足向上、ライン利用による顧客接点確保などの効果は大きなものがあるかと予想されます。
顧客のライフスタイルに合わせた、競合他社と異なる開店時間や、現金支払いを希望する顧客をあえて対象外とするペイレスという、顧客に合わせる部分と自社のコンセプトとしてブラさない軸の区別という点でも参考になります。
● ブレない軸と伝え方
『エアロネクストの知財戦略にみる一貫したブランド構築戦略の作り方のヒント』
でご紹介したように、事業分野や持つべき資産を絞りつつも、ブランドのように優先して構築すべき自社資産については一貫した知財戦略を実行して、事業戦略と知財戦略の連動や、戦略の一貫性を重視した戦略は、特に顧客と社内への明確なメッセージの発信という点でも重要かと思います。
また、
『ブラックボックスでもポリシーがブレなければとはどういうことか?』
の中でお伝えしたように、商品やサービスでも、ブレないメッセージを送る(送り続ける)ためには、まず、お客様にその商品が提供する価値についてのストーリーがブレていないことが出発点となり、
顧客起点とシーズ起点を往復しながら、一貫してブレない価値創造ストーリーを作り、経営者だけでなく関係者全員が共有することで、初めてお客様にブレないメッセージを送ることが可能になってきます。
今回の「ピンチ」の事例も、言葉だけでなく、支払いシステムや開店時間なども使って、自社の店舗のコンセプトを明確なメッセージとして伝える一つの方法を示しているかと思います。
ペイレスなどの決済方法やAI・ICT技術を、単に生産性向上のためだけに使うのではなく、自社のコンセプトに紐付けて社内外へのメッセージとして使うことの必要性を改めて感じた次第です。
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