契約レビュー企業の契約管理サービスにみる、自社の顧客接点の活用

【今日のポイント】

電子契約に関する動きは、テレワークの普及なども追い風に百花繚乱の趣さえありますが、自社の顧客接点を活かして、事業提携などにより事業分野と市場を広げていく動きは他分野でも参考になるかと思います。

顧客接点という自社の経営資産に、社内外の知的資産で付加価値を付けて、事業拡大や新規市場開拓、顧客単価の向上などを図ることを検討してはいかがかと考える次第です。

 

1. 電子契約関連の事業提携によるトータルソリューション提供の動き

2.顧客の業務フローや購買心理も含めたマーケティングフローから、自社の顧客接点の活用を考える

3.顧客の購買行動の制約を外す

 

1. 電子契約関連の事業提携によるトータルソリューション提供の動き

今日はクリスマスイブ。皆様は何かプレゼントやイベントなどをご予定でしょうか。

私は例年のようなホールケーキではなく、家族それぞれに好みのケーキを買ってきて、朝食べることといたしました。

今年のクリスマスや年末年始は、新型コロナで忘年会なども自粛の動きが高まる中、オンライン活用も含めて家族や友人との絆を深める新しい方法を探る機会でもあるかと考える次第です。

 

さて、電子契約に関する動きは、以下の記事が提供しているカオスマップを見ると百花繚乱の趣きまで感じますが、最近の関連ニュースを以下にご紹介いたします。

AI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」を提供するGVA TECHが「企業の契約法務のDXを後押しするリーガルテックカオスマップ 2021」を公開

2020/12/8エンタープライズ向けAI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」を提供するGVA TECH株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『多岐にわたる企業法務部の業務のうち、法務担当者の日常業務の大半を占めると言われている「契約書レビュー業務」の課題解決を目指し、AI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」を提供する会社として、

法務担当者が「自社に合ったリーガルテックサービス」をしっかり選定できるように、契約法務を7つのプロセス(受付・リサーチ・翻訳・作成・レビュー・電子契約・契約管理)に分類し、「企業の契約法務のDXを後押しするリーガルテックカオスマップ2021」を作成・公開いたしました。』

⇒プレーヤーの参入と提携や、取引のオンライン化に対する企業ニーズの一端が窺えます。

 

・クラウド契約書管理システム「Marshall」「契約書グループ」機能を追加

2020/11/25に株式会社LegalForceは表記のプレスリリースを公表しました。

『「契約書グループ」機能は契約書の種類や契約書を管理する部門に応じて、閲覧できるユーザーを制限しながら、効率的に契約書を管理することが可能となります。』

⇒契約レビュー側からの契約管理分野への参入の試み。
契約案作成から締結後の管理まで一貫通貫のマネジメントに繋がるものと期待する次第です。契約業務の入り口側からサービスを拡大するという、自社の顧客接点の活用による、顧客生涯価値に沿った事業拡大の事例としても参考になるかと思います。

 

HubbleとジョブカンワークフローがAPI連携。契約書の作成から稟議、決裁までが一気通貫。意思決定の可視化とスピードアップを実現

2020/11/26に株式会社Hubbleは表記のプレスリリースを公表しました。(PRTIMES_JPより)。

『テレワーク普及により契約締結の電子化が急速に進められました。
一方で、その前段階である契約書作成や締結後の契約書管理に関する業務フロー整備は煩雑な場合が多く見られます。
例えば、「最新・締結済の契約書の保管場所が不明」、「いつ・誰が契約書を修正したか履歴を追うことができずブラックボックス化している」、「修正のたびに書類をアップロード・ダウンロードする必要がある」などの課題があげられます。

そこで、稟議書・申請書をペーパーレス化する「ジョブカンワークフロー」と、契約書の管理・共有をスマートにする「Hubble」の連携を決定しました。』

⇒契約書作成から締結後の管理まで、事業提携によるワンストップサービスが進んでいる事が窺えます。

 

・対応しないと損してるかも? 生産性を向上させる「電子帳簿保存法」とは

2020/11/23BCNRの記事。

⇒国税関係帳簿書類の電子データでの保存を可能とする、「電子帳簿保存法」を解説しています。
法規制の動きのモニターは重要ですが、その情報収集方法も組織的な仕組みと工夫が必要と感じます。

 

 

2.顧客の業務フローや購買心理も含めたマーケティングフローから、自社の顧客接点の活用を考える

上記の電子契約関連の記事は、他分野においても、新規市場が立ち上がる際に、自社はどうのようなポジションを取って参入し、その後どの様な成長戦略を描くかの参考にもなるかと思います。

 

契約締結の当事者の業務において、

契約案作成⇒交渉と修正⇒契約締結⇒契約管理

という業務フローの入り口である、契約案の作成での顧客接点を押さえるという点では、オンライン無料相談は有力な手法となっています。

 

また、顧客接点の多いプロセスからの上流・下流への展開というのが、自社の既存の顧客接点をいかしつつ市場を広げる手法として活用されていることも以下の記事などから窺えるかと思います。

 

・契約マネジメントシステム、ホームズクラウドが電子契約機能の強化を目的にクラウドサインを標準実装開始

2020/11/26の株式会社Holmesのプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

『契約プロセスの最適化と契約ライフサイクル管理を実現するホームズクラウドは、事業部から法務部まで、様々な部署が関わる複雑な契約業務の効率化と生産性向上を支援します。』

⇒実装されたクラウドサイン側から見れば、電子署名を中心に業務の上流と下流にサービスを拡大する動きと捉えることが出来るかと思います。

また、電子契約におけるプラットフォームの構築方法としても関心を惹く次第です。

 

・株式会社YZ(イズ)、中小企業の事業成長を支援するグロースマネジメントプラットフォーム「mycsess(ミクセス)」の提供を開始

2020/11/26のスタートアップやスモールビジネスを展開する中小企業を対象とした経営コンサルティングを主事業とする株式会社YZのプレスリリース(PRTIMES_JPより)。
⇒事業コンサルティングから顧客管理プラットフォーム提供への展開は、
電子契約など他の切り口からも進んでクロスオーバーするものと予想する次第です。

 

・フォーバルが電子契約サービス「シムワーク」をリリース!~中小企業のデジタル化を支援~

2020/12/2の企業経営を支援する次世代経営コンサルタント集団である株式会社フォーバルのプレスリリース。

⇒こちらも経営コンサルタント側からの電子契約サービスへの参入事例。
契約業務が多くの分野と関わっている事から、多様な切り口から契約の電子化が進んでいる事が窺えます。

 

 

AI契約書レビュー支援クラウド「AI-CON Pro」が契約書の作成機能をリリース。知財法務に強いメリットパートナーズ法律事務所と提携し、60種類を超える知財契約書のひな型も利用可能に。

2020/11/30GVA TECH株式会社のプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

AI-CON Proでは、契約書における一般的なプロセス(契約書の新規作成レビュー交渉締結管理)の中で、「レビュー」にフォーカスをしてサービスを提供して参りましたが、ご利用中の企業から「AI-CON Proにセットアップされているひな型を使用して、契約書の新規作成がしたい」というお声をいただく機会も多く、契約書の新規作成機能をリリースいたしました。』

⇒契約業務のフローの一部から上流・下流側にサービスを拡張する動きが広がっていることが窺えます。

 

 

3.顧客の購買行動の制約を外す

上記の顧客接点の活用において、「顧客の購買行動の心理面も含めた制約を外す」ことは、有効な視点となるかと思います。

 

『ケンタッキーやマクドナルドのピックアップサービスにみる、顧客購買行動の制約を外す価値』でもご紹介しました様に、ピックアップサービスやテイクアウトは、マクドナルドのモバイルオーダーなどと同様に、顧客の購買行動の制約を外し、購買における空間的・時間的・コスト的・心理的なハードルを下げる手段は、今後も重要な事業課題であり続けるものと思います。

 

自社の制約を外すだけでなく、他社の顧客の購買行動を支援することで、企業の提供価値を届ける手段自体を価値化することは、今後の事業提携においても有効な視点となるものと考える次第です。

 

この、顧客の範囲を広く捉えて、その購買行動における制約を外すうえで、自社の顧客接点の拡大や継続的な維持も含める事が、自社の成長にとって必要な視点であり、

そのためには事業提携も活用して、顧客接点という自社の経営資産に、社内外の知的資産で付加価値を付けて、事業拡大や新規市場開拓、顧客単価の向上などを図ることを検討してはいかがかと考える次第です。

 

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