ポモドーロテクニック専用ツールにみる、スマホアプリのレッドオーシャン化
【今日のポイント】
25分間の作業と5分の休憩を組み合わせるポモドーロテクニックのツール。
スマホアプリというレッドオーシャンからボタン型等の個別デバイスへの移り変わりを窺わせます。
その先では、ソニーのREON POCKETのような個別ツールの形と空間自体に機能を組み込む形の間でパーソナライズの競争と共存が進むものと予想する次第です。
● 作業は25分で区切るべし! 生産性を高める新しい「集中力ツール」
2019/8/14のGetNaviwebに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
クラウドファンディングで開発した「ポモドーロテクニック」を使うツール「Quickstarter: POD」の紹介です。
「ポモドーロテクニック」は「25分間の作業+5分間の休憩」を1単位(ポモドーロ)とする時間管理術です。
同製品のクラウドファンディング上の記事はこちら。
私もポモドーロテクニックのスマートフォンアプリを使ったことがありますが、残念ながら使いこなせずにアプリは削除してしまった経験があります。
今回のツールは、机の上においてもじゃまにならず、使いやすそうだとの印象を持ちました。
● スマートフォンのアプリという戦場での競争激化がユーザーに与える影響
上記の紹介記事で、私が特に興味を惹かれたのは、
『スマートフォンが爆発的に拡大した時期は、何でもかんでもアプリで操作することが流行りましたが、いまのトレンドは「ユーザーにとって、最もカジュアルに扱えるインターフェイス」を作り上げること。』
という部分です。
以前、『セブンイレブンのデジタル変革にみるスマホという戦場の競争の把握方法』で、
スマートフォンのアプリ間の競争も激化の様相を見せおり、顧客のマインドフローやマインドシェアなどの購買行動・購買心理を細かいプロセスに分解しつつ、どんな方法とタイミングでリーチするかを考えることが重要となっているとお伝えしましたが、
ユーザーの時間とスマホの画面という市場の取り合いが、既にアプリ間の競争の限界を超えつつあり、
通勤時間の市場(漫画や週刊誌⇒コンピューターゲーム⇒スマートフォンと通勤時間の市場の占有者が移行)と同じ事が、生産性向上に限らず、色々な市場でスマートフォンアプリ対●●という形で既に起きつつあることを感じた次第です。
● 競争激化とネット環境が起こす新しい集中と分散
今回の、ポモドーロテクニックツールのように、スマートフォンに集約されていた主に情報関連のインターフェースが、今後分散化していく可能性を今回の記事は示しているかと思います。
さらに、以下の記事にもあるように、アマゾンダッシュボタンの誕生と発展的解消が示すように、スマートフォンアプリ⇒独立したツールから、その次の段階も出始めています。
『アマゾンが「Dashボタン」を終了させる理由 ── 実はDashビジネスは好調だった』
上記の記事は、ネット家電の発達と普及や音声機能による物理的なボタンの終焉について解説したものですが、
今回のツールで言えば、作業環境(机、パソコン、照明など)にポモドーロテクニックなどの生産性向上に関するツールが組み込まれていくことに相当するかと思います。
その先には、『ダイキンの生産性向上と空調の相関実験にみる、温故知新と発想の転換の組み合わせ方法』で採り上げたような、空調なども含めたパーソナライズ化された生産性向上の工夫が組み込まれた作業空間の開発や、
『190820 ソニーのREON POCKETにみる「個人の感覚のデザインから感情のデザイン」への流れ』のような、究極の個人別デバイスの双方が、競合あるいは共存するしつつ、生産性向上などの価値提供の競争を進めていくものと考える次第です。
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