新型コロナ対応にみる、幅広い知的財産の確保の有効性

【今日のポイント】

日本でも加速し始めたワクチン接種での民間企業の協力や、人工呼吸器の製造への自動車メーカーの参入など、自社の技術やインフラなどを新型コロナ対応への貢献に活用する事例も増えています。

このような、社会貢献とそれに伴う自社事業の拡大を可能にするためにも、普段からなるべく幅広く知的財産等の知的資産を確保しておくことの有効性が高まっていると感じる次第です。

 

【目次】

1.ワクチン接種に関するニュース
2.人工呼吸器やQRコードなどの異分野からの貢献
3.自社事業の知的財産を確保しておくことが、社会貢献の可能性も広げる

 

1.ワクチン接種に関するニュース

ワクチン接種がようやく日本でも進み始めたことは、各紙で報道され、また身近の方でもワクチン接種を受けたという話を聞くようになりました。

『新型コロナワクチンについて』
厚生労働省のサイト。

 

ワクチン接種においても、国内外で、自治体や各企業は色々工夫をしつつ、迅速な対応を目指していると以下の記事からも感じた次第です。

『愛知 豊田市 集団接種会場の運営に「トヨタ生産方式」活用』
2021/5/30のNHKニュース

製造業などの進んだ分野からの知見導入がワクチン接種や防災などでも有効な事が窺われます。

デジタル化などでも、先行する業界の事例は参考になるものと考える次第です。

 

『相乗り会社、米国で予防接種を容易にする Ridesharing companies make vaccination easier in the US』

2021/5/25の1日5分ビジネス英語のトピックス。

ウーバーやリフトによる、予防接種センターへの無料乗車の提供に関するものですが、自社事業による貢献は、自社ブランドの向上だけでなく、新しい事業提携先を得る機会ともなることを感じた次第です。

 

なお、外交とワクチン生産能力に加えて、今後は「スマート行政などの行政効率化がワクチン接種率と経済回復与える影響を高める」様子もすでに現れているか思います。

 

以下の、世界各国のワクチン接種率を見ると、2021年の初頭の段階で、セーシェル、英国、米国などは大きく他を引き離している様子が見て取れます。

『新型コロナウイルスワクチン接種率の推移【世界・国別】』

ワクチン接種率は、人口やに対するワクチン供給量と国内でのワクチン接種体制の双方が大きな影響を及ぼすものと思いますが、

前者については、自国でのワクチン生産能力に加えて外交面(海外からの供給)も大きな影響を持つことが各紙で報じられています。

一方で小国のセーシェルやイスラエル、ブータンなどは人口あたりのワクチン供給量に加えて、ワクチンの輸送から接種までの取り扱いも国土の広い国に比べて有利性を持つのではないかと思います。

現在、英国はかなりワクチン接種が進んでいると聞きますが、その要因の一つには、同国は医療制度が比較的充実しているのではないかと、(90年代のかなり昔になりますが)2年ほど滞在していた時に受けた印象から考えています。

 

同様に、今後ワクチンの供給量が増えてきた際には、輸送から接種までの国内体制が、ワクチン接種率やその後のケアなどに及ぼす影響が相対的に大きくなり、そこではスマート行政などの行政効率化の果たす役割も増大するものと考える次第です。

 

2.人工呼吸器やQRコードなどの異分野からの貢献

前述の、トヨタ生産方式の活用については、以下の様に第一次産業でも進んでいますね。

『豊岡でのトヨタ式「カイゼン」による農業の生産性向上 にみる知恵の流れとフィードバックの重要性』

2018/11/28の本ブログトピックス。

業務の可視化とインプット⇒アウトプット⇒フィードバックによる螺旋的進歩がポイントかと考える次第です。

 

異業種の知見や技術の新型コロナ対応への適用は、自動車メーカーの人工呼吸器製造など、随所で行われていることも目にする所です。

『QRコードやデータ記録用テープにみる、温故知新による新規ニーズへの対応商品のアイデア発想』
2020/11/5の本ブログトピックス。

現在、新型コロナで苦境に立っている観光業等でも他業界の手法は参考になるかと思います

以下は異業種からの参入に対して状況を把握し、自社のリスク対応や新規事業戦略へのヒントを得るためのアンテナの張り方の一例です。

『宿泊業界の新規参入者の記事にみる、他業界の参考方法』

2019/10/8の本ブログトピックス。

 

3.自社事業の知的財産を確保しておくことが、社会貢献の可能性も広げる

上記の新型コロナ対応などの記事からは、「自社事業の知的財産を確保しておくことが、社会貢献にも繋がる」事が予想出来るかと思います。

 

ワクチン接種に関する記事は、民間の取り組みを活用する上で、行政の果たす役割が重要なことを示唆するものかと思いますが、

行政が支援する対象がそれだけのポテンシャル(社会課題に貢献できる可能性)を持っていることが前提となるかと思います。

また、トヨタ生産方式のように、他社に提供できるノウハウを含めた知的財産(知的資産)を持っていること、また、その伝達・提供方法についても知見やスキル、仕組みを備えることの必要性も上記の事例は示していると感じます。

 

『イケアとNASAのコラボにみるイノベーションに有効な方法』
でご紹介したNASAとIKEA宇宙探査の居住性に関するコラボなどでは、

異業種間の連携に必要な、知的財産のライセンスに関するルールや、技術開発・事業提携のネットワークづくりに関する特許情報・ノウハウ情報等のデータベースや事業提携のマッチング等の支援などの体制づくりも、パンデミック対応、環境問題、少子高齢化等の社会課題への対応や、新産業の振興などの各分野で大きく進むことで「災い転じて福となす」ことの一例になることを期待を込めて予想しましたが、

以下の

2018/12/20 Cnet Japanの記事 『イーロン・マスク氏、高速地下交通網のテストトンネルを公開』

のようなイーロン・マスク氏の地上での大型プロジェクトや、数々の宇宙開発、

Amazonのジェフペゾス氏の慈善事業や火星プロジェクトのトピックスのような、資産とビジョン(夢)による大規模なプロジェクトにおいても、

自由に使える(人に使わせてあげられる)知的財産を持つことが、社会貢献においても非常に重要になるのではないかと思います。

これは、現在の新型コロナにおけるワクチンの特許の開放に関する国際的な駆け引きや、トヨタのFCV(燃焼電池自動車)に関する特許開放などにも通じるものがあるかと思います。

 

自社が異分野含めて社会貢献し、そこで自社のビジネスを広げられる可能性や選択肢を普段から確保しておくという点で、汎用的な技術をカバーする知的財産を持っておく有効性が今後高まるものと予想した次第です。

 

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