サイバーセキュリティ専門家のニーズ増大に考える、スキルアップと技能伝承の工夫とビジネスチャンス

【今日のポイント】

サイバーセキュリティの深刻化に伴い、その専門家の需給の逼迫も伝えられています。

このような高度なスキル人材の確保と育成、既存の知見の共有などにおいて自社に必要な人材の確保に加え、自社の持つスキルなどの知的資産の活用もビジネスチャンスの検討で有効性を増すものと考える次第です。

 

【目次】

1.サイバーセキュリティの深刻化による専門家へのニーズ増大
2.専門家へのニーズの変化とその対応
3.自社に必要な専門家のニーズの変化と、自社が提供できる専門知識やスキルの変化の双方から知的資産の確保と活用を考える

 

1.サイバーセキュリティの深刻化による専門家へのニーズ増大

● サイバーセキュリティ専門家、大きな需要 Cybersecurity professionals are in great demand

2021/06/09の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
先日のブログトピックス『パイプラインへのサイバー攻撃に考える、セキュリティ対策とプレーヤーの変化、リスクとチャンス』
でご紹介した、米国の石油パイプラインへのサイバー攻撃がサイバーセキュリティ専門家の需要逼迫に拍車を掛けているようで、

海外では、民間企業が高給で政府機関のセキュリティの専門家に誘いをかけることもあるようです。

 

日本でも、民間の力も活用してサイバーセキュリティ対策を促進すべく、経済産業省などが検討を進めていますね。

『産業サイバーセキュリティ研究会WG3(サイバーセキュリティビジネス化)事務局説明資料』

2021/3/10の第6回 産業サイバーセキュリティ研究会 ワーキンググループ3(サイバーセキュリティビジネス化)の説明資料3

 

以下の記事などにもサイバーセキュリティの専門家の需要増大が報じられていますが、

オンラインによる業務の可能性も含めると、国境をまたいで専門家の採用や業務委託が広がるものと感じた次第です。

『セキュリティアナリストの雇用が2029年までに31%成長』
2021/2/2の(ISC)2 日本語ウェブサイトの記事。

 

2.専門家へのニーズの変化とその対応

今回の記事からは、

「①社会環境と顧客のTPOの変化により専門家へのニーズ(需要)も変化し、
②その対応として、複数の既存専門家との連携、スキルコンテンツのアーカイブ化、技能取得と伝承の支援ニーズも高まり、
③このニーズへの支援がAI・ICTにより進む」

ことが予想出来るかと思います。

 

①については、今回の記事で契機として採り上げら得ているパイプラインへのサイバー攻撃だけでなく、新型コロナ下でのテレワーク等オンライン化、スマートメーターなどインフラのスマート化によるサイバーセキュリティへのニーズの増大が専門家の需給タイト化の背景にあるものと思いますが、これは、ノートルダム大聖堂の修復のように、歴史遺産の維持や復元似必要なスキル・技術の維持・再現といったニーズが事故や天災により顕在化する事に通じるものがあるかと思います。

②については、専門家の育成には時間がかかるため、既存の専門家の活用促進やその保有スキルの共有化、専門家育成の効率化などのニーズも高まることが想定されます。

③そして、このような、変化する専門家ニーズへの対応として、専門家への相談を支援するデジタルツールやGoogleのエジプト語翻訳のように、専門家とユーザーのやり取りの専門用語の翻訳やセカンドオピニオンの情報提供などをAI・ICTで支援する取り組みもまた広がっていくものと予想した次第です。

 

参考記事>

本ブログトピックス
『Googleの古代エジプト語翻訳にみる、海外知識取得の容易化とサイバーセキュリティの課題』
⇒このような翻訳および検索機能の高度化は、海外からの知識の取得を容易にするとともに、新しい「集合知のプラットフォームの競争」も予想出来るかと思います。

 

『触覚フィードバック搭載、自在に解剖可能なVR解剖学ソフトで医療系教育機関の解剖学実習を無償サポート。 』

2021/6/6の株式会社MAI JAPANのプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

⇒非接触での学習のニーズは医療分野以外にも多く、今後普及が加速する事が期待されるかと思います。

 

『処方箋なしで病院の薬が買えるセルフケア薬局、都内にて合計7店へ』

2021/6/6のセルフケア薬局株式会社のプレスリリース(PRTIMES_JPより)。
⇒今後、このようなカウンセリングもオンライン化し、アプリからの利用へとすすみ、また、AI・IoTによるヘルスデータとも連携されるものと考える次第です。

 

3.自社に必要な専門家のニーズの変化と、自社が提供できる専門知識やスキルの変化の双方から知的資産の確保と活用を考える

医療やサイバーセキュリティに限らず、多くの事業で、高度かつ複数の分野の専門家の支援が必要な場面は増大していると感じています。

以下の記事にも見る様に、知的財産や研究開発、イノベーションも専門家を必要とする分野の一つです。

『特許・商標の専門家が集う! 知財パートナーが探せるマッチングイベント「すごい知財サービスEXPO」完全オンラインで開催決定』

2021/6/11にアスタミューゼ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『特許や商標などの知的財産(知財)分野において、企業知財部や経営者と弁理士事務所等をマッチングさせる「すごい知財サービスEXPO」を2021年8月19日(木)と同20日(金)の2日間、完全オンラインで開催いたします。』

(中略)

『現代のイノベーションは複数分野・領域との相互作用で生まれることが多く、従来のような「一分野での専門家」だけでは的確な対応が難しくなっていることもまた事実です。

例えば、家電メーカーが冷蔵庫×ITを用いて、スマート冷蔵庫の特許出願をする際、電気・機械(構造系)技術の専門家は既にいるが、IT系の専門家をすぐに見つけることができず、有効な権利取得をすることが出来ていない、というような事態が起こっています。

アスタミューゼはお付き合いのある企業知財部や経営者、また弁理士や特許技術者の方から寄せられるこういった課題を解決するため、両者をマッチングさせるためのイベントを開催することにいたしました。』

知財分野でも、複数の専門家がプロジェクトベースでチームを組んで企業を支援する形態が進み始めている事が窺えます。

 

以下のブログトピックスでもお伝えしているように、医療や法律分野などでも相談やバックオフィスなどの間接業務のオンライン化が加速し始めています。

オンラインの活用において、専門知識の裏付けによる信頼性をいかに用意し、かつユーザーに訴求するかが今後の重要な要件の一つになってくるものと感じる次第です。

『オンライン医療相談やバックオフィスのオンラインサービスにみる、「オンライン×専門的知識」というサービスの視点』

 

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※>本ブログのトピックスの中で紹介している事例の中で取り上げているサービスや商品等は、解説のための参考として挙げたもので、
当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。

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