ブラジルのダム決壊事故に考える、自社貢献の場を見つける方法
【今日のポイント】
ブラジルでのダム決壊事故。大変悲惨な状況のようですが、「宇宙ゴミの掃除屋」と同じく、宇宙や海外の問題と考えるのではなく自分ごととして捉え、貢献できることは無いかと考えることは、自社事業のニーズを幅広く考える機会となります。
今回は貢献できる場が見つからずとも、その様な意識を持ってニュースを見ること自体が事業機会を見つける訓練にもなるものと考える次第です。
2019/3/8の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。
同事故は、事故発生の当初から、日本でも各紙が報じています。
2019/2/2日経:ブラジル鉱山ダム決壊、汚泥が町のみ込む 現場から
2019/2/7BBCJapan:【解説】ブラジルのダム決壊、疑問点を整理
2019/2/12ロイター:ヴァーレ、決壊ダムの危険性を昨年10月時点で認識
同社は2015年にも同様の事故を起こしており、今回行政がその資産を差し押さえるなど、厳しい処分を受けている模様です。
●同社に限らない尾鉱ダム決壊のリスク
今回の、資源採掘世界大手ブラジルのヴァーレが所有していた「ブルマジーニョ尾鉱ダム」の決壊は、前述の通り、同社については2015年に続いて2度めの事故で、
ブラジル政府は、2回目のダム決壊の直後、災害対策に充てるためにヴァーレ社の資産60億レアルを差し押さえるとともに、2億5千万レアルの罰金を科しているとのことですが、(ウィキペディアより)
尾鉱ダムの利用は鉄鉱石に限らず他の鉱業でも行われているようです。
メキシコでは2018年6月4日にChihuahua州Cieneguita金・銀鉱山の尾鉱ダムが決壊
なお、ヴァーレ社はSamarco鉱山尾鉱ダム決壊事故以降、尾鉱ダム新設が認められず、尾鉱処分場所に困窮していたとのこと。それも今回の事故の背景にあるのではないかと感じています。
●次世代インフラ建設が招く、世界各地(特に中国)の災害と環境問題の深刻化と、日本の技術への期待
今回の記事からは、同社やブラジルに限らず、次世代インフラの構築や既存インフラの老朽化が招く、災害や環境問題の深刻化が予想されるかと思います。
世界全体の鉄鋼需要量及び供給量は個々数年間は、年間約16~17億トンで推移し、現在その5割近くを中国が生産しています。
経済産業省>平成29年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業
また、鉄鉱石価格は、2004年からリーマンショックの落ち込みを除いて大きく上昇し、2016年に一旦低下したあとまた上昇傾向にあります。
このように、鉄鋼需要はかなり底堅く、また上記経産省の調査結果では、中国において。自動車用鋼は新エネ車の販促から高性能の自動車用鋼板の需要が拡大すると述べています。
EV、FCV等の次世代自動車、再生可能エネルギー関連のインフラ投資また、2018/10/27の1日5分ビジネス英語「サウジアラビアの5,000億ドルの巨大都市」
でも取り上げられていたような、世界各地でのスマートシティ建設などにより、鉄鋼需要は世界景気による紆余曲折はあるにせよ、今後も伸びるのではないかと思われます。
そして、上述の通り、鉄鋼生産量を伸ばしている中国でも同様の事故が起きるのではないかと危惧する次第です。
●自分事として社会課題を捉え、自社技術の貢献の可能性を考える
なお、こういった課題について、日本の技術で貢献すべく、JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)なども、日本の技術紹介などを進めているので、こういった第一次産業においても、日本の先進技術の活用が進むことを期待します。
「チリ・CODELCO社、ブラジル・Vale社に対するJOGMECの技術術紹介活動」
(2018.9.5 技術士会資源工学部会例会@機械振興会館)
以前のトピックス
「「宇宙ゴミの掃除ベンチャー」にみる「プレーヤーと受益者のギャップ」という市場機会を見つける方法」
でもお伝えしたように、災害や環境問題を自分ごととして捉え、「ポテンヒットを防ぐ」という視点で自ら手を挙げて問題に取り組むことが、新規市場を見つける一つの手段になるものであり、ブルーオーシャンを見つけるチャンスに繋がります。
また、そのような意識で世界のニュースを見ること自体が、事業機会を見つける良い訓練にもなるものと考える次第です。
★ この記事がいいなと思ったら、クリックよろしくお願い申し上げます(^^)。
※ご質問やコメントをぜひお寄せください!
以下のフォームから、メールアドレスや本名を【入れずに】お送りいただけます。
ご質問やコメントへは、このブログでお答えさせて頂きます。