生産性向上の記事にみる、「新型コロナ対応×AI等の技術×他の効果」と言うソリューションとビジネスチャンスの見つけ方

【今日のポイント】

多くの企業が新型コロナ対応+αという形のソリューションやサービス提供を始めています。

「新型コロナ対応×AI等の技術×他の効果」という組合せの「その他の効果」または「コロナ対応」に自社の知見等の知的資産を適応することで、今の経営資源を活用しつつ、高付加価値化や新商品開発を実現する可能性を高められるものと考える次第です。

新型コロナ下での生産性向上への取り組み

以下のいくつかの記事にもみるように、新型コロナ対応も踏まえてた生産性向上への取り組みが各所で進められています。

 

『「Meister Apps? 現場作業見える化パッケージ」の提供を開始~ 製造現場での作業員のさまざまな情報を見える化し、ソーシャルディスタンスの確保や作業改善に貢献 ~』

2020/6/25に東芝デジタルソリューションズ株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『作業員が携帯・装着するリストバンド型生体センサー、ビーコン注1、スマホなどのデバイス類から、位置・動作・発話などのさまざまな情報を収集・蓄積し、データの見える化・分析を行うソリューションで、以下の特長があります。』

⇒同ソリューションの特長として、

5W1Hでの作業の見える化

②音声によるリモート作業支援

③作業エリアでのソーシャルディスタンス確保

④ハード・ソフトを1パッケージ化したサブスクリプションサービス

を挙げています。

製造現場でのソーシャルディスタンスの確保にも利用との事。
「新型コロナ対応×αと言う提供価値の事例としても参考になるかと思います。

 

・『介護施設や医療施設向け「福祉の森 見守りシステム」を機能強化 ナースコールシステムとの連携、IoTセンサーの拡充などにより現場スタッフの業務負担軽減や入居者に応じた質の高い介護サービスの提供を支援』

2020/7/27株式会社日立システムズは表記のプレスリリースを公表しました。

『「福祉の森 見守りシステム」と医療・介護現場で重要な役割を担うナースコールシステムを連携し、「福祉の森 介護記録システム」へ自動記録することで、ナースコールから発報された呼び出し履歴の記録漏れのリスクを防ぐことが可能になります。

さらに、これまでアラート発報までにとどまっていた従来のアナログマットセンサーからの情報も、同様に対応可能です。

また、介護現場での多用なニーズに柔軟に応えるために、新たなIoTセンサー(離床センサー、環境センサー等)をラインアップに追加しました。』

自動化による生産性向上、業務負荷やヒューマンエラーの低減に加えて、新型コロナ対応策としての有効性はどうかも要注目かと思います。

・ワーケーションは従業員の生産性と心身の健康の向上に寄与する ワーケーションの効果検証を目的とした実証実験を実施

2020/7/27に株式会社JTBは、株式会社NTTデータ経営研究所、日本航空株式会社とともに、慶應義塾大学 島津 明人教授の監修の下に実施した表記の実証実験に関するプレスリリースを公表しました。

結果のポイント
ワーケーションは
①経験することで、仕事とプライベートの切り分けが促進される
②情動的な組織コミットメント(所属意識)を向上させる
③実施中に仕事のパフォーマンスが参加前と比べて20%程度上がるだけでなく、終了後も5日間は効果が持続する
④心身のストレス反応の低減(参加前と比べて37%程度)と持続に効果がある
⑤活動量(運動量)の増加に効果がある(歩数が参加前と比べて2倍程度増加)』

在宅勤務からリモートワークへと、場所を変えることの心身への好影響については、脳の場所ニューロンへの活性化など脳科学の分野でも効果を裏付けする結果が出ているそうなので、今後も注目されることが窺えます。

 

・オンラインで登記申請書類を作成し、法務局に行かずに申請できる「AI-CON登記」にて、ストックオプション(新株予約権)の登記申請に対応しました

2020/8/3AIによる契約書チェック支援サービス「AI-CON」、自社基準のAI契約書レビュー支援サービス「AI-CON Pro」等のリーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECH株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

『ストックオプション制度の導入は、スタートアップ企業の成長や人材獲得において有効な経営手段の一つです。
これまでは専門家によるストックオプション制度の設計から登記申請まで、ストックオプション発行の手続き全体で多大な費用と労力がかかっていました。

このたびのストックオプション(新株予約権)対応では、必要な項目だけを入力すれば1時間程度の作業で書類作成が完了。専門家に丸ごとお願いするしかなかった登記申請を自社で申請することができるようになります。』

契約工程の下流(押印や申請)まで含めたワンストップサービスの展開の一つかと思います。

今後は事業戦略構築支援など、契約工程の上流側も含めたワンストップサービス化も進むものと考える次第です。

 

・持続可能なスマート農業事業による農業振興と雇用創出を目指し、「三井不動産ワールドファーム株式会社」を設立~農業を基点に、都心と近郊地域での多拠点ライフの提案へ~」

2020/8/3三井不動産株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

『・三井不動産とワールドファームは、日本の農業振興と近郊地域における雇用創出を実現すべく、テクノロジーを活用した「持続可能なスマート農業事業」を展開する三井不動産ワールドファーム株式会社を設立し、8月1日より事業を開始いたしました。

・リモートワーク等を行える柔軟な就労環境を提供し、農業のプロフェッショナルを目指す人材の他、自らの仕事を持ちながらも時間・場所に囚われず農業に従事したい人々を受け入れることで、人々の多様化するワーク/ライフスタイルに応えていきます。

・都心と近郊地域の人々が相互交流できる「都市づくり」を進めることで、農業の収益性向上に資するイノベーションや新たな産業創出を目指していきます。』

「ウィズコロナ×地域振興×環境対策×AIなど、「環境変化×社会課題×技術」のキーワードによる新規ビジネスの視点が窺えるかと思います。 

 

・地方の中小企業に特化した経営支援のグローカル、デザイン系会社に向けたデザイン×WEBマーケティングのアライアンスサービスをスタート

2020/8/3に、地方の中小企業を対象に経営コンサルティング事業を行う株式会社グローカルは表記のプレスリリースを公表しました。

アライアンスパートナーシップについて
・グローカルが集客戦略の立案・広告・分析を担当。グローカルと印刷会社・デザイン会社が企画面で連携し、顧客の集客・売上向上支援を行います。

・グローカルとのアライアンスにより、顧客企業の課題解決がこれまで以上に幅広く対応できるため、デザイン会社・印刷会社の提案力アップ、売り上げアップを実現。顧客企業の課題解決にもつながる「三方よし」モデル。』

ユーザーと専門家のマッチングとしても、マーケティング×デザインの推進としても興味を惹かれます。

 

 

「新型コロナ対応×AI等の技術×他の効果」と言うソリューションとビジネスチャンスを見つける

上記の一連の記事からも、業界を問わず、「新型コロナ対応×AI等の技術×他の効果」と言う形でソリューションとビジネスチャンスを見つける動きが広がっていることが窺えます。

新型コロナ対応としての在宅勤務やソーシャルティスタンス、マスク着用などの持つデメリットや課題AIIoTや新素材などの技術で解決する際に、

生産性向上やヘルスケア、エンターテイメント(ゲーミフィケーション)、自己啓発など他の効果も併せて提供できないかを考えることは、高付加価値化やサービス等の幅を広げる上で有効な検討方法となります。

その逆に、生産性向上策としての可視化から、ソーシャルディスタンスを確保するなど、従来の課題への対策を新型コロナ対応と兼用する事も有効な手段ですね。

以前のブログトピックス

『翻訳機能付きスマートマスクにみる、生活習慣の変化によるウェアラブルデバイスの多様化というビジネス機会』
では、新型コロナで常備品となったマスクを例に、普段、人々が身につけているものに、AIIoTや通信技術を組合せることで新規の機能を付加するという新商品や新サービスのアイデアづくりについてお話しましたが、

全く新しい事を始めるというよりは、自社の持つ従来から取り組んでいる課題に関する知見などの知的資産を、

自社や取引先、社会等の新型コロナ対応に他の効果も付加するという形で適用を検討する事は、事業の維持や新規市場開拓の手段としては実現性が高いものと思います。

そのためにも、まずは、自社の知的資産の棚卸しを経営デザインシートなどで始めてみることをお勧めする次第です。

 

以下のランキングに参加しております。ぜひ、クリックよろしくお願い申し上げます(^^)


中小企業診断士ランキング


特許・知的財産ランキング

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です