生産性向上における経営デザインシート(知的資産経営報告書)の使い方

生産性向上

【今日のポイント】

生産性向上は、どの業界、企業でも必須かつ継続して行うべきものですが、そこで経営デザインシートや知的資産経営報告書がどの様に役立てられるかのポイントをお話しいたします。

 

● 企業の変身力を高める適所適財型BPR~生産性に対する誤解を超えて~
事業は人なり。「個」人の適所適財なくして需要創造はおぼつかない。
[田村誠一,ITmedia]

2020/1/8のITmedhiaエグゼクティブに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『 また、日本では「生産性」という言葉への誤解も多い。典型は、生産性向上が業務効率化を意味する、という誤解だ。業務効率化とはインプット極小化活動であり、分母削減は生産性向上につながるから、手段のひとつとしては正しい。しかし、日本の近未来を見据えると、これは本質的な問題解決にならない。』

と、生産性=アウトプット÷インプットのインプットの低減に目が向いて、アウトプットの拡大が疎かになっているのではないかと問題提起しています。

目指すアウトプット=成果から逆算してインプットも考え、生産性=アウトプット/インプットを向上させる。その為には、ビジョン等目指す方向の明確化と共有が必要と感じます。

この点について、同記事では、まずアウトプットを付加価値労働生産性と捉えて、

『付加価値労働生産性が60%以上向上しなければ社会保障費を支えきれなくなる。生産性の飛躍的向上なくしては、国家がもたないのだ。』

と生産性の飛躍的向上が今後の労働人口減少社会において必須の課題であることを述べています。

● 経営デザインシートや知的資産経営報告書で生産性向上へのモチベーションを高める

同記事では、付加価値労働生産性の向上の方策の一つとして、

『(1)「ありたい姿」に向けた付加価値創出ロードマップを描く

 「手始めに、RPA(Robotic Process Automation)やAIを活用した既存事業の業務効率化余地を検討しよう」では何も変わらない。まず新規事業に期待する付加価値額(=労働投入量×生産性)を明確にし、逆算で既存事業の生産性向上目標を定める。』

(中略)

『ビジョンが共有されてこそ、既存事業も暗黙知の形式知化やデジタル化による生産性向上にモチベーション高く取り組むことができる。』

と、将来像から新規事業に求める付加価値の明確化とそこに経営資源を投入するために逆算して既存事業の生産性向上目標を定めること、そしてそのビジョンの共有が既存事業も含めて、生産性向上へのモチベーションを高めると説いています。

まさに、この「ありたい姿」に向けたロードマップを作る上で必要な、ビジョンの策定や現在からそこに至るための道筋の可視化には、知的資産経営報告書や経営デザインシートの利用が有効なものとお勧めする次第です。

『経営をデザインする(知財のビジネス価値評価)』首相官邸サイトより

 

● 生産性向上における経営デザインシートの使い方

以下に、生産性向上における経営デザインシートの使い方の概要を記載いたします。

知的資産経営報告書の場合も同様ですが、

・事業の将来像(顧客にどのような価値を提供するか)の明確化

・⇒その実現に必要なビジネスモデル(経営資源の使い方)と必要な経営資源の洗い出し

・⇒既存の経営資源とその使い方と比較して、ビジネスモデルの変革と将来に向けた経営資源を特定し、既存の事業に使っている経営資源からどれだけ回すことが必要かを把握

・⇒そのために必要な既存事業の効率化(生産性向上)も目標を設定するという流れになるかと思います。

 

1>経営デザインシートを生産性向上の目的に使う場合、先ず、将来的にアウトプット=得たい成果(顧客への提供価値)を具体化することが必要です。

ここでは、自社のSWOT分析による現在の強みと弱み、外部環境の変化と自社の基本理念の双方から、将来の顧客や社会に提供したい価値を決めて行きます。

2>次に、アウトプットの将来像から必要な知的資産、人材などを洗い出す段階に入りますが、この際に現状の自社の経営資源だけでなく、外部調達も含めて検討することが、特に経営資源の制約の高い中小企業では重要になるかと思います。

3>そして、上記の将来像実現に必要な経営資源と現状の経営資源とのギャップから現状の知的資産などの経営資源の再配分と、そのための効率化を検討することになります。

2と3の段階では、経営資源だけでなく、それを活用するビジネスモデルもどの様に変えていくかという視点が非常に重要となるので、

今はどの方に自社の知的資産を始めとする経営資源を利用して顧客への提供価値に変えているかを明確にすることから始めて既存のビジネスモデルを把握し、

4>次に将来のビジネスモデルを同様に記載して両者を比較することになります。

5>将来のビジネスモデルへの変革の道筋に加えて、将来の事業に必要な経営資源の確保から逆算して、既存事業から回すべき経営資源を特定し、そのために既存事業をどれだけ効率化する必要があるかという視点から、生産性向上の目標を設定します。

 

上記のように将来像から逆算して、現状の事業の生産性向上の目標を設定することで、目指す方向と、効率化で得られる成果が共有出来るので、社内外のモチベーションも上がり、協力を得られやすくなる効果が期待できますので、検討されることをお勧めする次第です。

なお、経営デザインシートの作成方法の詳細は、以下のサイトをご覧いただければ、大変幸いに存じます。

『経営デザインシート記載要領』

また、先日のトピックス、
『経営デザインシートを自社の将来像のチェックリストとして使う方法』
も、経営デザインシートの活用方法のご参考になるかと存じます。

 

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