金沢市の電子回覧板の防災への利用にみる、日常と非日常をつなぐ仕組みの重要性
【今日のポイント】
電子回覧板アプリによる災害時安否確認の訓練を行う金沢市。
電子回覧板という日常利用するアプリを非常時にも活用することは、ユーザー接点の維持の面でも、防災意識の継続的な醸成という面でも非常に重要であり、そこにICTなどの活用も広がっています。
● 災害時安否確認素早く 電子回覧板アプリで訓練 米泉校下:石川:
2019/8/26の中日新聞(CHUNICHI Web) に表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『金沢市米泉校下の防災訓練が二十五日、米泉小学校であり、スマートフォンで地域の情報を知る電子回覧板アプリを住民の安否確認に生かす取り組みを初めて実施した。
アプリを通じた安否の照会に、登録者の約八割が回答した。
アプリを導入した地元の団体は、日常的に利用してもらいながら登録者を増やし、安全なまちづくりを目指す。』
日常的に継続するためにどんなコンテンツやサービスと組合せるか、仕組みの重要性が窺えます。
● 日常の利用と非日常の利用をつなげる仕組みと工夫
・日頃からの防災の備えとして、ハード的には、
『花瓶式投てき用消火器にみるユーザーの行動・思考様式に即した商品開発』
でご紹介したような、普段は花瓶、投げれば消火器といった、置き場所、いざというときの使い方のイメージなど、ユーザーの行動・思考様式に即した商品の開発や、
『横浜市のICT活用による市民参加型実証にみる社会課題対策の選択肢とビジネスチャンスの広がり』
でご紹介した「まち歩きサービス」と「地域チャットボット」という2つのICTサービスを提供し、その中でバリアフリー情報などのデータを収集・共有も住民と双方向で進める方法、
千葉市の「ちばレポ」など、スマートフォンやネットを活用した市民参加型の社会課題への対応などが考えられます。
・一方、ソフト的な面からは、
『ブロック塀対策とチェルノブイリツアーにみる防災意識維持の課題と対策』
でお伝えしたように、ネットとリアル、フィクションとノンフィクションを組み合わせて風化を防ぎ、防災意識と体制を維持していく工夫が必要となってきます。
・活動を維持するためにビジネスとして成立させるための工夫
上記のようなハード・ソフト面の取り組みを継続するためには、ビジネスとして成立すること(少なくともかかるコストを回収できること)が必要ですね。
その方法の一つとしては、
『大同生命の安否確認システム無料開放にみある社会貢献とビッグデータ活用の両立』
や
『兵庫県の健康寿命延伸サービスの実証実験にみるAI・ICTによるフィードバックの進展とデータの利活用』
でお話したような、自社のリソース提供による社会貢献とともに、顧客の獲得・維持、そして提供したサービスから得られるデータの自社活用まで見据えた戦略による、社会貢献とその中で得たデータの自社活用の両立が考えられます。
そして、上記のような取り組みと工夫は、自社の活動の範囲を絞るなどスケールダウンすることで、地域における中小企業の役割の発展にも参考になるものと考える次第です。
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