中小企業のペーパレス化に考える業務効率化の逆算思考

● 2018年「働き方改革」に関連するITソリューションの導入意向と投資金額ランキング

2018/8/27に中堅・中小(SMB)市場のリサーチ/コンサルティングを行うIT市場専門調査会社である株式会社ノークリサーチは、表記の調査結果概要を公表しました。
http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2018IT_user_ex1.pdf

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『ノークリサーチでは『人材の活性化』(「人材データベース活用」や「動画によるノウハウ共有など)、『データ処理の自動化』(「RPAによる手作業の自動化」や「議事録の自動作成」など)、『間接業務の効率化』(労務手続きのオンライン化」や「書面のペーパレス化」など)といった18項目に渡る「働き方改革に関連するITソリューション」を列挙し、有効回答企業数700社に渡るアンケート結果を元に、それらに対する中堅・中小企業の「導入意向」と「投資金額」のランキングを算出した。』

と、「人材の活性化」、「データ処理の自動化」、「間接業務の効率化」(書面のペーパレス化)など18項目にわたる「働き方改革に関連するITソリューション」を列挙し、有効回答企業数700社のアンケート結果をもとに、それらに対する中堅・中小企業の「導入意向」と「投資金額」のランキングを算出したものです。

その結果として、
「働き方改革に関連するITソリューション」の導入意向では、「領収書や契約書のペーパレス化」が第1位となっています。

なお、導入意向については、「業務マニュアルのオンライン化」が第2位、「経費精算手続きのオンライン化」が第3位、以下「FAX送受信のペーパレス化」「動画を用いたノウハウの共有」と続いており、オンライン化、ペーパレス化に票が集まっています。

「初期投資予定金額平均」の第1位は「労務関連手続きのオンライン化」でしたが、ここでも「領収書や契約書のペーパレス化」が第4位となっており、ニーズの高さが窺われます。

 

● 電子ファイルでの保存に関する法規制

上記のような文書の電子的保存については、
2004年 11月に制定、翌年4月に施行された、いわゆるe -文書法があります。

『e-文書法によって、財務・税務関係の帳票類や取締役会議事録など、商法(及びその関連法令)や税法で保管が義務づけられている文書について、紙文書だけでなく電子化された文書ファイルでの保存が認められるようになった。

また、元から電子データとして作成された文書だけでなく、紙として保存された文書をスキャンして画像ファイルとしたものに対しても、一定の要件を満たせば正規の文書として認められるようになった。

本法の施行により文書・帳票類の保管にかかるコストが軽減され、企業間取引の電子化にいっそう拍車がかかるものと期待されている。』

と、既に法規制上はペーパレス化が可能な環境は整っています。

(ウィキペディアより)
https://ja.wikipedia.org/wiki/E-%E6%96%87%E6%9B%B8%E6%B3%95

 

● 移行期の大変さ

とはいえ、実際にペーパレス化を進めようと色々な問題に直面しますね。

私も職場で経験していますが、ペーパーレス化など、大きな効率化や業務改革は移行時期が大変です。

まず、これから作成される文書類は良いとして過去の文書をどうするか
そのまま紙で保存するのか、スキャンしてPDF化など電子ファイルに変換するのか、
変換したとしても、データベースに載せて、活用できるようなフォーマット化にまた一苦労します。

こういった効率化をそれこそ効率よく、実効性が得られるように進めるには、紙で利用している時点から効率化や標準化を進めておくことが重要です。

また、新しいシステムを入れる際にも、今までの文書を電子化するについても、当然それなりの費用がかかりますので、費用対効果と、いつまでにやりたいかの時期とから、外注を利用して一気にやるか、ある程度の期間は紙と電子ファイルの混在を前提にするかの見極めも必要となってきます。

 

● 知的資産の構築の手段・機会としてペーパレス化を捉える

上記の「いつまでに」は業容拡大、モバイルワークなど業務形態の変更など自社の事業計画から逆算して考えることが必要です。

その一つの方法として、

知的資産経営において、

人的資産である従業員の働き方の多様化やモチベーションの向上、
構造資産としての業務の標準化や情報・知見の共有の仕組み、
関係資産としての取引先とのコミュニケーションの効率化と活性化などの視点から
ペーパレス化で何を達成したいのかを明確にして、必要な仕組み、ペーパレス化の流れなどを計画していく進め方も検討されることをお勧めする次第です。

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