働き方の変化に合わせたマネジメントとビジネスチャンス
【今日のポイント】
AIによる動画や音声、テキストなどの解析技術は、人の活動の可視化やデータベース化を通じて個人のスキルや知見を組織で共有する有効なツールとなってきています。
働き方や事業環境の変化による外部人材の活用が進む中、これらのツールを活用して、自社の強み(知的資産)を強化するとともに外部人材にも有益な知見やスキル取得の機会を提供することは今後の重要な検討課題と考える次第です。
【目次】
1.テレワークなど働き方の変化に併せたマネジメントツールの普及の動き
2.社内人材と社外人材双方の活用とその組み合わせ
3.外部人材を含めた、エコシステムの構築へ
1.テレワークなど働き方の変化に併せたマネジメントツールの普及の動き
2021/7/9にHRサービス Humap(ヒューマップ)を提供する株式会社アスマークは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『■「せきなび」について
誰が、どこで、何をしているかひと目でわかる在席管理&フリーアドレス管理ツール。
テレワークやフリーアドレス、従業員の増加等による、「誰が、どこにいるか分からない」
「社員の顔と名前が一致しない」
「今、連絡してもいいのか分からない」
「電話の取次ぎが大変」といったお悩みを解決します。』
⇒他社でも同様のサービスは有りますが、働き方の多様化に合わせたマネジメントツールとマネジメントスキルの必要性の高まりと、その支援に関するビジネスチャンスが窺えるかと思います。
2021/7/12にパーソルイノベーション株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
『フリーランス・副業管理システム「エクスチーム」は、発注時に報酬額を決めず、実稼働分だけ請求書を作成する「実稼働分報酬の発注機能」を7月12日(月)に追加いたしました。
従来のエクスチームでは、準委任契約における報酬額を、予め総額で設定し発注していただいていましたが、実稼働分報酬機能の追加により、日給、時給の設定ができるようになり、実稼働分で報酬が決まる発注書が作成可能となります。
これにより、委託先のフリーランスが稼働報告する際、何日(もしくは何時間)稼働したか報告できるようになり、最終的に稼働した「実稼働分の報酬」で請求書作成ができるようになりました。』
⇒このエクスチームというツールは、同リリースによれば、
『エクスチームとは、「external:外部の、外の」と「team:チーム、仲間」とを組み合わせた名称で、フリーランス・副業人材などの外部人材を活用している企業向けの業務委託契約管理に特化したツールです。
発注から納品、請求までを一元管理し、業務委託内容や実績を全て可視化します。』
と外部人材を活用するためのマネジメントツールであり、更に外部人材情報のデータベースとしての機能も持っているとのことです。
外部人材やその情報という「知的資産(人的資産)」の組織的活用や、組織知(構造資産)への転換など、知的資産経営の面からも、このようなサービスやツール(システム)は要注目と感じる次第です。
2.社内人材と社外人材双方の活用とその組み合わせ
専門家を含めて外部人材の活用とその知見やスキルの内部化は、自社の新たな知的資産(強み)を獲得し、強化する上で重要な課題となります。
そこでは、上記の事例のようなデータベース化やマニュアルへの落とし込み、動画などによるスキルのアーカイブ化などの人的資産を構造資産に転換する手法も有効な手段となり得るものと思います。
例えば、メディアサイト株式会社は、授業・講演会・ウェブセミナーの収録及び配信サービスなどを手掛ける企業ですが、
教育機関や企業の知的資産を動画という形で構造資産化し、活用先を拡大することを支援していると捉えることも可能かと思います。
同社のサイトはこちら
以前ご紹介した、三菱電機株式会社の「骨紋(AIでカメラ映像から特定の動作を自動検出する作業分析ソリューション)」のような、従業員の動作を可視化し、データベース化する事例や、東芝デジタルソリューションズ株式会社の従業員が携帯する各種デバイス類からの情報をもとに、ソーシャルディスタンスの確保や作業改善に活用する事例など、
人的資産を構造資産化する手法はAIなどにより進歩しており、更にこれらの可視化手法を外部人材にも適用することで、関係資産の構造資産化の可能性も見えてくるのではと感じる所です。
『三菱電機の「骨紋」にみる、新しいデータ・情報源による商品改善と新規市場開拓』
『生産性向上の記事にみる、「新型コロナ対応×AI等の技術×他の効果」と言うソリューションとビジネスチャンスの見つけ方』
3.外部人材を含めた、エコシステムの構築へ
上記のように、事業変化に合わせて柔軟に必要な人材を活用することは環境変化への対応として必要な手段となってきていますが、
同時に、その人材に対して、自己成長と自己実現や収入などの価値を提供することを両立させることは、非常に重要な課題となってくるかと思います。
その方法の一つとして、経営デザインシート等の知的資産経営のツールに、自社が必要とする人材などの知的資産に加え、自社が、外部人材に提供する価値にも知的資産の視点を加えてみてはいかがかと考える次第です。
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