MaaSの需要性調査にみる、ユーザーのイメージと実ニーズの乖離の可能性
【今日のポイント】
注目を浴びているMaaSですが、まだ認知度は低く、潜在顧客のニーズは従来のタクシーなどのサービスのイメージが強いことが、イード社のアンケート調査からも窺えるかと思います。
実際に使ってもらってフィードバックを得つつ改善していくリーンスタートアップなどの手法の有効性が、今後も高まってくるものと考える次第です。
● イード、『MaaS受容性調査(東京23区版)』を発表「MaaS認知度は2割」「利用意向が最も多いのは配車サービス」「配車サービスに払える金額は300円、500円がボリュームゾーン」
2019/11/6に、株式会社イードは表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『調査目的:
日常生活における移動の実態と、都市型MaaSに関連する各種サービスの受容性/価格受容性を把握する調査内容:
MaaS認知度/電車の利便性とペインポイント/車の保有について/カーシェア受容性/オンデマンドバス受容性/車、電車、バス、タクシー、自転車利用状況/移動の課題/MaaS関連サービス認知率、利用率、利用意向/MaaS関連サービス詳細/MaaS関連サービスに払える金額(1回ごと、または月額)/スマートフォン活用状況/決済手段調査手段:
インターネットアンケート(アンケートパネルに対する調査)回答者条件:
東京23区在住/15-79歳 男女サンプル数:
計1,998s回収割付:
23区在住者の性年代構成比と同じになるように回収』
MaaS=Mobility as a Serviceの定義は、国土交通省の国土交通政策研究所報によれば以下のtとおりです。
『ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念』
出典:国土交通政策研究所報第69号2018年夏季 よりhttps://www.mlit.go.jp/pri/kikanshi/pdf/2018/69_1.pdf
このMaaSの受容性調査の概要として、
同リリースでは、
『■MaaS認知度は2割
(中略)
■利用意向が最も多いのは配車サービス
(中略)
■配車サービスに払える金額は300円、500円がボリュームゾーン』
と記載しています。
身近なサービスへの利用意向が高いことと認知度の低さとはかなり関係があるものと考える次第です。
●知らないものは想像出来ない
ビジネス系のニュースなどでは注目されているMaaSですが、一般的にはまだ認知度は低いようです。
そして、消費者アンケートでは、「知らないものは想像出来ない」ということに注意が必要なことは一般的に言えることかと思います。
したがって、そのサービスが始まって実際に使ってみると、別のニーズや使い方が生まれることは、昔のポケベルなど、多くの事例が示しているところです。
●ユーザーにまず使ってもらってフィードバックを得る
リーンスタートアップなど、まず機能を限定して市場に出し、その反応を見て改良を重ねるという手法は、新しい使い方や価値を提供する場合には、今後も必要性を増してくるかと思います。
また、「モノ売りからコト売りへ」の流れの中では、「モノ」以上に実際に使ってみるまではユーザーのニーズは分かりにくい反面、アプリなどサービスの提供手段とSNSなど含めてユーザーからのフィードバックを得る手段は充実してきていますので、今後ますますトライアンドエラー式でフィードバックを得つつ、商品・サービスの改善と認知度向上の両立を図る手法が重要になってくるかと思います。
そして、デジタル化によるフィードバックの進化とその活用は、上記の視点からもますますその影響を増してくるものと考える次第です。
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