マイクロソフトの週休3日制に考える、バリューチェーン全体での働き方改革の重要性

【今日のポイント】

マイクロソフトジャパンの週4日(週休3日)のトライアル。

生産性向上と従業員満足の双方で大きな成果を収めたそうです。

ICTなどを使った業務効率化、コミュニケーション改善なども参考になりますが、これを自社に応用する際には、バリューチェーン全体での取り組みが重要になってくるものと考える次第です。

 

マイクロソフトジャパン、週4日の議論を再燃

2019/11/11の1日5分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

マイクロソフトジャパンでは2019/10/31に上記の取り組みの結果を公表しています。

『「週勤 4 週休 3 日」を柱とする自社実践プロジェクト「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」の 効果測定結果を公開』

(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

『「ワークライフチョイス チャレンジ 2019 夏」では、以下の取り組みを実施しました。
1. ワークライフチョイス推進の「機会」の提供:週勤 4 日 & 週休 3 日制トライアルの実施

2019 年 8 月の全ての金曜日(2 日、9 日、16 日、23 日、30 日)を休業日としました。
正社員は特別有給休暇を取得し、全オフィスをクローズしました。

2. ワークライフチョイス推進の「実践」の支援:ワークライフチョイス社員支援プログラムの実施

「For Work : 自己成長と学び」「For Life : 私生活やファミリーケア」「For Society : 社会参加や地域貢献」の 3 つの視点で、自己啓発関連費用や家族旅行費用、社会貢献活動費用等の補助などの支援プログラムを実施しました。

(中略)

とくにこの期間中は、マイクロソフトのコラボレーションツールである「Microsoft Teams」を徹底活用することで、会議を招集せずにチャットで済ませたり、会議の多くをオンライン会議で実施するなどして、効率化に取り組みました。

(中略)

削減、向上、満足のそれぞれの観点において、以下の成果が確認できました。

[削減]

2019 年 8 月の就業日数:-25.4%(2018 年 8 月との比較)
2019 年 8 月の印刷枚数:-58.7%(2016 年 8 月との比較)
2019 年 8 月の電力消費量:-23.1%(2016 年 8 月との比較)

[向上]

2019 年 8 月の ”30分会議” 実施比率:+46%(2018 年 8 月との比較)
2019年8月の ”リモート会議” 実施比率:+21%(2019 年 4 月 ~ 6 月との比較)
2019 年 8 月の一日あたりネットワーク数(人財交流):+10%(2018 年 8 月との比較)』

大きな生産性向上の成果があがっており、社員の満足度も9割を超えていたとのこと。

その取り組み体制とともに、大変興味深く、参考になる事例かと思います。

 

「バリューチェーン全体での生産性向上活動」の重要性が高まる

今回の記事からは、「バリューチェーン全体での生産性向上活動の重要性が高まる」事が予想できるかと思います。

マイクロソフトのトライアルは素晴らしいものですが、他業界や自社でも取り組む際には、自分の(自分の組織の)業務負荷を他者に振り分けるのではなく、生産性を上げる事で他の負担を増やさずに業務負荷を減らすか、同じインプットでのアウトプット(成果)を増大させる事が、必要になってきているかと思います。

この課題は、以下の記事にみるように、宅配などの流通業で既に対応が始まっていますが、

2018年11月2日 の経済産業省リリース
「再配達削減に向けた取組事例をとりまとめました」
製造業における在庫管理で言えば、自社の在庫を他者に持ってもらうのではなく、IT等でバリューチェーン全体として在庫を低減する様な対策とも共通するものかと思います。

また、顧客との関係では、先日の『大阪のキャッシュレス理容室にみる、人材活用と維持の仕組み』でご紹介した、様々な合理化で、顧客満足度と従業員満足度の両立を実現している大阪の理容室Barter the GMのように、

顧客満足度と従業員満足度の双方の向上を実現するためにITやキャッシュレス、ペイレスを活用する事とも視野に入れていく必要があるかと思います。

今後、自社の働きかた改革から顧客も巻き込んだバリューチェーン全体の働き方、使い方改革にAI・ICT、IoTなどを活用した試みが進み、週休3日制や働き方の多様化につながっていく事を期待する次第です。

 

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● 自社の関係資産を起点にした知的資産の見直し

上記の取り組みを知的資産経営の視点から見れば、

自社のバリューチェーンと関係資産の関係から、自社を含めた費用対効果と生産性向上を考えることに繋がるかと思います。

そこに自社の人的資産の環境改善を関係資産面と構造資産面から進めていく事も今後の働き方改革での方策の一つと考える次第です。

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