米国の新家賃制度やカナダの育児支援策にみる、「眠れる金鉱」の発掘と新規投資の兆し

【今日のポイント】

新型コロナに対応するうえで、必要な資金の調達は重要課題の一つですが、現在は利活用が進んでいない「眠れる金鉱(資金源)」を探して利用しようという動きも始まっています。

資金に限らず、「眠っている(眠り始めた)資源」を探して活用を図ることは、社会課題解決だけでなく、企業の新規事業や市場拡大にも役立つものと考える次第です。

 

カイロス、人々のためのベンチャーキャピタル

2020/12/1415分ビジネス英語に表記のトピックスが掲載されていました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『金融危機やウイルス発生などの悲惨な時期には、2つの大きな懸念があり、どちらも相互に関連している。
1つは一時解雇の可能性であり、2つ目は経済的困難のために家を失うという脅威である。
後者の影響を減らすために、ニューヨークを拠点とするベンチャーキャピタル会社カイロスは、家賃の救済を提供するための資金を調達する公共政策の提案を作成した。』

新型コロナで生じた社会課題へ、資金面からの解決策を提供する試み。
既にニューヨーク州などでも採用されているようで、このような活動は今後も広がっていくことが予想出来るかと思います。

 

カナダで育児資金を調達するためのデジタル商品

同じく、15分ビジネス英語の2020/12/8の表記のトピックスでは、カナダ政府の、新型コロナによる経済悪化への対応の一つとして、若い母親層の就労促進を図るための育児費用の支援に関する施策と、その資金源としてのデジタル商品への消費税の課税を採り上げていました。

『政府のデータによると、パンデミックにより、多くの女性は、高価な保育士を雇う代わりに、家にいて子供たちの世話をすることを余儀なくされている。

その状況を変えるために、フリーランド財務相は早期学習と育児に関する新しい連邦事務局を設立する計画を明らかにした。

このスキームに資金を提供するために、政府は外国企業が販売するデジタル製品の消費者に消費税を課すことを提案している。これにより、今後5年間で10億ドルが調達される可能性がある。』

 

⇒前述のカイロスと同様に、新型コロナ対応に必要な資金調達に関する試みの一つとして、その施策の施策の効果は、今後要注目かと感じた次第です。

 

社会に眠る金鉱を活用した富の再配分が進む

上記の海外の記事や、以下のような最近の日本の社会保険制度の改革の記事などからは、

「社会に眠る金鉱を活用した富の再配分が進む」事が予想できるかと思います。

『後期高齢者の医療費負担「1割から2割」へ ? 現状の制度をおさらい』
2020/4/27の大和ネクスト銀行の解説記事。その後、2020/12/15の臨時閣議で、年収200万円以上の人を対象に引き上げることが決まったことはご案内の通りかと存じます。

今回のカイロスの記事で私が一番注目したのは

『現在全米で敷金として閉じ込められている450億ドルが解放される。』

の部分でした。

もちろん、今までも敷金はそれなりに運用されているかと思いますが(日本の敷金の運用利回りは1.52%との記事も目にしました)、

 

今回のビジネススキームは、現在新型コロナで困窮している人を救うだけでなく、社会の中で運用が非効率な資金・資産を、経済更生(社会を構成する各個人の効用の総和)を高める事業や今後の成長が期待できる分野への投資に振り向ける効果も期待されているのではないかと感じます。

 

同じことは、日本の高齢者が多く持つ金融資産、特にタンス預金などの、社会全体にとって効率的な活用という課題とも共通するものがあるかと思います。

 

今回の様な民間から提案された新しい公共政策だけでなく、クラウドファンディングなどAIICTSNSなどを用いた民間のスキームも活用されながら、新型コロナなどの環境変化に対応するための世の中の資金運用の最適化が富の再配分も含めて進むものと予想した次第です。

 

「眠れる金鉱=非効率な運用資金、経営資産」を探す

上記の金融資産以外に、人材なども含めて、社会の変化の中で活用が不十分になっている経営資源を探すことは、社会全体だけでなく、個々の企業にとっても、新規事業や市場拡大を図る上で、重要な課題の一つになり得ます。

 

特に目に見えない資産である「知的資産」は、意識して探さないと把握できず、逆に見つけられれば、他社との差別化や顧客に独自の価値を提供できる機会にも繋がります。

 

このような、眠れる金鉱を探す際の情報源として、以下の様なアイデアプラットフォームも出てきています。

『世界一シンプルなファンディング機能が革命的と話題に!140文字のアイデアで出資を受けられる!スマホアプリ「IDEA」が待望の超大型アップデートを敢行。』

2020/12/21の株式会社4loopsのプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

『「IDEA」は140文字内で自分のアイデアを気軽に投稿できるアプリ。その投稿にいいねが付くと、1いいねが1円に換金できる。

今回拡張リリースした機能は、気に入ったアイデアを特許出願オプション付きで買い取り、または、アイデアへの出資が可能になる機能です。

金銭の受け渡しは運営側が徹底的に管理し、アプリ内で契約書の作成も行えるため、詐欺や持ち逃げする恐れがなく、安心してご利用いただけます。』

⇒アイデアが公開されるため、「新規性喪失」や秘密保持の面などへの対策をどの様に取っているのかも含めて興味を惹かれます。

 

上記のようなアイデアベースを含めた情報に加えて、自社の将来像とそこで必要とする経営資源について、経営デザインシートなどの知的資産経営のツールも活用しながら、
社内外の「眠れる資産」を探して、将来のビジネスに振り向ける事を検討し、準備を始めることは、ウィズコロナ、アフターコロナへの備えとしても必要性が高まっていると考える次第です。

なお、経営デザインシートの詳細やフォーマットについては、『経営をデザインする』(知的財産戦略本部サイト)をご参照いただければ、大変幸いに存じます。

 

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