パンデミックで安全な都市ランキングと自社のブランディングの関係

【今日のポイント】

新型コロナにより、世界の都市の安全性に関するランキングも影響を受けています。

複数のランキングの異なる評価に対して、評価項目や評価結果の横並びでの把握を提供するプラットフォームも整備されると予想するとともに、自社のブランディングにおける他者の評価軸の変化への対応へのヒントという点でも、これらのランキングの評価内容とその変遷は見ておく価値があるものと考える次第です。

【目次】
1.新型コロナ後の世界で安全な都市ランキング
2.都市や国家のブランド評価の評価項目などの評価指標に関する情報プラットフォームの整備が進む
3.自社のビジョンやブランディングにおける他者の評価軸の変化把握

1.新型コロナ後の世界で安全な都市ランキング

2021/11/05の1日5分ビジネス英語に以下のトピックスが掲載されていました。

『 ポストパンデミック時代で最も安全な都市 Safest cities in a post-pandemic era』

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『エコノミストインテリジェンスユニットは最近、60都市をランク付けする2021年都市安全性指数を公開した。このランキングは、インフラストラクチャ、環境、個人のセキュリティをカバーする合計76の安全指標と、パンデミックへの備えに基づいている。』

1位はコペンハーゲン東京は5位ですが、健康保障指数では1位とのこと。ワクチン接種の取り組みが評価されたようです。

上記のランキングサイトはこちら

各種分析や元データなども掲載されており、色々と参考になるかと思います。

 

2.都市や国家のブランド評価の評価項目などの評価指標に関する情報プラットフォームの整備が進む

上記のランキングや、
以前のブログトピックス『世界の電子統治に関する国連調査に考える、市民参加型のスマート行政とその中でのビジネスチャンス』でご紹介した、国連の世界幸福度ランキングにおけるインフラや社会制度の評価の影響
同トピックスでご紹介した早稲田大学の都市のデジタル化ランキング

『グーグルマップからの都市ランキングにみる新しい都市の格付け競争の予感』でご紹介した、グーグルマップを用いたインフラと肥満率の関係や、
今年発表された、グーグルマップによるが環境に優し運転ルート提示に関するニュースなどからは、

「都市や国家のブランド評価の評価項目などの評価指標に関する情報プラットフォームの整備が進む」と感じます。

都市に限らず、評価軸はランキングをつける評価者(評価組織)によって異なり、かつその項目や評価結果も時間的に変化していきます。

また、都市間ランキングの比較サイトのような、ランキング間の比較ニーズも、また高くなっていくことが予想されます。

Google Map経済産業省のRESASのような、ビッグデータを用い、複数の目的に使えるマッピングや評価指数を提供する形でのプラットフォームと、

既存のランキングの評価項目と評価結果について、時間軸に沿って比較できる形で情報提供するプラットフォームの双方とも、今後も整備が進み、
ビジネスや政策、リモートワークやワーケーションにおける居住地や活動拠点の選択に活用されていくものと考える次第です。

 

3.自社のビジョンやブランディングにおける他者の評価軸の変化把握

自社ビジョンを考える際や、自社のブランド構築を考える際に、顧客目線での検討が重要であることは言うまでもありませんが、

それに加えて、今後の社会や顧客のニーズの変化と自社のビジョンをどの様に整合させるかも、変化の激しい現在には重要な課題かと思います。

以下の記事に見るように、ネットやAIなども利用して、状況変化と自社のビジョンとを整合させた、ブランディング戦略が重要となっていると感じる次第です。

 

● “ブランド・マーケティング資産”を蓄積、運用する「ブランディングバンク」正式版をリリース

2021/11/5にブランディングテクノロジー株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

『データ×フレームワーク活用による“省人化”で、総合代理店の20分の1のコストからサービス提供を実現し、これまでブランディングやマーケティングにありがちだった「高額なコスト」の課題を解決。中小・地方企業様にも親しみやすい価格でブランド戦略を提供いたします。』

⇒同サービスの紹介URLはこちら

『ブランディングバンクの活用ステップは大きく3つあります。
まずお客様のブランド・マーケティング資産に関するデータを入力します。
そのデータと業界別ベストプラクティスや顧客リサーチデータを掛け合わせることで“成功パターン”を導き出します。

次にレポートとしてお客様の「ブランド・マーケティング戦略を見える化」したシートを作成いたします。

そしてこのシートや登録されている戦略データを基に施策を実行し、PDCAを回すことでデータの精度を上げていくことが可能です。』

自社のブランド・マーケティング資産の見える化(可視化)から、その資産を活用するブランド戦略を立案・実施するサイクルを回すという点からは、
ブランド・マーケティング資産も重要な知的資産の一つであり、知的資産経営の手法が適用できることを改めて感じた次第です。

 

● CCCマーケティング総合研究所、地域活性化コンサルティングサービスを開始~生活者の想いと地域課題の解決を掛け合わせた未来を目指して~

2021/11/2にCCCマーケティング株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

『このたびCCCマーケティング総研が新たに始める地域活性化コンサルティングサービスでは、『暮らす人と共に歩み、共に考えるシンクタンク』として地域や生活者をひとつの「まち」として捉え、「まち」の未来づくりを「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」の力で進めてまいります。

CCCマーケティング総研では、従来のシンクタンクとは一線を画し、データアナリスト、クリエイター、コンサルタントの全てが「生活者の理解無くして戦略設計なし」の考えを持ちながら、「まち」の地域や生活者の未来を目指して取り組んでいきます。』

⇒リモートワーク等で生活者の活動場所や活動範囲も変化する中で、どの様なデータを収取して、クリエイターとの協業の中でどう活用し、街づくりを進めるのか、
また必要なデータの種類や内容も変化が予想される中で、街づくりのマネジメントサイクルにどの様に関与していくのか等の点について、今後も上記のような地域活性化におけるデータとデザインの活用の動きは要注目と思います。

また、外部環境の変化への仮説を立ててのデータ収集という点では、
『経営デザインシートに考える、今と未来のSWOTの使い分け』でもお伝えしたような、未来の時点に立ってのSWOT分析もヒントになるのではないかと考える次第です。

以下は、顧客毎のニーズに合わせたカスタマイゼーションの事例ですが、ランキングの評価指標の変化予測やその対応のヒントにもなるかと考える次第です。

 

● 【日本初】ウイリス・タワーズワトソン社の統合的プライシング・ソフトウェアを採用~お客さま一人ひとりにぴったりの保険料の実現を目指して~

2021/11/4にイーデザイン損害保険株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

 

『ウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)(CEO John Haley)のリスク分析から、お客さまの行動予測、Webサイトへの反映に至るまでを可能とする統合的プライシング・ソフトウェアを採用しました。Webサイトへの反映を実装する同社のサービスを導入するのは損保業界で日本初(※)です。

※2021年10月 ウイリス・タワーズワトソン社調べ』

一般化線形モデル(GLM)を適用し、ロスコストおよび保険契約者行動の高度な予測(更新率や新規成約率の予測モデル作成)を行い、そのモデルを利用したシナリオ分析から最適な保険料を設定するとのこと。

このような、蓄積された顧客データ等×数理モデルによる予測モデルからシナリオを作成・分析する際などに、社員のスキル、過去の知見や想像力をいかに組み合わせていくのかという点にも興味をひかれる次第です。

 

また、状況の変化を把握したうえで自社の強みはどこにあるか、その中で、状況の変化の中で変えるべきところと持ち続けるところはどこかを明確にしつつ活用するためにも、
自社の強みとその要因(知的資産)を理解し、社内外と共有する重要性は、ブログトピックス
『エアロネクストの知財戦略にみる一貫したブランド構築戦略の作り方のヒント』
『エアロネクスト社のドローンロボットにみる、グローバルなブランド戦略と自社事業へのヒント』
でご紹介しているエアロネクスト社( https://aeronext.co.jp/ )のように、

自社の強みを明確にし、知的財産等で守りつつブランド戦略と連携させる仕組みづくりと実践が重要であり、そこでは、知的資産経営の考え方と手法、ツール(経営デザインシートや知的資産経営報告書など)も役立つものと考える次第です。

 

参考記事>

『RESAS 地域経済分析システム』
経済産業省と内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)。

 

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※>本ブログのトピックスの中で紹介している事例の中で取り上げているサービスや商品等は、解説のための参考として挙げたもので、
当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。

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