アップルの自動運転車の動作を予告する技術に考える「予見による安心・信頼の付与」
● アップル、自動運転車の動作をカウントダウン予告する技術で特許取得
2018/8/22のCNET JAPANに表記の記事が掲載されていました。
https://japan.cnet.com/article/35124382/
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『自動運転車の潜在的な問題の1つは、自動運転車を実際に信頼してもらうことだが、自動車が何をするのかを事前に知ることができれば、人々の不安も和らぐかもしれない。操作実行までの数秒をカウントダウンすることで、人々は何がいつ起きるのかを大体把握することができる。』
と、自動運転操作の事前予告(動作実行までのカウントダウン)で乗車している人の安心感を醸成するというものです。
特許公報はこちら
道路標識と秒数、あるいは「あと3マイルは直線道路」といった表示を行うようですね。
さすがアップル、自動運転においても安全だけでなく、安心や信頼感といったところにも目を向けて特許戦略を立てていると感じました。
アップル特許公報より
● 次に何が起きるのかを知ると、人は安心する
私は(ほぼ)毎朝、iphoneのアプリ SOWRKITというアプリでエクササイズ(腕立て伏せや腹筋など)を行っているのですが、そのアプリでも
「次は●●●」と次のエクササイズの種類を予告し、
「3、2、1」とカウントダウンして次のエクササイズに移ります。
このように、次に何をやるかを予告するというのは心構えも含めて準備する余裕を与えてくれるので使い勝手が向上しますね。
予告に加えて、対応方法も知ればさらに安心が増します。
(心理学では、ストレスの対処方法を知るだけで、そのストレスの大半が軽減するとの研究結果もあるそうです)
● インターフェースにおける予告
上記のような予告や次にユーザーが行うべきことの情報提供は、自動運転やエクササイズだけでなく、広くサービス提供時のWebの作り方など、インターフェースの参考にもなりますね。
また、「アップルの周囲の様子を触覚で伝える技術にみる「インターフェースの多様化」https://wp.me/p9D2bS-Ev
でお伝えした、触覚技術などの視覚以外の情報によるインターフェースの多様化と合わせてみると、
アップルのユーザーインターフェースにおける、多面的、包括的な技術開発と知的財産による自社の競争力強化という事業戦略が見えてくるかと思います。
● 自社の「次」を予告する
上記の予告による信頼獲得というのは、サービス提供だけでなく、自社そのものに対する信頼度向上においても使える方法です。
自社の将来をネガティブ、ポジティブ両方の要素を備えて予測し、共有することで、社内外の信頼を得ることが出来ます。
そして知的資産経営報告書はその共有において大変有効なツールとしてお勧めする次第です。
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