ウィズコロナでの会議運営・ファシリテートのヒント
【今日のポイント】
ウィズコロナで、オンラインの会議や講演会などに加えて、オンライン・リアル併用のイベントも増えてきましたね。
今回は、そのようなイベントを主催し、司会する場合に、活性化させ、目的を果たす上で、自分が司会者側やファシリテータあるいは参加者側となった際に気づいた点をいくつかお話しますので、ご参考になれば幸いに存じます。
【目次】
1.新型コロナによる会議などのオンライン化やリアル会議との併用の進展への対応
2.ウィズコロナでの会議運営のヒント1(事前準備)
3.ウィズコロナでの会議運営・ファシリテートのヒント2(会議中)
4.ウィズコロナでの会議運営のヒント3(会議後)
【今日のまとめ】
1.新型コロナによる会議などのオンライン化やリアルとの併用の進展への対応
新型コロナによって加速された、会議や打ち合わせ、講演会など(以下では総称して「会議」と記載致します。)のオンライン化が一般化してきたことは、既に皆さんも実感されていることかと思います。
また、最近のウィズコロナによる、リアル会議との併用も、私自身の士業の研究会などの経験からも、また、研修会・講演会などの募集案内などを見ても、かなり進んで来たと感じていますが、これら会議等のコミュニケーション形態の変化に応じて、会議等を円滑に進めるための会議運営の内容とともに、司会者も含めて運営側が行うこともまた変化して来ています。
今回は、オンライン会議と、オンライン・リアル併用の会議などを対象に、会議運営やファシリテートを担当する方へのヒントをお届けしますので、ご参考になれば幸いに存じます。
1-1.リアル会議との共通点
オンライン会議などオンラインを利用した打ち合わせやコミュニケーションでも、今までのリアル会議と共通するところは、オンライン化による変更点よりも多いかと思います。
以下の項目は、会議の中で司会者等が行う作業以外も入っていますが、会議において活発かつ生産性の高い議論やコミュニケーションを行う上では必要となります。
例えば、
・事前準備と会議後のフォローの重要性:事前のアジェンダや参考資料の用意と参加者への事前送付による共有、会議後の議事録の作成と共有などは、オンラインの会議においても必要な作業であり、既に行われているかと思います。
・会議への全員参加:会議に遅れたり、欠席したりする方がいると、他の参加者にも迷惑をかける事になりますので、事前のリマインダーはオンライン会議でも必要となります。
最近のオンライン会議では、GoogleやMicrosoft Officeなどによる予定の共有もだいぶ利用が進んできましたが、全員が同じ環境で作業しているとは限らないため、予定の共有とリマインダーは今後も必要ですね。
・会議開始時の目的・ゴールとアジェンダ(時間割)の明示:これも会議が横道にそれたり、目的を達成する前に時間切れとなるのを防ぐためにも必要な事項となります。
・発言者の適切な選定や呼びかけ:後述のように、オンラインならではの課題やTipsもありますが、特定の人に発言が偏らないような配慮は、会議運営者として意識する点であることは、リアルもオンラインも変わらない重要事項となります。
・会議中の、現時点の会議の論点、会議の流れ、個々の決定事項の可視化と共有:これもリアル・オンライン共通に会議運営者が行う事項ですが、後述の通り、オンラインならではの課題やメリットも出てきます。
1-2.オンライン会議とリアル会議の違い
ここでは、既に日々感じておられる事と思いますが、オンラインでのコミュニケーション、特に会議や講演のように参加者が多人数の場合の、オンライン会議ならではの特徴を記載します。
・参加者の反応が見えにくい:リアルな会議ですと、司会者も参加者も、誰が発言しているか、その発言に対して賛成、反対、疑問などどのように感じているかなどの反応を、全体的にも俯瞰することが出来ますが、オンライン会議では、どうしても、発言者と写している資料が画面に映る時間が多く、他の参加者や会議全体の反応や雰囲気を掴みづらくなってしまいます。
・資料の共有は印刷物ではなくモニター上中心(事前配布以外):これもオンライン会議ならではの特徴ですが、紙の資料と異なり、現在議論している事項と関連している他の部分の資料を見ようとすることは、パソコンのモニター上では中々難しくなります。
・場所や時間の制約が低減される(時差を別にすれば、海外からの参加も可能):これは、オンラインならではの大きな特徴ですが、
会議室の確保や設営、会議室間の移動などがなくなるということは、
会議の設定が容易になり、参加もしやすくなる、例えば、今までは参加できなかった地域からの参加、あるいは自宅などから参加出来ることで会議を開ける時間帯も広がるなどのメリットと、
会議その他の予定が連続して入って、休憩や準備等の時間がなくなるなどのデメリットの双方が出てきますので、メリットの活用とデメリットへの対応の双方が必要となります。
また、会議運営者としては、今までより参加者が多様化する傾向が出てきますので、各参加者のバックグラウンドや立場の把握と配慮、また、会議参加者の選定などにも注意を払う必要が出てきます。
1-3.オンラインとリアル併用会議の特徴
ウィズコロナで、このオンラインとリアル併用の会議が増えてきていると、私も実感しているところですが、オンラインのみ、あるいはリアルのみとも異なる特徴が併用時には出てきます。
その一つは、リアル参加者とオンライン参加者で臨場感や発表者との距離感が異なることであり、どうしてもリアル参加者の発言が多くなりがちとなります。
これは、前述の、オンライン会議では参加者も会議の雰囲気や流れが掴みづらいという点が影響していると感じています。
また、会議の前後や休憩時間の雑談等の有無というのも、アイスブレイク効果や、会議内容の理解を深める機会という点で、リアル参加者が有利になりやすい点かと思います。
なお、私が意外と影響が大きいのでは?と感じているのが、会議後の懇親会参加の可否です。
リアルのみ、オンライのみの場合は、会議後に懇親会を開くことも容易でしたが、リアルとオンライン併用の会議では、会議のようなオンラインも使える会場で行うのでない限り、居酒屋などでの懇親会にオンラインで参加することは難しいので、特に研究会・研修会のような、業務以外の集まりで参加者同士が相互理解を深める機会に偏りが出てくることも長い目で見ると考慮しなくてはならない事項ではないかと思います。
上記のように、オンランのみ、あるいはオンライン・リアル併用の会議などでは、リアル会議とは異なる特徴が出てきますので、会議運営においても、今までとは少し異なる所が出てきます。
以下は、私が気づいた点となりますが、会議を主催する側になった際のご参考になれば幸いに存じます。
2-1.目的とゴールの明確な提示
これは、後述のモニターなどの会議環境にも関連しますが、特に参加者が自分のパソコンのモニターのみで会議に参加する場合、
目的やゴールをホワイトボードなどに記載するリアル会議に比べて、議論の途中で今回の会議のゴールとの関係などがわかりにくくなりやすいので、
会議開催案内の際の、目的とゴールの明確化と強調は、リアル会議時よりも重要となってきます。
2-2.アジェンダと資料の事前共有の徹底
これも、リアル会議以上に、オンライン会議やオンライン・リアル併用会議では重要となります。
逆に、オンラインでの資料の配布は印刷物よりもやりやすいので、秘密情報の取り扱いには注意のうえ、必要な資料は会議で必ず使う資料と参考資料に分けて事前に配布出来るかと思います。
また、複数回行う会議では、前回の欠席者向けに前回の資料で今回も参考になるものを別途送るなど、参加者ごとに配布資料を分けることも比較的容易となりますので、適宜実施されることをお勧めする次第です。
2-3.事前の質問・意見などの募集と回答用意
特にオンライン・リアル併用の会議では、オンライン参加者は質問や意見などを発言しにくいので、
事前に会議開催案内(参加者募集)中で、あるいは事前にアジェンダや会議資料を配布する際に、質問などを募集しておくことも、特に講習会などではよく目にされているかと思います。
このように事前に質問を募集しておくことは、会議運営側では、似た質問には一括して答えられますし、会議用に想定QAを用意する上でも効率化を図れるメリットがあります。
3.ウィズコロナでの会議運営・ファシリテートのヒント2(会議中)
ここでは、会議中の司会者など、会議運営を行う方のTipsをいくつかお話いたします。
3-1.できればモニターは2つ用意(資料等の表示用と、参加者の様子確認用)
これは、私は自分が参加者の場合も意識しているところですが、特に司会者側として会議運営する場合には、参加者に見せる画面と、参加者の様子や次の資料を用意する画面の2つを同時に見えるよう、モニターは2つ用意することをお勧めいたします。
パソコンの画面上で2つの画面を移すことも可能ですが、特にノートパソコンではモニターの大きさ上、かなり難しいかと思いますので、外付けモニターを用意する、あるいは自分は会議室のような場所で参加する場合は、プロジェクターなどを併用する方法を検討・準備することをお勧めする次第です。
なお、場合によっては、ノートパソコン2台やパソコンとタブレットを用意して使い分けるという方法もあるかと思います。
3-2.資料の提示の仕方(オンライン参加者の使っているデバイスなどが異なる事を考慮)
オンライン会議の特徴の一つとして、参加者のネット環境や使っているパソコン等が異なることがあります。
これは、特に複数の組織から参加する研究会などでは、まず参加時の環境が同一ということは期待できないので、
資料が映らない、あるいは見にくいなどというトラブルを経験されている方も多いかと思います。
従って、司会者や発表者は、資料の中で、今説明しているページなどを適宜音声によって説明して、参加者全員が今行われている議論の内容を把握出来るように配慮することも重要となります。
3-3.発言している人以外のフォロー
発言者は、自分の顔や、話す声の調子なども会議参加者に伝えられますが、他の参加者の状況は、話している側も含めて中々把握し辛いので、
リアル会議以上に、参加者全員の表示機能なども使いつつ、質問やコメントを求める、チャット機能などで補足を加えるなどの配慮が必要となります。
また、1-3に記載した通りオンライン・リアル併用時の、参加者の距離感(特にオンライン参加者)への配慮が必要なことは、会議中常に意識すべきことかと思います。
3-4.ホワイトボードに替わる、会議の流れ・論点などの可視化・メモ
これも、私はよくやるのですが、会議中にパソコンのメモ帳アプリや資料内への追記などによって、現在の論点と確認事項、決定事項などを記載しつつ、適宜参加者に提示しています。
このメモは、4.に記載の会議後の議事録のベースにもなるため、会議作業の効率化にも繋がります。
また、上記の会議メモは、リアル会議のホワイトボード利用に相当するものですが、
オンライン・リアル併用の場合は、ホワイトボードなどに記載しつつ、その画面を適宜参加者の画面に映し出すという方法もあるかと思います。
また、写している資料をみるのに邪魔になるような場合は、チャット機能で別に、論点整理のメモなどを会議メンバーで共有しておく方法もあり、私もよく目にするところです。
3-5.終了時間厳守(次の予定が入っている参加者に配慮)
オンライン会議は、会議室の制約がない分、延長されやすいのですが、会議室の移動がない分、参加者は予定がびっしりと詰め込まれていることがありますので、終了時間は厳守することが必要です。
これは、会議運営だけでなく、参加者の議論や発言を活性化するうえでも、時間切れが迫るとどうしても発言をしにくく、また促しにくくなりますので重要なポイントかと思います。
事前共有のアジェンダと、3-4に記載の会議メモなどでタイムキーピングを行うことが会議運営者には求めれますし、場合によっては、タイムキーパーの役割を別の参加者が担うことも、検討をお勧めいたします。
ここでは、会議後の作業で、議論の内容を共有し、その決定事項を実施するうえでのポイントをいくつかご紹介します。
4-1.議事録の骨子は会議中に作りつつ、参加者に提示
これは、リアル会議でも主催者側に常に求められていることであり、参加者だけでなく欠席した方にも必要事項を共有することが必要となります。
ここで、3-4に記載した会議中のメモを活用することで、簡単に議事メモを作成することが容易になります。
なお、私は本トピックスの執筆時点で、オンライン会議ツールの文字起こし機能は、利用していないのですが、必要に応じて文字起こし専用のツールやオンラン会議の録画機能を活用することも、今後はこれらの機能・品質に関する情報を収集しながら、検討していきたいと考えています。
4-2.事前配布以外の資料で配布可能なものはなるべく早く参加者に送付
これは、議事録以外にも補足資料などで配布可能なものが出てきた場合は、なるべく参加者の記憶が鮮明なうちに共有することをおすすめします。
ただし、印刷物ではなく電子ファイルでの配布となるため、資料の開示範囲や利用範囲については、資料への記載や配布時のアナウンスも重要となります。
4-3.必要に応じて追加の質問募集やアンケートなどの実施
これは、既に講演会、研修会などではオンライン、リアルを問わず行われていることですが、オンライン会議では、Googleなどの機能を使ってオンラインアンケートを取りやすいので、
何かを決定するような会議でも、終了時にチャット機能などで予めアンケートフォームを作成してURLを送るなど、リアル会議以上に迅速な質問や意見募集が可能になるかと思います。
以上、重複する点もあり、また既に行っていらっしゃることも多いかと思いますが、私がオンライン会議、オンライン・リアル併用会議において意識している点をいくつかお話しましたので、今後の会議等のご参考になれば幸いに存じます。
・ウィズコロナで、オンラインのみの会議・打合せから、会場などのリアルとオンライン併用型の会議などが増えてきている。
・リアルとオンライン併用型の会議・講演会などでは、リアルのみ、オンラインのみとも異なる特徴が出てくる(参加者の参加意識、理解度、質疑応答など)
・事前の準備から、会議中、会議後のフォローまで、特にオンラインでの参加者には配慮が必要。例えば、司会側は会議中にはモニターを複数用意して、資料などの投影用と、オンライン参加者の状況把握用にモニターを複数用意すると、リアルとオンライン全体の状況把握がしやすくなる。
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