ITスキルアセスメントツールGAITにみる「検定」の活用

mohamed HassanによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

日本サード・パーティーが運営する、ITに関する総合的なスキルを定量化・可視化するアセスメントツールGAIT(ゲイト)。

海外からのIT人材導入や、国内外のIT人材の育成に活用が進められています。

自社の暗黙知を含む知見や顧客データを「検定」や「資格」の形で活用する方法として、また、知的資産の活用と強化、KPIの設定と検証方法としても参考になるものと考える次第です。

 

1.日本のIT業界でインド人が大活躍!? 有能エンジニアを「輸入」するサービスが話題に

2.自社の知見を「検定」や「資格」の形で形式知化し、事業化する

3.本ブログの関連トピックス

 

1.日本のIT業界でインド人が大活躍!? 有能エンジニアを「輸入」するサービスが話題に

2019/7/13 ガジェット通信に表記の記事が掲載されていました。

 

日本サード・パーティーが運営する、ITに関する総合的なスキルを定量化・可視化するアセスメントツール「GAIT(Global Assessment of Information Technology)とそれを活用したインドからのIT技術者導入について解説しています。

日本サード・パーティーのGAITに関するサイトはこちら

(引用は『』でくくります。 改行は筆者挿入、以下同様)

GAIT(Global Assessment of Information Technology)は、ITエンジニアのスキルを、定量的に可視化するための、アセスメントツールです。

アセスメントの内容は、最新の技術動向を反映するために、定期的にアップデートされており、ITエンジニアに、今、必要とされる複数の技術分野から幅広く出題されます。

アセスメントの結果は、スコアレポートとして可視化され、フィールドごとカテゴリごとに得意・不得意分野を明確に把握することができます。

また、このスコアを共通の指標にすることで、ITエンジニアの「採用・配置・育成・評価」など人事施策に活用することができます。

さらに、スコアにもとづく適切な研修、そして研修後の再アセスメントというサイクルを継続的に回すことで、組織全体のITスキルレベルが向上し、人材育成への投資対効果を最大化することができます。』

特定の国、組織、団体、ベンダーに依存しない国際的なITスキルアセスメントツールとして、国内だけでなく、前述の記事のように海外のIT人材の育成・評価・採用にも利用出来ることを謳っています。

 

2.自社の知見を「検定」や「資格」の形で形式知化し、事業化する

日本サード・パーティーは、同社のサイト https://www.jtp.co.jp/aboutus/history/ で、

1987年、日本サード・パーティ(JTP)は、日本に進出する海外のテクノロジー企業向けに、テクニカルサービス、ヘルプデスク、トレーニングなどの技術サービスのアウトソーシングを提供する会社として設立されました。

海外のお客様の日本での事業展開をサポートするだけでなく、日本のエンドユーザに対して、新しいテクノロジーを届けたい、ITにおける新しい選択肢を提供したいという想いがありました。』

と、日本に進出する海外企業向けの技術サービスのアウトソーシングを提供する企業として創立し、
その後は独立したサービスプロバイダとして、国内外の企業向けに、インテグレーション、システム開発、運用サポートからヘルプデスク、トレーニングなどのITアウトソーシングをはじめ、ライフサイエンス、デジタルマーケティング、ロボティクスなどの技術サービス、そして教育サービスを幅広く提供していると記載しています。

その中で得た知見をGAITというスキルアセスメントツール、いわば「検定」のような形で形式知化し、サービスの幅を広げるとともにGAITを通じてIT人材に関する情報や、GAITのスコアによる人材育成の効果測定など、自社事業へのフィードバックにも活用しているかと想定しています。

自社の事業で得た知見をインプットとし、検定という新たなアウトプットとフィードバックのサイクルを構築しているとも言えるかと思います。

自社の暗黙知を含む知見や顧客データの活用方法として、また知的資産経営では、知的資産の活用と強化、KPIの設定と検証方法としても参考になるものと考える次第です。

 

3.本ブログの関連トピックス

『ミニメイド・サービスの資格ビジネス進出にみる、知的資産の転用方法』

ミニメイド・サービスの強みは、その実績と経験に裏付けされた家事代行業界における「高級ブランド」であり、その強みをアピールするために、サイトにも工夫を凝らしています。

そのような「高級ブランド」イメージを毀損させずに事業を拡大するという課題に資格取得という方法を選んだとも言えますね。
しかも資格取得ビジネスにおいても、自社の知見・実績を強調し、自社ブランドの強化に役立てようとしている姿勢が伺える取り組みかと思います。

このように、自社の現在の強み(今回の場合はブランド)を殺さないで、自社の知的資産を他の分野に転用する方法として、同社の事例は参考になるものと考える次第です。

 

『東大・松尾研発のAI総合研究所、「NABLAS」始動にみる実業と教育の統合の広がり』
教育機関に限らず、社内のスキル・経験を積み上げるその過程や積み上げたスキル自体を教育コンテンツとして、新しい商品・サービスにしていくことは、他の企業にも適用できる方法かと思います。

『ソウルドアウトのデジタルマーケティング人材育成プログラムにみる「人材不足」という市場機会』

生産性向上と人材育成は、現在の少子高齢化、AI・IoTなどの新技術の普及においてほぼ全ての業界における課題となっています。

自社の現在の顧客、あるいは自社の顧客の顧客や、自社の取引先などが持つ「人材育成」「人材確保」という課題に注目して、自社のスキルやシステム、専門家とのコネクションなどの知的資産を転用して相手のお役に立てないかと考えることは、今後ますます有望な新規市場開拓の手段となり得るものと考える次第です。

『オプトグループのデジタルマーケター人材の開発研究機関設立にみる「ユーザーを巻き込んだ人材育成」』
自社内向けに使っている知的資産を、社外にも提供するという方法は、新規ビジネスの開拓や、現在の事業の強化に有用な方法ですが、その際に知的資産そのものだけでなく、今回の人材育成のように、自社の知的資産の構築の方法やそこでのノウハウを、顧客や取引先のノウハウ構築や人材育成の支援に利用するというのもまた、新しいサービスを考えるうえで、面白い視点ではないかと思います。

また、そういった相手の知的資産構築を支援するということは、より深く相手と関わることになるので、顧客理解や顧客との関係性強化という視点からも有望ではないかと考える次第です。

『翻訳センターとLINEの事業展開にみる自社データによるプラットフォーム構築』

翻訳センターやLINEの自社の持つ顧客データや知見を活用した新規事業展開。

 

自社のコアの強みを軸に、事業提携を活用して市場開拓とともに自社の優位性を固めるポジショニングの例としても参考になるかと思います。

 

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