契約書自動作成ツールのオンラインスクール採用にみる、ユーザーフィードバックの活用と潜在顧客の獲得

【今日のポイント】

いくつかの質問に答えるだけで法律文書を自動作成するサービスとオンライン学習のコラボレーションが始まっています。

オンラインサービスの入り口を学習という切り口から広げることで、顧客接点を増やすと同時にユーザーフィードバックの種類と量を向上させることは、自社のコンテンツの有効活用の手法の一つとして検討をお勧めする次第です。

 

【目次】
1.法律文書を自動作成するサービスのリリース
2.フローからストックへ+顧客生涯価値向上におけるユーザーフィードバックの重要性
3.自社のコンテンツを、学習や検定のサービスに転用して顧客接点を広げる

 

1.法律文書を自動作成するサービスのリリース

・いくつかの質問に答えるだけで法律文書を自動生成できるWebサービス「KIYAC」、オンラインスクール「デイトラ」受講生向けに有料プランを特別価格で提供

2021/2/1KIYACプロジェクトは表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『法律文書ジェネレーター KIYAC(キヤク)を提供するKIYACプロジェクトは、WEBスキルを学べるオンラインスクール「デイトラ」を運営する合同会社東京フリーランスと業務提携契約を締結したことをお知らせします。

本提携により、デイトラの受講生は、特別割引料金でKIYACの有料プランを利用できるようになります。』

⇒同社の法律文書ジェネレーターKIYACについては、2021//8に秘密保持契約書と業務委託契約書の自動作成を追加するなど、機能改善を続けています。
https://twitter.com/KIYAKU6/status/1347370418865246209?s=20

また、上記のプレスリリースでは、協力弁護士による法律相談機能も提供しているとのこと。

専門家とAIなどのコラボレーションが進んでいることも窺えるかと思います。

なお、同社と今回協業する合同会社東京フリーランスが提供しているオンラインスクールの「デイトラ」は、動画中心の買い切り型の学習サービスを提供しているとのこと。

デイトラのサービスサイトはこちら

両者の提携によって、受講生によるオンライ学習中およびその後の法律文書自動作成サービスに対する利用結果のフィードバックが得られる事になり、

そのフィードバックによるKIYACサービスの改良、将来の顧客接点の確保等の参考事例としても、今後の展開に関心と期待を寄せる次第です。

 

2.フローからストックへ+顧客生涯価値向上におけるユーザーフィードバックの重要性

・顧客からのフィードバックの利用では、アマゾンの顧客行動データに基づくリコメンド機能などのサービス・商品開発などが有名ですね。

本ブログでも、今までにも『ピコセラ社の知的財産活用表彰の受賞にみる、知財戦略におけるフィードバックの視点の重要性』

『デジタルツインの記事に考える、今できる予測とフィードバック』
などのトピックスで、多くの企業のフィードバック活用の事例をご紹介してきましたが、

リクルート社のオンライン学習サービスのスタディサプリのように、顧客生涯価値の向上の視点からも顧客からのフィードバックの活用は重要度が高まっていると感じます。

 

以下の記事も、顧客生涯価値の向上の視点でみると、契約管理が重要な要素となっていることがわかるかと思います。

・電子署名における企業法務の業務効率化をAIで実現!C-design、リセと業務提携、契約書の作成から締結・管理を一元化

2021/2/1のスターティアホールディングス株式会社のプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

⇒オンライン化を背景に契約作成・レビューと電子署名に士業への相談も含めたトータルソリューションが広がっりつつあることが窺えます。

freeeアプリストアに「freee to CloudSign」掲載開始各種申請で承認された契約稟議の電子押印がより簡易に

2021/2/1feee株式会社のプレスリリース(PRTIMES_JPより)。

⇒会計側からの契約と稟議の電子化。購買や研究開発などの分野でも今後進むものと考える次第です。

 

・ソウルドアウト、データ統合・可視化するBI設定サービス「SO カシカ」のデータ連携先を拡充

2021/2/4のソウルドアウト株式会社のプレスリリース。
⇒個別データの統合により全体俯瞰と詳細検討を繰り返す事は、契約などの業務でも重要と考える次第です。

これらの、ユーザーからのフィードバック(顧客データ)の活用や顧客生涯価値の向上は、オンライン化の進展によって更に加速することが予想されます。

 

3.自社のコンテンツを、学習や検定のサービスに転用して顧客接点を広げる

上記のような契約関連の分野での動きは、他の分野でも進んでいる(あるいは今後見られる)ものかと思います。

自社の事業においても、現在持っているコンテンツ(知的資産)を、資格検定(認定)試験、将来ビジネスで使用するためのスキル獲得を目指すスクール生など、将来の顧客や、その顧客のユーザーリテラシー向上などの面から利活用を考え
適切な提携先を選んで事業化を試みることは、自社の経営資源を有効活用した成長戦略の一つとして、検討をお勧めする次第です。

 

なお、学習や検定という切り口からの自社コンテンツの活用については、以下のトピックスもご参考になれば幸に存じます。

ITスキルアセスメントツールGAITにみる「検定」の活用』
⇒日本サード・パーティーが運営する、ITに関する総合的なスキルを定量化・可視化するアセスメントツールGAIT(ゲイト)。

海外からのIT人材導入や、国内外のIT人材の育成に活用が進められています。

自社の暗黙知を含む知見や顧客データを「検定」や「資格」の形で活用する方法として、また、知的資産の活用と強化、KPIの設定と検証方法としても参考になるものと考える次第です。

 

『日立建機の教習センタ共同設立にみる人材育成を軸にした事業展開』

生産性向上と人材育成は、現在の少子高齢化、AI・IoTなどの新技術の普及においてほぼ全ての業界における課題ですね。

それだけに、自社の困りごとの解決策やその土台となる知的資産を、人材育成や省力化といった形で他者に提供する方法は、事業拡大や新規市場開拓の有効な選択肢となり得るものと思います。

 

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