ライフ・シフト(100年時代の人生戦略)と知的資産
● ライフ・シフト(100年時代の人生戦略)
上記の本は、先日の起業経営研究会で「ワーク・シフト」と共に紹介
いただいたものですが、高齢化社会への対応として、働き方改革やワークライフバランス、健康経営®などに関心を持っていたことから、
大変タイムリーな本をご紹介頂いたと感謝しております。
※>「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
同書では、まず、世界的に100歳以上の長寿者が急増し、
特に日本では、2050年までに100万人を突破し、
2007年生まれの子供の半分は107年以上生きると予想されていると記載しています。
そして、従来のライフサイクル(教育を受け、仕事につき、引退する)から、
生涯を通じて「変身」を遂げる必要があり、
そのために人的ネットワークや安定した経済的基盤の構築と
それらを実現するスキル・リテラシーが必要と説いています。
● 100年長寿時代に必要な「見えない資産」
同書では、今後必要とされる資産として、
・生産性資産:経済的な価値を生み出し、かつ希少性のあるスキルと
知識、それを得るための経験学習、ポッセ(リアルの仲のよい人間
関係の互助組織)を始めとする職業上の社会関係
・活力資産:心身の健康と心理的な幸福感
・変身資産:次のステージに進むための意思と能力であり、深い自己洞察、
行動の機会と意思
を挙げていますが、これらは、個人だけでなく、組織としても大事な
資産ではないかと思います。
● 知的資産とライフ・シフト
無理やり、知的資産経営における知的資産の分類をライフ・シフトが
構築を勧める資産に当てはめる必要はありませんが、
生産性資産や活力資産、変身資産を企業組織の持つ資産として見るならば、
生産性資産は顧客提供価値を産み出すための人的資産や構造資産、関係資産が相当し、
活力資産は文字通り企業体力と社内のモチベーション、事業承継を含む事業継続性に相当し、
変身資産は、知的資産経営における自社の知的資産とそれが産み出す強みの認識と共有、
今後の機会と脅威等の外部環境の予測と、それに対応する施策を打ち出し実施するマネジメント能力
が相当すると思います。
個人が100年時代を迎えるなか、企業も100年を超えて、変身しつつ継続できるよう、
そのために知的資産経営の手法も役立てていけるのではと考える次第です。