コロナ対策にみる、オンラインでの顧客接点確保の加速と相談サービス
【今日のポイント】
コロナ対策の中で、各種業務・サービスのオンライン化の動きはIoT等の技術の後押しもあり、加速する動きを見せています。
契約に関する業務や相談も例外ではなく、オンライン化への対応が顧客満足や生産性向上を通じて企業競争力に影響を与える可能性が窺える次第です。
● 世代ごとに最適なくらしを実現するトータルサービスのサブスクリプションでの提供をめざし異業種3社連携で住まいのIoT化実証実験を開始
2020/3/23にシャープ、日立キャピタル、旭化成ホームズは表記のリリースを公表しました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『このたび、業態を超えたオープンイノベーションで、くらしに関するさまざまなサービスを包括したLife as a Service※1モデルの構築をめざして、実証協働実施契約を締結しました。IoTとAIを活用し、世代ごとに異なるライフステージに合わせた最適なくらしのトータルサービスをサブスクリプション(定額制)で提供することを目的に、本年4月より住まいのIoT化実証実験を開始します。』
(中略)
『各社が連携して取得した入居者の生活データを、AI技術を用いて分析することで、世代別にカスタマイズした、くらしのトータルサービスを創出し、サブスクリプションで提供します。「所有」ではなく、「共有・機能利用」を重視する価値観へと変化していく中で、「住まう」を軸としたサービスの提供により、空き家問題・少子高齢化・働き方改革などの社会課題を解決し、持続可能な豊かなくらしの実現をめざします。』
実証実験で構築を目指すサービスの概念図はこちら
事業提携によるワンストップサービス、トータルソリューションを提供するプラットフォームづくりが進んでいる事が窺えます。
特に、今回のコロナウィルス対応で、オンラインでのサービス提供や顧客との接点づくりは加速していきますね。
業界や企業規模問わず、対応を迫られると考える次第です。
● 契約書のリスクをAIが 「数秒で」 洗い出すLegalForce、特許ライセンス契約等、新たに3種の契約書に対応
2020/4/2に株式会社LegalForceは表記のリリースを公表しました。
『提供する日本初のAI契約書レビュー支援ソフトウェア「LegalForce」(以下、LegalForce)において、新たに「特許ライセンス契約」、「普通建物賃貸借契約」、「Purchasing Agreement(英文)」の自動レビューに対応したことをお知らせいたします。
■契約書の「自動レビュー」とは
LegalForceでは、契約書のリスクの洗い出しを瞬時に行い、修正の参考となる条文例を表示する「自動レビュー」機能を提供しています。自動レビューでは、NDAや取引基本契約などの一般的な契約書から、人材紹介契約や金銭消費貸借契約などの業界に特有の契約書まで、全28種の契約書に対応しています。』
知財関係の契約としては、ライセンス契約の追加は大変ありがたく感じます。
AIでのチェックと専門家の知見を組み合わせれば効果倍増ですね。
このようなひな形や契約レビューサービスは、専門家に相談する前の、何を質問したいか、相談したいかの事前準備としても活用出来るかと思います。
● AI自動契約書チェック「LawFlow」が契約書作成支援機能をリリース
2020/4/4にLawFlow株式会社は表記のリリースを公表しました。
『LawFlow株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役・弁護士:則竹理宇)は、AI自動契約書チェックサービス「LawFlow」上で、ガイドにしたがって情報を入力するだけで、誰でも簡単に契約書案を作成することが出来る「契約書作成支援機能」をリリース致しました。
契約書作成支援機能により、定型的な契約書作成業務を自動化し、時間短縮による業務効率化が可能になります。AI自動契約書チェックサービスと組み合わせることで、法務をより強化し, 契約にかかる費用と時間を大幅削減できます。法務の知識・人材が不足しがちなSOHO・中小規模の法人様にもおすすめです。』
契約書作成からチェックまで一気通貫の支援。今後電子署名とデータベースで、締結後まで契約業務を全てオンラインで完結する方向に進むと思われます。
また、2020/4/5の日経新聞には、以下の記事が掲載されています。
AI技術を持つ側と、コンテンツを持つ側のコラボ。
自社の持つコンテンツをどう活かすか、選択肢が広がるとともに、その知恵比べもまた激しくなりそうですね。アンテナの張り方かも問われていると感じます。
● 契約相談におけるオンライン活用の動き
今後もオンラインでの契約レビューなどの相談サービスは増加が予想されます。
利用するユーザー側も、この様な動きを見ておくことで、専門家と顧問契約を結んでいない中小企業でも法務・リーガル面での支援を受ける体制づくりが可能になります。
逆に、このオンライン化への対応(コロナウィルス対応で、電子押印も注目されていますね)を、大手取引先や顧客などから求められたときに迅速に対応できるかどうかや、同業他社取り組みに遅れを取ることのリスクも増大してくることが予想されます。
上記の動きを見ていても、今後契約相談含めてオンライン化への対応(人材確保、業務フローの変更、モバイル機器の整備など)は知的資産経営における重要な経営施策の一つになると考える次第です。
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