AIによる契約作成サービスにみる知恵の流れとプロセス

人工知能 共生 知恵

● AIが契約書を自動で作ってくれる「AI-CONドラフト」–GVA TECHが開発

2018/9/3のCNET Japanに表記の記事が掲載されていました。
https://japan.cnet.com/article/35124790/

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『 契約リスク判定サービス「AI-CONレビュー」をはじめとしたリーガルサービスを開発・運営するGVA TECHは9月3日、DBJキャピタルおよび、西武しんきんキャピタルから約1億8000万円の資金調達を実施したと発表。これと同時に、AIを活用した契約書自動作成サービス「AI-CONドラフト」のベータ版を公開した。

(中略)

 AI-CONドラフトは、「弁護士がユーザー回答から条文を導き出すノウハウ」をAIに学習させることにより、契約条件に関する簡単な質問に20問程度回答するだけで、利用者の条件に応じた最適な契約書テンプレートを自動生成してくれるサービス。スタートアップやフリーランスの利用を想定して、利用頻度の高い全17種類の契約書テンプレートを無料で提供する。』

実際に、同サービスのサイト( https://draft.ai-con.lawyer/ ) を見てみると、
例えば秘密保持契約(NDA)のドラフトでは、
秘密情報の開示者に有利な形
秘密情報の受領者い有利な形
上記2例の中間型

の3種類のドラフトが用意されています。

上記サービスを提供しているGVA TECHは、同社のビジョンを、
『 現在のLegal Serviceの多くは専門性が高く、難易度に比例してコストが高くなっています。

そのため、起業直後のスタートアップやフリーランス、一般の人がLegal Serviceの提供を受けることを困難にしています。

また、弁護士等の専門家の観点からしても、Legal Serviceの難易度や手間を考慮してクオリティを維持したままコストを下げることには限界があります。

そこで私たちは、AIやITのテクノロジーによりそれぞれの人や企業に適したLegal Serviceを提供できる未来の実現を目指します。』
https://gvatech.co.jp/

と、AIなどの新技術の活用により、リーガルサービスをスタートアップやその支援者(弁護士等の専門家も含む)に広く活用してもらう社会を目指していることを謳っています。

同社は、ドラフト作成とそのレビューまでをサービスとして提供し、その後の交渉の段階からは顧客と、弁護士などの専門家に任せるという切り分けで、法規制などの制約にも対応しており、事業ドメインの設定の仕方という点でも参考になりました。

 

● AIが代替する「職業」ではなく、AIが代替する「仕事=プロセス」を考える

「AIやITによって消える職業・資格を考える効用とは?」
https://wp.me/p9D2bS-72

で紹介した、経済産業研究所が2016年11月に発表した「雇用の未来」の著者マイケル・オズボーン氏へのインタビュー記事
http://www.rieti.go.jp/users/iwamoto-koichi/serial/031.html

など、AIが人を代替するという意見は枚挙にいとまがないほどですが、

野村総研とオズボーン氏の共同研究では、
『芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、
者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、
人工知能等での代替は難しい傾向がある』と述べています。

https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

AIにおいても、少なくとも最初の学習には、人の知恵と経験が必要ですね。

また、何度か紹介している世の中の事象の「螺旋的進化」という視点からは、

暗黙知→形式知化の段階でAIが代替してサービス等を効率化し、

その次の形式知→共有から暗黙知への転換でまたAIから人に戻っていくという「知恵の流れ」=「知の循環」が生まれていきます。

もちろん、最初の知恵を出す人と、AIなどを経由して高度になった知恵を受け取る人は同じ人、業界ではないかもしれませんが、

「職業」というくくりではなく、
「仕事」、「プロセス」というくくりで、技術面と主に感性に根ざすニーズ面から何はAI・ICTで代替していくべきか、何は人が担当するべきものかという視点で自社の商品・サービスの展開や自社事業の生産性向上を考えることが、今後ますます必要になってくるものと思われます。

そしてこのようにプロセスごとにブレークダウンしてAIなどの新技術の影響を検討することは、知的資産経営の価値創造ストーリーを描く上でも必要になってくると考える次第です。

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