AIによる契約作成サービスにみるAIとの棲み分け方法

【今日のポイント】

AIによる契約書の自動作成など、契約業務でのAI活用が進んでいます。

その事例からは、AIの業務への活用とともに、AIと人の棲み分けのヒントも得られるものと考え、ご紹介する次第です。

1.AIを活用した法務支援ITサービス「AI-CON」シリーズ開発体制強化のため、総額1.8億円の資金調達を実施

2.AIが代替する「職業」ではなく、AIが代替する「仕事=プロセス」を考える

 

1.AIを活用した法務支援ITサービス「AI-CON」シリーズ開発体制強化のため、総額1.8億円の資金調達を実施

~同時に、日本初、AI活用の契約書自動生成機能(β版)を実装した「AI-CONドラフト」を提供開始、リーガルテックをさらに加速~

2018/9/3にAI契約書レビュー「AI-CON(アイコン)レビュー」(https://ai-con.lawyer/)をはじめとしたリーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECH株式会社は表記のプレスリリースを公表しました(PRTIMES_JPより)。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『 DBJキャピタル株式会社および西武しんきんキャピタル株式会社から第三者割当増資による約1.8億円の資金調達を実施しました。
同時に、日本初、AIを活用した契約書自動生成機能(β版)を実装した契約書作成支援サービス「AI-CONドラフト」の提供を開始します。

現在は、対象契約書を秘密保持契約のみとしていますが、9月中旬にはシステム開発契約・保守契約、アドバイザリー・コンサルティング契約、コンテンツ制作契約等の業務委託契約全般に対応し、年内には販売代理店契約、売買契約等、約20種類の契約書に対応していく予定です 。

上記サービスを提供しているGVA TECHは、代表メッセージで同社のビジョンを、

『法務はビジネスや生活に溶け込んでいるものの非常に専門性が高く、また弁護士等の士業や法務担当者の業務も効率化されているとは言い難い状況にあります。

法律とIT技術を組み合わせた「リーガルテック」によって、専門家はもちろん企業も個人も、本来やるべき業務に専念できる未来を目指し、今後も挑戦を続けてまいります。』

と,新技術の活用により、リーガルサービスをスタートアップやその支援者(弁護士等の専門家も含む)に広く活用してもらう社会を目指していることを謳っています。

同社は、ドラフト作成とそのレビューまでをサービスとして提供し、その後の交渉の段階からは顧客と、弁護士などの専門家に任せるという切り分けで、法規制などの制約にも対応しており、事業ドメインの設定の仕方という点でも参考になりました。

 

2.AIが代替する「職業」ではなく、AIが代替する「仕事=プロセス」を考える

「AIやITによって消える職業・資格を考える効用とは?」
で紹介した、経済産業研究所が2016年11月に発表した「雇用の未来」の著者マイケル・オズボーン氏へのインタビュー記事
など、AIが人を代替するという意見は枚挙にいとまがないほどですが、

 

野村総研とオズボーン氏の共同研究では、
『芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業、
者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、
人工知能等での代替は難しい傾向がある』と述べています。

 

AIにおいても、少なくとも最初の学習には、人の知恵と経験が必要ですね。

また、何度か紹介している世の中の事象の「螺旋的発展」という視点からは、

暗黙知→形式知化の段階でAIが代替してサービス等を効率化し、

その次の形式知→共有から暗黙知への転換でまたAIから人に戻っていくという「知恵の流れ」=「知の循環」が生まれていきます。

もちろん、最初の知恵を出す人と、AIなどを経由して高度になった知恵を受け取る人は同じ人、業界ではないかもしれませんが、

「職業」というくくりではなく、
「仕事」、「プロセス」というくくりで、技術面と主に感性に根ざすニーズ面から何はAI・ICTで代替していくべきか、何は人が担当するべきものかという視点で自社の商品・サービスの展開や自社事業の生産性向上を考えることが、今後ますます必要になってくるものと思われます。

そしてこのようにプロセスごとにブレークダウンしてAIなどの新技術の影響を検討することは、知的資産経営の価値創造ストーリーを描く上でも必要になってくると考える次第です。

 

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