都市のグリーン化における集中と分散の併用と規模の多様化

【今日のポイント】

環境性や、利便性の面からコンパクトシティやマイクロシティへの関心が高まっている一方で、再生可能エネルギーを利用した巨大都市プロジェクトを進めている国もあります。

都市計画だけでなく、企業においても、集中と分散を事業の各プロセス毎に使い分けしつつ、自社に取って適切な規模を探る必要性が高まっていると感じる次第です。

 

【目次】
1.コンパクトシティ、マイクロシティへの注目
2.都市のグリーン化において、集中と分散が混合しつつ規模の差が広がる
3.集中か分散かではなく双方を併用し、適正な規模を選ぶ

 

1.コンパクトシティ、マイクロシティへの注目

2022/9/30の1日5分ビジネス英語に、以下の記事が掲載されていました。

『徒歩圏内の街 Walkable neighborhoods』

https://matt-english.com/podcast/20220930
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『世界中の100人以上の市長で構成されるC40都市気候リーダーシップグループは、コペンハーゲンの資産管理会社Nordic Real Estate Partners(NREP)と協力して、徒歩で移動しやすい地域を少なくとも5つ作ろうとしている。』

利便性向上と環境性の双方から、コンパクトシティよりさらに小規模のマイクロシティ、マイクロコミュニティが注目されている様子は、以下の記事からも窺えるかと思います。

『イノベーションハブとして成長を続けるマイクロシティ』
2022/7/1の、Switzerland Global Enterpriseの記事。
https://www.s-ge.com/ja/article/niyusu/20223-incubator-neuchatel-continues-grow-leading-innovation-hub

『報道発表資料 マイクロコミュニティを実現するスマートポール実証実験を支援します』
2022/1/13の、大阪市のプレスリリース。
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/ictsenryakushitsu/0000552443.html

『地域マイクログリッド等に関する取組について』
2022/1/19の、資源エネルギー庁の資料。
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/energy_resource/pdf/017_04_00.pdf

 

また、以下の記事に視るように、自転車などの利用もパンデミック対応と環境対応の双方から拡大している様子が窺えます。

『コロナショックを契機とした「自転車」による都市開発が海外にて加速化』

2022/2/11の、アベントゥーライフ株式会社のプレスリリース記事(PRTIMES_JPより)

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000042359.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『今回、アプリケーションと連携できる電動アシスト自転車、Connected Bike(コネクティッドバイク)の「WELB」(ウェルビー)を発表、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」にて本日 2022年2月11日より先行予約を開始します。』

各国の自転車利用の拡大状況も取り上げれられています。

 

2.都市のグリーン化において、集中と分散が混合しつつ規模の差が広がる

上記のような、グリーン化と利便性向上などを目的とした都市のコンパクト化の一方で、ドバイでは、月面を再現した大形都市の建設が行われている事が、以下の記事などでも報じられています。

『NASAが月を目指す一方、ドバイでは月本体を作る計画を立てていた』
2022/9/11の、カラパイア( https://karapaia.com/ )の記事。

https://karapaia.com/archives/52315883.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『 カナダの建設会社Moon World Resort Incは、ドバイに高さ224メートルの、月そっくりなリゾート施設「ムーン・ドバイ」を4年以内の完成を目指して建設予定だという。

 50億ドル(約7200億円)の費用をかけて建設されるこのリゾート施設は、全てが巨大な月の中にある。』

 

また、以下の2019年3月の、経済産業省の資料(P3、P4)では、サウジアラビアの再生可能エネルギー利用の産業都市「Neom」プロジェクトも取り上げられていますが、国内外から5,000億USDの投資を受け入れる予定と記載されています。

『平成30年度 質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業
サウジアラビア:太陽光発電及び蓄電池のハイブリッド制御を用いたオフグリッド電力エネルギーインフラ可能性調査 報告書 平成31年3月』
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000212.pdf

 

1.のマイクロシティや、上記の大形の再生可能エネルギー利用の都市プロジェクトからは、
「都市のグリーン化において、集中と分散が混合しつつ規模の差が広がる事も予想できると思います。

 コンパクトシティやマイクロシティ(マイクロコミュニティ)は、グリーン化を実現するために、コンパクト化によって移動などにかかるエネルギー自体の低減を図っていますが、
これは国単位で見れば分散型ですが、地域都市のレベルで見れば、生活に必要なインフラなどを全て備える点で集中化の面もあるかと思います。

 サウジアラビアの巨大都市は、再生可能エネルギーを使う点でグリーン化に繋がりますが、上記のコンパクトシティやマイクロシティ(マイクロコミュニティ)とは規模が異なるものであり、
また、ドバイの月面再現都市は、宇宙というコンセプトでの、エンターテイメントを主体とした集中型と言えるかと思います。(推測ですが、上記の記事にもエネルギーの記載があり、再生可能エネルギーなどの利用も考慮しているかと思います)

 
 世界的に、国や都市のグリーン化を進めるために、集中と分散を併用する所は共通していても、各国の事情によって、規模の差は多様化していくと予想した次第です。

 

3.集中か分散かではなく双方を併用し、適正な規模を選ぶ

上記のような都市計画だけでなく、企業の事業分野でも、この集中と分散の使い分け・併用は、経営資源の使い方、投資先、人材の配置など様々な面で、生産性向上やリスクマネジメントの目的からも検討が必要な課題であり、意識せずとも行っていることかと思います。

また、集中型だから大規模、分散型だから小規模とは必ずしも言えないことも、上記の事例から窺えるかと思います。

このように、事業の各プロセスで集中と分散を併用しつつ、自社事業にとって適切な規模を選んでいくこと、

また、事業の成長段階と事業環境の変化に応じてその使い分けも変えて行くことを、予め想定して計画し、備えておくことの必要性が高まっていくものと考える次第です。

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