DXの推進に考える、アナログとデジタルの併用効果

【今日のポイント】

中小企業においてもデジタル化やペーパーレス化によるアナログ情報のデジタル化は進む兆しを見せていますが、
デジタル化を前提として、手書きや音読などのアウトプットの効用を活用するなど、アナログとデジタルを積極的に併用する方法も今後学習やメンタルヘルス等の面からも注目されるのではないかと考える次第です。

【目次】
1.DXにおける既存のアナログ情報のデジタル化
2.脳の研究とデジタル技術の組み合わせが、手書きや音声の利用を活性化させる

1.DXにおける既存のアナログ情報のデジタル化

以下の記事にみるように、いまや、DXやペーパーレス化など、デジタル化に関する話題中小企業向けのサービスなどにおいてもニュースに載ることが珍しくなくなってきましたが、

この、デジタル化はアナログからデジタル化への一方方向だけでなく
デジタル化との併用を前提仕事やプライベートでの作業に、アナログの手法を取り入れるというやり方も、今後関心を集めるのではないかと予想するところです。

 

● シナモンAI、食品業界向け発注書専用AI-OCR販売を開始 「Flax Scanner for 食品発注書」 ~非定型発注書の入力業務を大幅に効率化~

2022/9/12に、国内の大手企業へ人工知能(以下、「AI」)ソリューションを提供する株式会社シナモンは表記のプレスリリースを公表しました。

https://cinnamon.ai/news/flax-scanner-for-food/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『一般的に、これらの発注書のフォーマットは、取引先ごとに大きく異なり、統一されていません。見た目がばらばらである発注書は、読取り業務に多大な労力を要するため、受発注業務の生産性を低下させる大きな要因の一つでした。また多くのOCRサービスは、こうした非定型帳票の読取りに帳票の事前定義が必要であり、活用することが困難でした。

「Flax Scanner for 食品発注書」は、数多くのAIソリューションを開発してきたシナモンAIが、食品業界の課題を解決するために生み出した、食品発注書専用AI-OCRです。Faxなどで受け取るフォーマットがばらばらの食品発注書を、事前定義なしで読み取ることができます。』

非定型な文書への対応は、技術革新が進んでいる事と、定型文書以外にデジタル化が進み始めた事を表していると思います。

また、AI-OCRの解析技術だけでなく、スマホカメラなどの高解像度化や通信の高速化など、読み取り側のデバイスの発達との相乗効果による適用先の拡大が窺えると感じた次第です。

 

● オールインワン型在庫・販売管理ソフトを無償提供する「Spes(スペース)」社が大手開発会社との資本業務提携を実施。今後、美容業界のPOSレジおよびEC受注管理ソフトとの連携により多くの課題を解決へ。

2022/9/4に、Spes株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。

https://spe-s.jp/news/%e8%b3%87%e6%9c%ac%e6%a5%ad%e5%8b%99%e6%8f%90%e6%90%ba%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)

『◆サービス紹介サイト: https://spe-s.jp

国内取引だけでも。海外との取引にも。企業の受発注、入出庫、在庫管理を行える多機能クラウドソフト「Spes(スペース)」は、DXを推進したいもののコストをかけられない中小企業に向け、豊富な機能を完全無償で提供しております。』

⇒マーケティングから物流などのバックヤードまで、社内外のDX適用の幅広さと、中小企業向けのサービスが進み始めていることを改めて認識した次第です。

 

● 『基礎から丸わかり!中小企業のためのDX推進戦略講座』を 東京商工会議所に提供

2022/9/13に、株式会社ジーニーは表記のプレスリリースを公表しました。

https://geniee.co.jp/news/20220913/435
(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同じ。)

『この度、東京都助成金を活用し、中小企業のDX推進を積極的にサポートしている支援機構である東商に、「DX人材育成のためのスキルアップ講座」の導入編として「基礎から丸わかり!中小企業のためのDX推進戦略講座」コンテンツを、無償で提供いたします。

ジーニーは、これまで累計1万社以上の企業のDX・マーケティング支援を行ってきた実績を生かして、今後も東商と協力して中小企業の潜在的な課題の解決支援に積極的に取り組み、日本企業のビジネス成長に貢献してまいります。』

⇒ユーザー側の顕在化しているものだけでなく、将来に向けて現れるであろう潜在的なものも含めた課題の明確化や可視化が、他の技術と同様にDX導入と活用においても重要な課題である事が窺えます。

 

2.脳の研究とデジタル技術の組み合わせが、手書きや音声の利用を活性化させる

上記のように、アナログ情報のデジタル化は、中小企業においても今後進むことが予想されますが、

以前、『「アウトプット大全」から学ぶ「相手の段階に応じたアドバイス」』
https://wp.me/p9D2bS-EG などのトピックスでご紹介した、樺沢紫苑さんのベストセラー

『学びを結果に変えるアウトプット大全 (サンクチュアリ出版)』
https://amzn.to/2W57Zlv でも語られている手書きや音読による脳の活性化と記憶効果の増進のように、

「AIやデジタルツインの活用も含めて、脳と心と身体の関係に関する研究が進み、その成果とデジタル技術の組み合わせが、手書きや音声の利用を活性化させる」事も予想できるかと思います。

 脳の研究が進む事で、手書きによるアウトプットは、キーボード入力などよりも脳に与える影響が大きいなど、手書きや音読などが、記憶や印象を強める上で有効な事への認識が広がってきているかと思います。

 また、手書きや音声による入力をデジタル化する技術も進んでおり、スマホでも利用可能なレベルになっています。

 

 脳の研究で味覚や嗅覚も含めた五感や記憶力、メンタル面の相互影響の理解が深まり、
さらに、『味を伝えるTVや体温測定できるスマートウォッチ技術にみる「五感」利用の広がり』 https://wp.me/p9D2bS-25v でもお伝えしたように、メタバースなどの仮想現実も含めて五感を活用する機会が広がるに連れて、アナログ⇔デジタルの相互認識技術へのニーズも高まり、

 まずは手書きや音読などのアナログの方式で情報をアウトプットし、その情報をデジタル変換して、データベース化し、再活用や共有に活用するという方法が、学習やメンタルヘルスなどの要素を含む業務などで利用されていくのではないかと予想しています。

 そして、このようなデジタルとアナログの相互変換の利用は、『知的資産の構築を促すデジタル化と、利用の巧拙の影響の拡大』 https://wp.me/p9D2bS-264 でお伝えした、知的資産の構造資産の構築の面に加えて、学習やメンタルヘルスの視点から人的資産への効果の面からも、検討する価値があるものと考える次第です。

 

参考記事〉

『ヒューマン・デジタルツイン~「人間のコピー」がもたらすビジネス変革~』
株式会社NTTデータ経営研究所 No.67(2021年6月号)の記事。
(以下の、株式会社NTTデータ経営研究所のTOPサイトより、「TOP>ナレッジ>情報未来>バックナンバーはこちらから」から)

https://www.nttdata-strategy.com/ 

 

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