法規制の影響の予測方法ー「空のタクシー」政策にみるエネルギー自由化との共通点

● 飛べるか「空のタクシー」新産業育てる規制に

2018/12/20の日経電子版に表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

 海外との「空飛ぶ車」の開発・普及競争において、現在の規制の問題を取り上げています。

「空飛ぶ車の促進政策に見る予測可能性の重要性」
で、経済産業省の「空の移動革命に向けた官民協議会」を設置して始めた「空飛ぶ車」の実現に向けたロードマップやルール作りの取り組みをご紹介しましたが、海外の動きと比べると、まだスピード不足かもしれないとの印象を受けました。

 

● ドローンなどの規制緩和と適用例

同記事では、木曽川における橋の点検へのドローン利用などにおける現在の法規制の問題も取り上げています。

目視点検の義務付けが、ドローンを使う利点を阻害してしまうというものであり、代替手段が出てきたときの既存の方法の省略などの規制緩和が、新技術導入には必要なことを示しているかと思います。

また、同記事では、規制緩和が必要な例として、

タクシー大手の日本交通が、現在の固定料金から、需給状況によって価格を変える「ダイナミックプライシング」の導入を検討している中で、まずは迎車料金の無料化による利用客数への影響を検証している例を挙げ、

料金自体の変動(ダイナミックプライシング)は、技術的にはスマートフォンアプリなどで可能になってきたが、運賃規制が実現の障害になっている現状を指摘しています。

 

● 自由化の先行例から今後を予測する

上記のような例は、以前の金融自由化や、最近のエネルギー自由化でも見られた事象かと思います。

インフラ保守へのドローン利用の様な生産性向上の取り組み、変動料金制による市場原理導入と環境問題や混雑解消などの社会課題への対応、新しいサービス創出の促進などは、エネルギー自由化による業界変化に通じるものがありますね。

このように、自由化が進んでいる業界の例をみることは、今後の規制緩和の進み方や課題を予測する上で有効なことは間違いないかと思います。

またその際に、例えば料金について、昔のお客と輸送業者間の相対取引から固定料金へ、そしてユーザーニーズによる相対取引という「螺旋的発展」の一例として捉えるなど、物事の進展を見る上での切り口、フレームワークなど、複数の視点を用意しておくと、さらに理解が深まるものと考える次第です。

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