デジタルプラットフォーマー対策にみる寡占と競争促進の課題の発見方法

プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則を策定しました

2018/12/18に経済産業省は表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『経済産業省、公正取引委員会及び総務省は、平成306月に閣議決定された「未来投資戦略2018」において、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備のために、本年中に基本原則を定め、これに沿った具体的措置を早急に進めるべきものと定められたことを踏まえ、競争政策、情報政策、消費者政策等、多様な知見を有する学識経験者等からなる「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」を同年710日に設置し、調査・検討を進め、同年1212日に、同検討会において取りまとめた中間論点整理を公表しました(参考1・参考2参照)。

中間論点整理を踏まえ、経済産業省、公正取引委員会及び総務省は、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則を策定しました(本文:別添1、概要:別添2)。

経済産業省、公正取引委員会及び総務省は、今後、これに沿った具体的措置を早急に進めてまいります。』

と、以前「公正取引委員会の異業種連携指針策定にみるビッグデータが変える市場競争」
でご紹介した、
「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」の中間論点整理を踏まえて、経済産業省、公正取引委員会及び総務省プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則を策定したものです。

「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則の概要」
では、

【基本原則】として、

1.デジタル・プラットフォーマーに関する法的評価の視点

.プラットフォーム・ビジネスの適切な発展の促進

3.デジタル・プラットフォーマーに関する公正性確保のための透明性の実現

4.デジタル・プラットフォーマーに関する公正かつ自由な競争の実現

5.データの移転・開放ルールの検討

6.バランスのとれた柔軟で実効的なルールの構築

7.国際的な法適用の在り方とハーモナイゼーション

の7項目に渡って、
デジタル・プラットフォーマーの社会における位置づけ現在の業法の見直し今後の実態調査イノベーションを考慮した自由競争の確保独禁法などの法規制の整備運用や関連する制度の在り方検討などを挙げています。

その中では、デジタルプラットフォーマーに関する公正かつ自由な競争の実現の例として、
サービスの対価として自らに関連するデータを提供する消費者との関係における優越的地位の濫用規制の適用や、
国際的な法適用の在り方とハーモナイゼーションが目を引きました。

自由化の先にあるものを推測する

今までの他業界での市場の自由化とその後の状況を見てみると、
例えば欧州のエネルギー自由化では、英国の発電事業者競争を通じて以下のようにBig6」と呼ばれる寡占状態へと向かいました。(エネルギー白書2017より)

『その後、欧州の他国の企業がイギリスの企業を買収することで、イギリス市場への参入をはかり、現在ではCentrica(イギリス)RWE nPower(ドイツ)E.ON UK(ドイツ)EDF Energy(フランス)Scottish Power(スペイン)Scottish Hydro,Southern Electric(SSE)(イギリス)の「Big6」といわれる小売事業者による寡占状態となりました。』

また、放送・通信の世界でも、
2017/04/1515分ビジネス英語のコムキャストによるスカイ買収のトピックス2017/4/15AT&Tのストレート・パス・コミュニケーションズ買収のトピックスなど、多種多様な業界で企業買収等による業界再編が進んでいるとの感を深くしています。

また、これらの動きは、規模は違えど、国や地域単位でも起こり得るものであり、プラットフォームを作る側でも使う側でも法規制の動向と合わせて注意が必要と考える次第です。

 

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