デジタル決済や検索サービスに考える、顧客行動全体に渡るサービスの統合化への対応
【今日のポイント】
キャッスレス化等のデジタル決済サービスでは、複数のプラットフォームがワンストップサービス化の競争を続けていますが、
検索サービスなども含めて、顧客行動全体に渡るサービスの統合化が進む中で自社のポジションや関係者の変化を推測し、今後の計画に当てはめて行くことも重要性を増していると感じる次第です。
【目次】
1.デジタル決済等に関する最近の動き
2. グーグル等検索機能サービスの利用時の課題
3.複数サービスの統合化に自社の事業を当てはめていく
1.デジタル決済等に関する最近の動き
新型コロナ対応も背景に、非接触化によるキャッシュレス化やデジタル決済は普及しつつありますが、以下の記事にもみるように決済等のプラットフォームは多様化と統合化の双方が並行して進んでいるとの印象を持っています。
●「PayPay」の登録ユーザーが5,000万人を突破!
~日本の人口の約2.5人に1人が登録! 決済を担う社会インフラへと成長~
2022/8/18に、PayPay株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
https://about.paypay.ne.jp/pr/20220818/01/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『サービス開始当初は、支払いに特化した「決済」アプリとして誕生した「PayPay」ですが、今ではアプリ内で、資産運用や保険、ローンなどの金融系のサービスや、ショッピング、映画の予約、フードデリバリーなどの幅広いサービスを提供し、ユーザーの生活をより豊かで便利にする「スーパーアプリ」に進化し続けています。』
⇒マイナポイント利用など、更に適用先が広がっていく点からは、コンビニエンスストアの成長期のような、社会インフラ化への流れが窺えると共に、
リスク管理面からは、サービスの流れ全体の中でのボトルネックの所在の確認と対応、複数の決済手段確保の双方の必要性も高まっていると感じる次第です。
●『完全手ぶらのキャッシュレス決済!アメリカのスーパーで「手のひら決済」が始まる』
2022/8/19のiPhone Maniaに表記の記事が掲載されていました。
https://iphone-mania.jp/news-477861/
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『手のひら決済はAmazonの決済サービス「Amazon One」の一部として提供され、消費者は、
決済カードと電話番号の登録
Amazonの利用規約への同意
手のひらの画像の共有
をおこなうことで利用できます。』
⇒同記事や、マクドナルドのモバイル注文、MaaSの分野における複数の交通手段の予約や決済を一括利用できるアプリなどからは、
「非接触化と利便性を提供価値とする決済プラットフォーム同士の競争が、個人認証方法を軸に激化する事で生体認証利用のサービスが促進すると共に、プライバシー等の倫理やセキュリティ面からの研究や法整備も進む」様子が窺えると感じます。
ここ数年のニュースからも、年々様々な個人認証技術が開発・実用化され、その利用デバイスについてもスマホ、監視カメラ、デジタルサイネージなど多様化しつつ、利用場面(使用される業界・市場)の範囲も広がっている傾向が窺えます。
また、個人認証の方法は、決済方法とも深く結びついているので、決済プラットフォーム間の競争にも大きな影響を与えるものと思う次第dせう。
●業務を自動化する、SaaS連携データベース「Yoom」がプロダクトパートナーとしてクラウドサインと連携
2022/8/24に、業務を自動化するSaaS連携データベース「Yoom(ユーム)」(https://yoom.fun) を開発・運営するYoom株式会社は表記のプレスリリースを公表しました。
https://yoom.co.jp/news/EWO_3nCR
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同じ。)
『「クラウドサイン」と「Yoom」を連携することで、契約書の作成・送付作業を1クリックで実行し、契約が締結したらYoomのデータベースや各種SaaSのステータスを自動的に更新するといったことが可能です。』
(中略)
『■Yoomとは
「Yoom」は様々なSaaSとノーコードで連携し、業務を自動化するSaaS連携データベースです。各SaaSに散らばった情報をYoomのデータベースに集約し、繰り返し発生する業務フローを自動化することで、セールス・人事・労務・経理など様々な部門で業務の効率化・自動化を実現します。』
⇒こちらは決済ではなく、商取引に関するサービス連携の事例ですが、
SaaSなど、クラウド上も含めて多くのビジネス支援のサービスが提供されている中で、商取引の入り口から商品やサービスの提供まで一貫したデジタル化が進み始めている事が窺えます。
このプラットフォーム構築と競争において、決済ベースや検索など複数の顧客接点のいずれを中心としていくかもプラットフォーマー側、ユーザー側共に事業戦略の重要課題となっていくものと感じる次第です。
2. グーグル等検索機能サービスの利用時の課題
●変わりゆくグーグル検索の顔。吉とでるか、凶とでるか? Changing face of Google Search: For better or worse?
2022/8/26の解説!1日5分ビジネス英語に表記の記事が掲載されていました。
https://www.wisdomsq.com/contents/bepod/20220826.html
⇒グーグル検索サービスの課題に関する記事ですが、以下のITmediaNEWSの記事で紹介されている、Googleの検索結果に対する信頼性向上の機能など、検索結果の提供側も、結果の信頼度を上げる必要性を認識している様子が窺えます。
これは、SNSでの記事の信頼性に関する評価機能のように、情報提供者側も信頼性を上げるための工夫を常に求められているとともに、
ユーザー側も、複数のなるべくオリジナルに近い情報源かつ出来るだけ違う立場の人・組織からの情報を組み合わせる事が、より冷静で正確な判断のために必要となって来ているため、
「スマホなど利用デバイスの変化による使い勝手の変化や情報の信頼性への感度の変化により、AIを利用した検索サービス自体の信頼性ランキングや、複数の検索サービスの統合利用型サービスのニーズが高まる」事も予想出来るかと考える次第です。
『Google、検索結果の信頼性判断を支援する複数の新機能』
2022/4/1のITmediaNEWSの記事。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2204/01/news095.html
『複数の検索エンジンを同時に検索できる!「メタ検索エンジン」を紹介』
2018/1/31の株式会社ベーシックのサイトferretの記事。
https://ferret-plus.com/7784
3.複数サービスの統合化に自社の事業を当てはめていく
上記のように、決済分野や検索分野など、顧客の購買行動の入り口から出口まで、非接触化や利便性、安全性、信頼度向上など多くのニーズから、サービスの多様化と統合化(トータルソリューション化やワンストップサービス化)の双方が進んでいますが、
このような「集中と分散」の視点から世の中の動向をみつつ、
自社の事業がどのような影響を受けるか、また自社自身がワンストップサービス化など新しい提供価値を生み出していく上で自社のビジネスが関連する分野に当てはめると今後どのようなニーズが顧客や取引先、社会的要請から生まれてくるかを推測することは重要性を増していくかと思います。
そして、得た情報と、そこから推測した内容を、SWOT分析や経営デザインシートなどのツールも活用しながら自社の今後の事業構想や中期計画などに当てはめて行くこともまた有効性を増すのではと考える次第です。
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