プラスチックごみ問題にみる、3Dプリンターへの期待

mohamed HassanによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

無限にリサイクル可能なプラスチックの開発。

その適用先として、3Dプリンターが挙げられています。

社会課題への対策を考える際の視点の一つである「集中と分散」において、3Dプリンターはユーザーサイドでの製造という、分散型ツールとしての重要性を更に増していくと予想されます。

 

無限に再利用可能なプラスチックの適用先

前回のブログでも取り上げた、2019/5/1615分ビジネス英語に表記のトピックスですが、その適用先について以下のような記載がありました。

無限に再利用可能なプラスチック Endless recyclable plastic

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『米エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所の研究者たちは、完全に再生可能なプラスチック物質を開発した。PolydiketoenaminePDK と呼ばれている。

(中略)

研究者たちはPDKを使用して、3Dプリントされた物質、発泡体、繊維など、さまざまな製品を開発しようとしている。』

適用先(代替される従来のプラスチック製品)の最初に3Dプリンターで製造された物質が挙げられています。

 

3Dプリンターによるプラスチックリサイクル

Dプリンターのカートリッジ(プリント材料)の流通ルートは従来のプラスチック製品と比べてかなりエンドユーザーに近くなりますので、製造物の回収(静脈側)も用意になることが期待できます。

また、複数の材料から3Dプリンターで製造する場合も、そのデータは元々3Dプリンター側に入力されているので、組成、製造方法も容易に特定可能となります。

既に、2014年には3Dプリンターによるリサイクル促進が語られていました。

3Dプリンターで広がるリサイクルネットワーク、3DsystemsUrban Hubsの取組』

現在では商業化もかなり進んでいるようです。
3Dプリンター用フィラメントの自作やリサイクルができる「DNA Extruder」』

3Dプリンターのフィラメントを再利用や自作できる「Noztek Pro Filament Extruder」』

『エコリカ 3Dプリンター用リサイクルフィラメント エコ・フィラ 1.75mm 黄色 ECF-PS175-YE

この、プラスチック等の製品を始めとする製品のリサイクルという点でもユーザーあるいはユーザーに近いところで利用される3Dプリンターは大きな変革を起こすことが期待できるかと思います。

 

Dプリンターを「集中と分散」の視点から他捉える

上記のプラスチックリサイクルという視点での3Dプリンターの活用は、リサイクルだけでなく、3Dプリンターの持つ「ユーザーサイドでの製造手段」という特性から「集中と分散」を促進するツールとしても捉えることができるかと思います。

自社事業においても、既存のバリューチェーンやビジネスモデルを変えることを考える際に、この「分散と集中」という視点から、自社事業を捉え直すことは有効な方法であり、そこにこの3Dプリンターなどの分散型ツールの利用を当てはめてみることは検討の価値があるものと考える次第です。

 

本ブログの関連トピックス

『新サービスを考える方法>キーワード>ラストワンマイルからラスト3メートルへ』

 

高齢者向けのを3Dプリンターで作る試みが進んでいます。

こういった技術が進み、普及してくることで変わり得る状況の一つとして「ラスト3メートル(玄関から屋内へ)」の解消があるかと思います。

ユーザーが屋内にいたまま完結できるサービスを考えることは、高齢化社会において有望な方法の一つとなり得るものと考える次第です。

 

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