Facebookの中小企業のグローバル展開支援にみる、国際競争の激化の予感

●　Facebook、中小企業のグローバル展開支援を強化　複数国での類似オーディエンスターゲティングなど

2017/11/15のMarkeZineニュースで、表記の記事が掲載されていました。
https://markezine.jp/article/detail/27470

（引用は「」でくくります。　改行は筆者挿入、以下同様）

「Facebookは、あらゆる国と地域のビジネスがグローバル展開する上で役立つ、機能とツールのアップデートを発表した。主な機能は「ダイナミック言語最適化」「複数国類似オーディエンス」「マルチシティターゲット」などとなる。」

「現在、世界におけるFacebook利用者約21億人のうち、16億人以上が何らかのビジネスアカウントとつながっており、12億人は国外の中小企業アカウントとつながっている。また、世界中でFacebookを利用する広告主は600万を超え、その大半は中小企業だという。」

私の周りでも、ビジネスにフェースブックの個人ページを使っている方は、私も含めて数多くいらっしゃいますが（というか、殆どの方が使っています）、それは日本に限らない事がよくわかりますね。

また、言語の壁についても、フェースブックの記事の翻訳機能は今でも搭載されていますが、今後さらに（広告を打つ側も見る側の双方にとって）利便性が増していきます。

上記のサービスのうち、「マルチシティターゲット」については、
人口に応じて、ターゲットを設定できる機能とのことで、
国の違いによらない、人口による類似性に着目したマーケティング機能としてその有効性がどのようなものになるか、興味は尽きませんね。

●　「言葉の壁」を越えるビジネス

ネットを活用した中小企業向けマーケティング支援サービスについては、
以前も「中小企業向けデータマーケティング支援サービスあれこれ」
http://wp.me/p8EI7Z-h9　や、
「ジャックリスト社の「スマホ専用サイトの無料開設サービス」の狙いとは？」
http://wp.me/p8EI7Z-cl

でも取り上げましたが、フェースブックはグローバル企業ならではの国際的なマーケティングのサポートサービスであり、特にグーグル翻訳等で培った言語の壁を越えるビジネス展開を促進するものとして、日本のように「日本語の壁」が攻めと守りの双方で大きな影響を持つ国ほど、今後大きな影響を及ぼす可能性が高くなると言えるかと思います。

日本企業、日本のお客が日本語を使わない海外のお客や企業とつながる一方で、海外企業の参入も容易になるという、まさにチャンスとリスクの両面を持つことになりますね。

また、自社が使わずとも競合他社がこのサービスを使ったら、
また、自社のお客様が、フェースブックやアマゾンが提供するユーザー向けの国境を超えた購買支援のサービスを利用し始めたらと考えると、
このようなサービスを使うコストと使わないリスクからみた費用対効果はより使うほうが有利という方向に動くように思われます。

●　「日本語の壁が無くなったら？」と想像してみる

普段意識しなくとも存在している「日本語の壁」。
これがなくなった時に何が起こるかについて、リスク管理の面と、新規市場（海外市場）の双方からビジネス環境全般の変化と自社への影響を考えておくことは今後ますます重要性を増してくると考えます。

ただし、言葉の壁がなくなることは、いわば翻訳の進化に近いので、各国の文化や制度の違い、それに基づくユーザーニーズの違いは残っていることには注意が必要ですね。

上記のように、言葉の壁と文化・制度の壁の双方を勘案しつつ、今回のような言葉の壁を崩していくサービスの影響を大きく受けるところと受けないところを考えるためには、まず自社の商品・サービスがお客に提供している価値とその届け方を、知的資産経営報告書におけるクロスＳＯＷＴ分析や、価値創造ストーリー作成の作業の中で意識して取り組むことが一つの有効な手段だと考える次第です。

なお、フェースブックだけでなく、アマゾンが展開しているB2Bのユーザーとサプライヤー双方向けのサービスについては、
「アマゾンの需要と供給双方へのサービス提供にみる「盾の両面」作戦」
で解説していますので、こちらもご覧下さい。
http://wp.me/p8EI7Z-iZ

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