中国のプラスチックゴミ禁輸の影響に見る時代の潮流を見るヒント>「地産地消」から「地消地産」へ
【今日のポイント】
昨年来、中国が他国のプラスチックごみの輸入を停止したことで、世界規模で多くの問題が生じています。
このように「集中」によって生じる環境リスクやエネルギーセキュリティリスクなどを回避するために、従来の「地産地消」に加えて「地消地産」(使ったその場で処理・再利用する)という分散型の静脈経済への取り組みも今後加速されていくのではと考える次第です。
● プラスチックゴミ問題
2019/4/12の1日5分ビジネス英語に以下のトピックスが掲載されていました。
このプラスチックごみ問題(廃棄プラスチック問題)は、2018年8月に環境省が「プラスチックを取り巻く国内外の状況」としてまとめています。
また、以下のように複数の記事で報じられているので既にご存知の方も多いかと思います。
「「世界の廃プラ処理場」は中国から東南アジアへ」
2018/11/21 ナショナル・ジオグラフィック
「プラスチックゴミ問題を解決する技術とアイデア アジアから続々発信中」2018/12/17 The Asahi Shinbun Blobe+
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/112000248/
EUでは対策としてポリ袋等への課税を行う予定とのこと。
私の自宅近所のスーパーマーケットも、4月中旬からポリ袋の有料化を始めましたが、最近はコンビニでもポリ袋の要否を聞かれることが多くなったと感じています。
また、プラスチックごみが海洋に流れてマイクロプラスチックとなって、魚や最終的には人体に影響を及ぼす問題も、、
2017/3/81日5分ビジネス英語『海のための戦い 』
や、
「マイクロプラスチック」ウィキペディア
「海洋プラスチック問題について」
2018/10/26 WWFジャパン
「海洋プラスチック問題について」2018/7 環境省
など複数のメディア、行政が取り上げていますが、プラスチックの代替品の開発や普及は利便性、コストなどの面から多くの課題を抱えており、なかなか根が深い問題であることを改めて感じます。
● 「地産地消」から「地産地消また地産へ」の流れ
上記に取り上げた記事とと、「集中と分散」の視点を組み合わせると、今後世界規模で、「地産地消」から「地消地産」、あるいは「地産⇒地消⇒地産」への流れが起きてくることも予想できるかと思います。
『バリューチェーンの中で、「集中型と分散型の共存」を考える』の中で、
米国の農家の2億個の卵のリコールの事例から、生産が集中することのリスクを指摘しましたが、今回の中国の方針の影響は、静脈経済における集中のリスクが顕在化したものと捉えることもできるかと思います。
エネルギーにおいても、以下の資源・エネルギー庁の記事に見るように、集中型と分散型の使い分け・協調が再生可能エネルギーやコージェネレーション、スマートエネルギーネットワークなどの面から進められつつあります。
『2019-03-20【インタビュー】「日本の環境に適した小水力発電は、地域の活力を生みだすもとになる」―上坂博亨氏(前編)』
『2019-02-13【インタビュー】「分散型電源の強みを活かして、太陽光発電は次なるステージへ」―平野敦彦 氏(後編)』
『2018-11-15課題をどう解決する?再エネの安全性を高め長期安定的な電源にするためには②』
プラスチック廃棄物においても、使った場所で再資源化や熱源に変えてのリサイクルで再利用するという分散型の循環型経済の普及促進が必要となってきているのではと感じました。
また、そこに地域活性化の機会も出てくるものと考える次第です。
御社におかれても、自社の知的資産を、身の回り、あるいは地域の地消地産を進めるために活用する視点から見直してみてはいかがでしょうか?
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