スペースXの衛星打上げにみる通信網構築が牽引する民間の宇宙進出から得られるヒント

SpaceX-ImageryによるPixabayからの画像

【今日のポイント】

スペースXのインターネット網構築のための衛星打ち上げ。

年間最大30億ドルの利益が見込まれています。

このような商業ベースでの宇宙開発が他分野での宇宙利用時のインフラ構築に及ぼす影響は、他業界が持つ既存インフラの有効活用を考えるうえでもヒントになります。

 

● スペースX、インターネット事業向け衛星搭載ロケット打ち上げ

2019/5/23のロイターに表記の記事が掲載されていました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『米起業家イーロン・マスク氏の宇宙ベンチャー、スペースXが23日、同氏のインターネットサービス事業「スターリンク」向けの小型衛星60基を載せた「ファルコン9」ロケットを打ち上げた。』

この打ち上げについては、2019/6/7の1日5分ビジネス英語でも以下の題で取り上げられています。
『スペースX、スターリンク衛星を打ち上げ』

『60基のスターリンク衛星は、それぞれ500ポンドの重さがあり、スペースXの運搬史上最重量となっている。

それらの衛星は、地球上のどこでも手頃な価格で高速インターネットサービスを提供する。将来的には、2,000基の衛星が毎年打ち上げられ、12,000基の衛星を軌道に乗せることを目指している。

スペースXのCEOであるイーロン・マスク氏は、このプロジェクトは年間最大30億ドルの利益を生み出すと述べている。』

利益は火星開発などに使われる模様。宇宙開発にかけるイーロン・マスク氏の意気込みが伝わってくると共に、ワクワクさせられますね。

● インターネット通信網の構築が広げる宇宙空間の民間利用

上記の記事からは、「インターネット通信網の構築が広げる宇宙空間の民間利用」が予想できるかと思います。

今回の記事や、

2019/3/22の1日5分ビジネス英語『SpaceX versus OneWeb 』 、以下の記事からも、宇宙空間でインターネット通信網の構築が民間の商業ベースで進められている様子が見て取れると思います。

『SpaceXライバルOneWeb、目指すのはインターネット網の再構築ーー初の人工衛星発射に成功』

2019/3/22 BRIDGEの記事。

このように、大量の人工衛星打ち上げを行うことは、知見の蓄積、学習効果により、民間の人工衛星打ち上げの確実性が上がり、コスト低減にもなることで、インターネット以外の宇宙空間利用を進める効果にも繋がることが期待できます。

 

例えば、2017/2/9に以下の題で、夜空をキャンバスにみたて人工流れ星で演出する“リアル”エンターテインメントを創出する人類初の挑戦、「SHOOTING STAR challenge」プロジェクトを開始した、日本企業Astro Live Experiences(ALE)は、当初の2019年に予定していた初回実施のスケジュールを2020年春の目標に変更しつつも、2019/2/28には宇宙デブリの拡散防止に向けた開発を開始し、2019/5/8には、人工の流れ星実現に向けたクラウドファンディングを開始しています。

『人類初!! 「人工流れ星」による宇宙を舞台にした“リアル”エンターテインメント 「SHOOTING STAR challenge」プロジェクト始動!! 2018年人工衛星打ち上げ予定、2019年広島にて開催』

 

『株式会社ALE、宇宙デブリの拡散防止に貢献する装置の開発に着手
―JAXAと新規事業創出に向けたパートナーシップを締結―』

 

『世界初「人工流れ星」成功へ新たな挑戦!!クラウドファンディング開始
= 子どもから大人までサポーター募集 =』

以前のトックスでもコメントした、スペースデブリ(宇宙ゴミ)に取り組んでいる日本のベンチャー「Astroscale」なども含めて、インターネット通信網という収益の見える事業が積み上げる実績や低コスト化が、宇宙空間の環境対策や、エンターテイメントなどの分野への民間企業の参入を促進するものと考える次第です。

 

 

● 自社の事業インフラを構築してくれる他業界はないか探してみる

上記は宇宙空間でのインターネット通信網構築が他分野での宇宙空間利用にも貢献する可能性についてお話ししたものですが、

自社の事業において、マーケティング、流通、生産、研究開発など自社の知的資産の構築と強化に資するインフラを他の業界が既に作っていないかそこに乗る事は可能かを考えることは、事業の迅速かつ低コストでの実現において有効な手段を見つける方法となり得ます。

これは、他業界のインフラそのものだけでなく、同様のインフラ構築や利用に関する知見という知的資産の活用という点からも検討する価値があるかと思います。

このような検討を有効に行ううえで、知的資産報告書のSWOT分析、価値創造ストーリーから現在および将来に渡って必要な経営資源、インフラを逆算して洗い出し、情報収集してみることをお勧めする次第です。

 

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● 本ブログの関連トピックス

『「宇宙ゴミの掃除ベンチャー」にみる「プレーヤーと受益者のギャップ」という市場機会を見つける方法』
本社をシンガポールに置き、日本にR&D拠点を置いて小型衛星の開発・製造、宇宙環境テストや、上記のゴミ問題に取り組んでいる株式会社アストロスケール。

2017/9/12には、JAXAとのスペースデブリ除去技術に関する共同研究契約を締結しています。

宇宙空間の利用が進む中で、このような環境問題についても対応する企業が日本から生まれています。

 

『人工衛星を打ち上げる世界最大の航空機にみる「宇宙の軽薄短小化」の流れ』
巨大飛行機から人工衛星を打ち上げる構想を実現するためのテスト飛行のトピックス。

マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏の残した遺産の一つに関するものです。

宇宙の軽薄短小化の流れと、そこで活躍するプレーヤーが国家だけでなく民間のベンチャーなども加わって多様化してきていることが窺われます。

 

『中部電力のIOTに見る既存インフラの活用と将来のインフラ整備』
電柱を活用した稲作支援、やスマートフォンによる市民からの社会インフラのトラブル情報提供、コンビニが新たな防災拠点としての役割を果たす可能性など、もともとの目的とは異なる機能を果たすインフラがネット、リアルを問わず現れて来ています。

自社の事業においても、事業に必要なインフラについて、コンビニ、スマメ、スマホ、学校など世の中に普及しているものを新しいインフラとしてその活用を考えることが必要となってきています。

 

『モランディ橋の崩落事故に考える「既存インフラと新技術の合わせ技」』

SWOT分析の「自社の強み」×「外部環境における自社にとっての機会」から新しいビジネスを考える方法の一つとなりますが、
「自社の知的資産」×「今は自社事業に使っていない(関係ないと考えている)世の中に既にあるインフラ」=「自社の新しい強みとお客様への提供価値」
という考え方で、ビジネスチャンスや商品・サービス開発を考えることも有効です。

 

『豊岡でのトヨタ式「カイゼン」による農業の生産性向上 にみる知恵の流れとフィードバックの重要性』
トヨタ方式という、生産管理の進んでいる分野・企業の方法を、他の業界に導入するという手法は、

「最近自業界で重要とされていることに、以前から取り組んでいる他業界から」という知恵と知見の導入方法の良い事例ではないかと思います。

 

 

『水産加工業のカイゼンに見る企業OB・OGという知的資産の活用』
新規市場の開拓や生産性向上、新規技術の開発など自社が持つ課題について、製造業など先行している業界の知見を持つ先行業界の企業OB・OGや大学を定年退職した先生などは、有効活用できる人的資産の候補となります。

 

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