アップルのiTunes終了にみる定額会員制モデルによるユーザー参加型コンテンツビジネスとプラットフォーム間競争

【今日のポイント】

アップルがiTunesのサービスを終了するとの記事。

時代の移り変わりを感じると共に、定額会員制モデルやサブスクリプションサービスなどによるユーザー囲い込み、ユーザー参加型モデル構築などの動きとしても要注目と考える次第です。

 

アップルiTunes終了で鮮明になった「ダウンロード時代」の終焉

2019/6/3Forbesに表記の記事が掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『アップルはiTunesをコンテンツのジャンルごとに分割し、「ミュージック」「TV」「ポッドキャスト」の3つのアプリのリリースを計画中という。』

このトピックスは、他のメディアでも報道されているので目にされた方も多いかと思います。

『米アップル、「iTunes」を終了 ログインを匿名化するプライバシー対策も発表』
2019/6/4 BBCニュース。

 

AppleiTunesを終了へ』

2019/6/1015分ビジネス英語。

『音楽業界は変わりつつある。今日、人々はストリーミングに向かっている。彼らは定額課金型サービスに興味を持っている。Spotifyのようなサービスは多くの注目を集めている。
つまり、Appleはビジネスモデルを変えることにした。支払いベースのモデルを目指している。』

私は、ソニーのクリエの次に、iPodTouchを音楽とPDAとして使って、今のiPhoneに至っているので、iTunesの終了には、時代の移り変わりの感慨を覚える次第です。

 

 

「サブスクリプションモデルによるプロシューマー化(ユーザー参加型コンテンツ創出)の促進」

今回のアップルのiTunesサービス終了からは、

「サブスクリプションモデルによるプロシューマー化(ユーザー参加型コンテンツ創出)の促進」と、

「有料会員制コンテンツプラットフォーム(特にアマゾンとアップル)の競争激化」が予想できるかと思います。

「サブスクリプションモデルによるユーザー参加促進」については、

YouTubeでは、多くのユーザーが「BGM]や「朝元気が出る」などのテーマで曲を組み合わせてアップしています。

こういったユーザー側からのコンテンツ作成とアップロードは著作権の問題が付きまといますが、
会員制(サブスクリプションモデル)で、コンテンツプラットフォーム側が個別の曲ごとの著作権処理からアップされる曲の著作権と報酬を一括管理することで、商業的な音楽提供者と、ユーザーが互いにコンテンツをアップして、プラットフォームの内容を充実させて行くビジネスモデルが今後展開されていくことが予想されます。

 

「有料会員制コンテンツプラットフォーム(特にアマゾンとアップル)の競争激化」

「有料会員制コンテンツプラットフォーム」については、Amazon PrimeOffice365有料ストレージなどのサービスが広がっており、私も上記のサービスやApple上の定額課金アプリなどを使っています。

今回のアップルのサービス転換は、シェアリングエコノミーの流れやストリーミングによるコンテンツ配信の流れの中の一つであるとともに、

広告モデル以外にAmazon Primeのような有料会員制による顧客の囲い込みと安定的収益源確保のビジネスモデルを確立する競争の現れとも捉えられると思います。

リアルの物流を持っているアマゾンに対して、アップルが店舗などのリアルも組み合わせてどのようなコンテンツプラットフォームを構築し、ユーザーの囲い込みを図っていくのか、コンテンツ以外のビジネス領域も含めて注目しています。

上記のような、定額会員制モデルなどは、GAFAのような大企業に限らず、中小企業でも例えば「定期便(定期的に商品・サービスを提供)」などの形で取り入れることは可能ではないかと思います。

アマゾン対アップルなどの巨大プラットフォーマーの動きを横目に見つつ、自社の事業展開のヒントを得る機会として、情報収集をお勧めする次第です。

 

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