テレワークやオンライン化関連の記事にみる、「加速する変化とその対応」の重要性

【今日のポイント】

新型コロナで多くの変化が出て来ていますが、その中には全く新しいものだけでなく、以前からの変化が加速されているものも多く目にします。

東日本大地震前後のエネルギー事情とも対比しながら、テレワークという加速する変化への対応を、情報発信や目標・課題設定の面からお話し致します。

 

 

● 最近のテレワーク関連記事

テレワークや在宅勤務など新型コロナ対応とその支援に関する記事が最近もよく出ていますが、そのいくつかを以下にご紹介します。

なお、数が多いので、ご興味のある記事だけご覧になっていただければ、大変幸いに存じます。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

 

・外出自粛下における健康意識調査「在宅勤務・学習による疲れを感じる」6割以上3割以上が在宅勤務・学習で「生産性が下がった」と回答 世代間の差も

2020/5/28の株式会社ユーグレナによる意識調査に関するリリース記事。

以下はリリース記事からの調査結果の抜粋です。

『1.6割以上が「在宅勤務・学習による疲れを感じる」 疲労・ストレスともに20代女性が最多

2.在宅勤務・学習で3割以上が集中力、意欲、生産性の低下を実感。特に40代が顕著な結果に』

同記事には、調査分析に対して、三上修氏(医師、医学博士、関西医科大学非常勤講師)によるコメントも掲載されています。

個人と組織の双方で環境を整える方に意識を向ける事は事業機会を見つける事にも繋がるかと考える次第です。

 

 

・ クロス・ヘッド テレワーク時代の情報漏洩対策と生産性向上を ワンストップサービスで実現する 「CROSS HEAD Advanced Security Service」の提供を開始

2020/6/11のクロス・ヘッド社のリリース記事。

『テレワーク時代の情報漏洩対策に寄与する様々なエンドポイントセキュリティ製品やサービスを、ワンストップで提供する「CROSS HEAD Advanced Security Service」 (以下 CASS) の提供を開始します。』

テレワークをセキュリティ確保という課題の解決面からワンストップで支援するサービスの展開事例ですね。電子契約など、テレワークに関する他の課題においても同様にワンストップでのサービスニーズは高いものがあるかと思います。

 

・職場・施設での感染リスク低減と省人化/自動化を同時に実現~QBIT コロナ対策ソリューションを提供開始~

2020/5/26のロボティクス サービス プロバイダーのリリース。

『新型コロナウイルスの脅威が続く中、最先端の画像処理・IoT・ロボット技術などを用い、職場・施設における安心安全な環境整備と生産性向上を同時に実現させる「コロナ対策ソリューション」(以下、本ソリューション)を展開します。
また、本日2020年5月25日(月)より本ソリューションのうち「自動搬送ロボット」及び「アームロボット・搬送ロボット連携ソリューション」を販売開始します。』

リモート、非接触などの視点からニーズが高まっているものとしてロボットや自動化が注目されていることが窺えます。

・新型コロナウイルス 緊急事態宣言解除に係る営業体制のお知らせ
2020/6/19の株式会社 OKUTA(オクタ)/ OKUTA Familyの店舗LOHAS studio再開に関するリリース記事。

『、新型コロナウイルスの感染対策として時間制限と組数制限を行い、3つの密(密閉・密集・密接)にならない様に配慮した上で、店舗運営スタッフの検温、メガネ・手袋・マスクの着用、ドアノブや手すり等の消毒、入口の滅菌室、加湿器設置をはじめ、 お客さまがご安心してご来店いただけるように細心の注意を心がけております。』

今後、リアル店舗でもオンライン相談、VRや動画を併用する手法が普及する事が予想できるかと思います。

 

・新型コロナで増える法的悩み 「業界特化型の法律相談窓口」活用のすすめ
2020/5/25のWWDの記事。
新規サービス普及における「窓口の広くした市場対応⇒個別市場・顧客向けに特化した対応⇒個別対応+ワンストップサービス化」の流れが、オンライン相談にも窺えると感じた次第です。

 

・中小企業生産性革命推進事業による事業再開支援パッケージを策定しました

2020/5/25の経済産業省北海道経済産業局のリリース記事。

『中小・小規模事業者の生産性向上を継続的に支援する生産性革命推進事業の「小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)」、「ものづくり・商業・サービス補助金(以下、ものづくり補助金)」、「サービス等生産性向上IT導入補助金(以下、IT導入補助金)」において、業種別ガイドライン等に基づく事業再開を強力に後押しする観点から、これら補助事業の支援内容を拡充した、事業再開支援パッケージを策定しました。』

各地でウィズコロナの取り組みが進み始めていることが窺えるかと思います。

・中堅・中小企業のテレワーク導入をサポートする「テレワーク相談窓口」を開設
2020/5/25のキヤノンシステムアンドサポート株式会社のリリース記事。

『この「テレワーク相談窓口」は、専門のスタッフが受付を担当します。
テレワーク導入の優先順位は現在の環境や業種・職種によって様々です。
お客さまは、ネットワーク環境だけでなく導入時の課題として挙げられるコミュニケーション不足や内部情報漏えいの懸念、また労務管理やデータの共有などについても相談することができます。
また、この窓口はウェブ会議システムを使った相談もできるため、使用感を確かめながら検討することも可能です。』

テレワーク、電子契約、WEBマーケティングなど、コロナ対応を機に従来からの課題解決を促進する動きの一つかと考える次第です。

・オフィスを縮小し「集まりたいときに集まれる場所」へ 積極的に変わることを選ぶ、新しい働き方「ウィズコロナ宣言」を発表

2020/5/11のエネルギーテックベンチャーのENECHANGE(エネチェンジ)株式会社のリリース。

3月末から約1カ月間全社員でテレワークを行ってきた結果として、92%の社員が「生産性の維持・向上」を体験できたことから、ウィズコロナ時代にあった会社のあり方へ積極的に変わることを宣言し、ENECHANGEグループのオフィスの縮小ならびに働き方改革の検討に入ったことをお知らせいたします。

また、本方針は、東京本社だけでなく、ロンドン、ベイルートのENECHANGEグループ全拠点においても実施します。』

今後のオフィスの在り方を通じて、建設業界・業務用設備業界など多くの分野にも中長期に影響が出てきそうですね

・10名~50名の小中規模企業へ「働き方改革」「テレワーク」を支援

2020/5/11のサイバーセキュリティカンパニーの株式会社フーバーブレインのリリース。

『小中規模企業向けに自社開発した働き方改革支援ソフトウェア「Eye“247” Work Smart Agent(以下ワークスマートエージェント)」を、本日2020年5月11日から当社サイバーセキュリティ対策製品とのパッケージ提供を開始します。』

『外出先や在宅勤務などテレワークの従業員の稼働状況の把握をはじめ、勤怠や業務状況が確認できます。
それにより、会社側は業務の負担集中や非効率など、業務改善のヒントが得られ、適時適切なマネジメントを可能にし、生産性の向上を支援します。』

という点に、可視化や自動化のメリット・目的をどこに置くかの重要性が示されていると思います

・ アニコムのLINE活用 獣医師に無料相談で顧客つかむ

2020/5/24の日本経済新聞電子版の記事。

トライ・アンド・エラーからLINEの活用に辿り着いたとのこと。
OCRの精度、コスト等、ペーパレス化関連技術が進展すれば、また別の方法も出てくるものと考える次第です。

 

・ 三井不動産とKDDI オフィスビルの5G活用で連携

2020/5/24の日本経済新聞電子版。

在宅勤務・テレワークと共存するオフィスの試みでもあるかと思います。
Withコロナにおける働き方改革の一つとして5Gの活用にも注目したいと考える次第です。

 

・ HTC、VR空間で会議ができるビジネス向けコラボレーションアプリ「VIVE Sync」ベータ版を公開

2020/5/22のASCIIの記事。
アバターを通じたバーチャル空間での会議。これ私もは一度使ってみたいと興味を惹かれました。

音声からテキストへの自動変換ノート機能(日本語対応)やスクリーンショット機能で、議事録も自動作成できそうです。

 

・NTTテクノクロスと「テレワーク時の業務可視化ソリューション」を提供開始

2020/5/21の株式会社クロスキャットのリリース。

社員の勤怠管路や成果管理だけでなく、業務改善、BPRへの活用に期待したいと考える次第です。

 

・あなたのビジネスオンライン化をサポート!eラーニングシステム「LearnO(ラーノ)」を活用したビジネス展開をアドバイス!無料WEB相談キャンペーン

2020/6/15のMogicのプレスリリース
受講者、提供者双方へのフィードバック方法の工夫にも期待したいと感じる次第です。

 

● テレワーク等「働き方の変化」を時間軸で捉える

上記のような一連のコロナ関連のニュースなどを読み、また「3.11」のような過去の災害事例と比較したときに、

「現在のコロナウィルス後に何は変わり、何は今までの変化が加速し、何はそれ以前に近い状態に戻るのだろうか?」と、

新型コロナ特有の変化と、その前から始まっていた変化が新型コロナ対応で加速されたものとを分けて考えることが重要かと思います。

 

1.これまでの変化が加速するもの
テレワークやペーパレス化、キャッシュレス化、サービスのオンライン化等はコロナウィルス以前から働き方改革等で進められていましたが、このコロナウィルスによって、それが加速していると感じます。
この流れはそのままコロナウィルス後もスピードを緩めず進んで行くのではないかと感じます。

それは3.11で言えば、再生可能エネルギー利用やエネルギー産業の自由化(自由化は産業分野から段階的に年数をかけて進められていましたが、3.11を機に急激に進んだ感があります)などがこれに当たるかと思います。

BCPや防災などの社会課題の対応と整合性の取れるニーズに対しては、災害等の非常事態は加速する方向に働くものと思います。

 

2.コロナウィルス以前に戻るもの
米国の食生活が新鮮な食物やオーガニック志向から、ハインツなど昔懐かしい食品や簡易的な食品にニーズが移っているとのトピックスを目にしましたが、コロナウィルス後は、また、健康志向に戻っていくのではないか(むしろ健康への意識は今まで以上に高まっている)と感じます。

3.11では、3.11前に戻っているものというのは、前述の加速しているものとかなりかぶっていると思いますが、

社会のベースにある環境志向(環境問題)やワーク・ライフ・バランス、100年人生における選択肢の多様化、少子高齢化などの前提が変わらない限り、非常時に変わった部分は、全てではないにせよ、元の課題解決の方向に戻っていくものと思います。

 

3.コロナウィルス以後に変わるもの
1のオンライン化と逆のようですが、「リアルなもの」への関心とニーズがまた高まって来るのではないかと感じています。
人の動きが制限されるということが、社会に与えるインパクトの大きさを目の当たりにし、経済指標などマクロな数字も含めて示されたことにより、ネットなどだけでは補えないリアルの価値というものが再認識されたとも言えるのではないかと考えています。

3.11関連では、原発の位置づけは、3.11前はCO2削減において再生可能エネルギーと並んで化石燃料の代替エネルギーとして推進する方向の意見もかなりありましたが、3.11以降は再生可能エネルギーや分散型エネルギー、AI/IoTなどの新技術を用いた生産性向上、CCSやVPPなどがCO2削減策の中心となり、原発を推進するという動きはほとんど見られなくなったと感じています。この流れは、今後も変わらないのではないかと思います。

なお、私自身も実感していますが、このコロナ対応下では、テレワークなどの関係で「平日の曜日感覚」が変わっていることに注意が必要かと思います。
花金や週明けという感覚が相当変化しているものと、リスク管理とビジネスチャンスの両面から考える必要があると考える次第です。

 

● 加速された変化に対応する1: 情報発信の重要性

今回ご紹介したニュースなどの記事をみると、大抵の変化については、新型コロナ対応で加速されたものが多いことが見て取れるかと思います。

これらの加速された変化を中心に、コミュニケーションの変化としてオンラインでの情報発信の比重が公私ともに高まっている事を自分自身の仕事の上でも実感しているところです。

『私の情報発信(アウトプット)方法のご紹介(継続の難しさと工夫)』

が今年5月の月間ブログアクセスの第二位に入っていましたが、
ここにも、新型コロナの関係でオンラインでの情報発信ニーズの高まりを感じた次第です。

 

● 加速された変化に対応する2: 新型コロナ対応を超えた目的設定の重要性

現在のコロナ対応に加えてアフターコロナの対応としては、

例えばテレワークでは、従業員管理に加えて、業務の可視化による業務改善へとつなげる事が、重要な視点と課題形成になってくると考えています。

現状の対応や元々の目的だけでなく、自社の本来的な課題、将来に繋がる課題への対応を今から考えられるかが、アフターコロナで企業競争力の大きな差異に繋がると考えられます。

この様に、現在の課題と将来の課題の双方を考え、自社の持つ経営資源をいかに活用するか、今後必要な経営資源をどうやって確保するかを検討する際に、頭の中だけで考えていると、どうしても悲観的になったり、現状に縛られたり、堂々巡りに陥りやすくなったりすることを私もよく経験しています。

課題検討自体を経緯含めて可視化する上で、経営デザインシートや知的資産経営報告書の作成や共有は有効なツールとして、お勧めする次第です。

 

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