建設業界のICT活用にみる契約業務を含めた全体最適化の重要性

電子契約

【今日のポイント】

建設業界のバックオフィスの業務を電子契約で支援する建設テックラボのAI活用による業務最適化に向けた事業提携。

単なる業務の効率化だけでなく、事業目的に連動した契約の締結や、過去の契約事例の蓄積と活用など、自社の知的資産の強化と活用促進にも繋がるものと考える次第です。

 

建設PADを提供する建設テックラボ、AI関連技術のAliceと業務提携

2020/1/6建設の電子契約プラットフォームを提供する株式会社建設テックラボと、AI技術システムによる経営支援を提供する株式会社Aliceは表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)

『本取り組みでは建設テックラボが提供する建設PADAI(人工知能)等にAliceICT技術を導入することで、契約書におけるリスクのAI判定や情報資源化されたデータのダイナミックプライシング、手書き書類や帳票の文字読取でデータ化するOCRなどを将来的に実装し、建設における業務最適化を図り、さらに新規サービスの共同開発における包括的な業務を行うことが可能となります。』

契約書も含めて建設業界の電子化支援企業とAIベンダーのコラボ事例ですが、

どちらの企業も顧客のニーズに一気通貫で対応する点に、生産性向上における全体最適化の重要性が窺えます。

 

契約と事業の連動性の重要性

建設テックラボは、自社のサイトで同社のサービスについて、以下のように、生産性向上の一環として、バックオフィス業務の大きな部分を占めている、帳簿や契約書等の業務のIT化を提供すると述べています。

建設テックラボは、建設の業務請負の手間とコストを無くすConstraction-Tech(コンストラクション・テック)最前線の企業です。

建設業経営のバックオフィスをIT化することにより業務簡易化し、生産性向上をサポートします。

契約書などの事務手間や印紙負担を限りなくゼロにする電子書類BPOプラットフォーム「建設PAD」を運営しています。』

このように、契約業務の効率化という点でもIT化(デジタル化)は有効な手段ですが、
事業目的から逆算して契約締結先との間で行いたい取引の内容を決め、そのために必要な契約内容を決めていくという、事業と契約の内容を連動させる上でも、IT化(デジタル化)が果たせる役割は大きなものがあると期待できます。

 

逆に、この事業目的から逆算して契約内容を決めていく流れを作っておかないと、手作業等の手間は削減できても、事業目的に合致した適切な契約を結ぶための支援にはつながらないので注意が必要です。

 

知的資産経営における自社事例の蓄積と活用

これは、契約業務に限りませんが、デジタル化により、資料として残っている自社の過去の取引などの事例を、社内で蓄積し活用することは、生産性向上に限らず、自社の知的資産、特に人的資産(個人の経験や知識)を構造資産に転換して社内で共有・転用する有効な方法となります。

さらに、自社内だけでなく、自社の顧客向けのサービスの改善など、電子化により過去とこれからの知的資産の共有、可視化により社内外双方向けの新しい活用方法が得られるものと考える次第です。

 

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