中小企業のCM動画制作サービスにみるユーザーリテラシー向上とプラットフォーム選択の重要性
【今日のポイント】
動画配信によるプロモーションと連動したECシステムなど、中小企業も利用できるマーケティングツールの選択肢が増えてきています。
それだけに、それらのサービスの基盤となるプラットフォームも考慮して、どのサービスを選ぶかという目利きと使いこなしのユーザーリテラシー、他社に負けない導入スピードが必要性を増しています。
● 中小企業のCM動画制作に関するコストを改善!「Bカート」と「CM STUDIO」がセールスパートナー契約を締結
2019/6/4のweb担ニュースに表記のリリースが掲載されていました。
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)
『株式会社Dai(本社:京都府京都市、代表取締役社長:木脇 和政、以下「当社」)は、当社が提供するBtoB EC・Web受発注システム「Bカート」と、株式会社スプラシア(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中島 優太 以下「スプラシア」)が提供するサービス「CM STUDIO」とのサービス連携(パートナー契約)を6月3日より開始したことを発表します。』
動画作成会社とECシステムサービス会社のコラボ。
中小企業のマーケティングツールの選択肢が増えている事が窺えるかとおもいます。
株式会社Daiのサイト
株式会社スプラシアの「CM STUDIO」のサイト
●使う側のサービスの選択を含めたユーザーリテラシーと導入スピードが重要に
中小企業向けのAI・IoTによるマーケティングサービスや動画作成・配信サービスはここ数年でかなり充実してきた感があります。
ユーザー側もこういった複数の選択肢から、自社に必要なサービスを選び、使いこなすユーザーリテラシーを求められると同時に、他社に遅れを取らないよう、迅速に取り入れる導入スピードも重要な競争要素になってくるかと思われます。
また、楽天モールやアマゾンのような巨大なECプラットフォームとの棲み分け、使い分けも含めて、マーケティング戦略を立てる必要があると考える次第です。
● 本ブログの関連トピックス
・『「AIによるロゴの自動デザインサービス」に予想する「サービス競争のスピードアップ」』
例えば、ホームページやブログサイトの作成と同じく、何は自社で考え、何は他社にお願いするかという切り分けについて、今までよりも他社にお願いできる(考えてもらえる)部分が大きくなってきています。
それは逆に、自社で考えるべき所をいかに絞り込んで、徹底的に追求するかが自社独自の強みを作る上で今まで以上に求められるということでもありますね。
そして、その追求した結果の仮説⇒検証のサイクルを上記のようなサービスを使いつつ高速で回していくことも、今まで以上に必要になってきています。
・『GEの動向にみる、モノ売りからコト売りへの流れにおける競争を乗りきるヒント』
GEの苦境や、最近のGAFAに関する記事などからは、
「モノ売りからコト売りへ」の流れの中で、顧客や取引先に対する価値を新たにデザインして提供できる能力という競争の土俵が、従来の業界を超えて広がっているとの印象を持っています。
コマツなどは、鹿島建設と共同開発した自動化システムなど、モノ売りの強みとのシナジーと、その中での仲間づくりを目指しているように感じられます。
一方、GAFAは、新しいビジネスの芽を自社に取り込んで、コト売りの中にモノづくりを包含しようとしていると感じます。
また、価値のデザインそのもの、あるいは価値をデザインする力をM&Aという形で取り込むことでその競争力を急速に拡大しており、GEのような大企業でもそのスピードに追いつけなくなっているということも、今回の同社の困窮につながっているかも知れないと考える次第です。
・『自分も「ジブリ」になれる?、「アイデア・コンテンツ」の重要性と実現スピード競争』
自社のコンテンツを動画で表現してくれるサービスをビジネスで利用すれば、自社の持つ知的資産をお客様への提供価値につなげるスピードを上げることが可能になります。
逆に言えば、今までよりもアイデアやコンテンツと言った知的資産の重要性が高まるとともに、それを実現させるスピードも今まで以上に要求されることに繋がります。
・『AIとデザインシンキングによるアイデア実現のスピード競争』
アイデアを自社のビジネスに繋げるスピードを上げる必要性は誰しも感じるところです。
新しく出て来ているアイデア実現をサポートするサービスや、デザインシンキングのような考え方(フレームワーク)、要は「アイデア実現におけるスピードを上げるツール」を活用する場面はこれから増えていくと思います。
上記のようなツールの活用以上に重要なのが、「普段からの準備」です。
アイデアを実現するためのサポートサービスなども、アンテナを立てていなければ見つからないし、あるいは紹介してもらうことも難しいかと思います。
つまり、アイデアが出てからではなく、出たらどうするかをあらかじめ考えて準備しておく事が必要となってきます。
・『5G報道にみるユーザーリテラシーの向上の重要性』
米中貿易戦争の一つの要素にもなっている5G通信規格。
その影響は多大ですので、機器やシステム開発側だけでなく、いかに5Gの性能を使いこなすか、ユーザーリテラシーの向上もますます重要となってきています。
・『AIプラットフォームのベンダー比較にみる、システム導入時のリスク管理と顧客囲い込み』
将来の事業の進め方を具体的にイメージし、社内で共有していないと、コストやリスクが膨らんでしまうことになりますので、知的資産経営のSWOT分析の中で外部状況を考える際には、自社の市場だけでなく、事業に利用するリソース面からも検討を加えながら、価値創造ストーリーを作成し、システム導入やサービス開発を進める事が必要と考える次第です。
・『インサイトのブロックチェーンを用いた信用情報プラットフォーム開発にみる大企業との連携の機会』
自社の知的資産を核として、新規技術や他社のプラットフォームサービスなどを使ってレバレッジを掛けることで、大手企業とも提携できる「強み」を構築し、関係資産の拡大・強化を図っていることが分かりやすい事例かと思います。
・『SAS、AWS、セールスフォース・トッドコムのソリューションにみるAI時代のプラットフォーム戦略』
昔から、「お客のお客を知れ」とはマーケティングの教科書でも言われていることですが、そこにAI・IoTを導入して自動化とパーソナライゼーションの双方を実現するところで、B2Bのプラットフォーム同士が競争していることを改めて感じた次第です。
・『アイラ株式会社のサービスポータル基盤および地域生活支援ポータルサービスにみる「アマゾン以外のエコシステムの可能性』
アイラの取り組みは、自社の知的資産と他社の知的資産をただ組み合わせるのではなく、自社の強みを活かしつつ、複数の企業を選択できるポジショニングを取ることで、自社のエコシステムの構築につなげていく可能性を示しているという意味でも興味深い事例と考える次第です。
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