日立建機の教習センタ共同設立にみる人材育成を軸にした事業展開

人材育成 トレーニング 教育

【今日のポイント】

生産性向上と人材育成は、現在の少子高齢化、AI・IoTなどの新技術の普及においてほぼ全ての業界における課題ですね。

それだけに、自社の困りごとの解決策やその土台となる知的資産を、人材育成や省力化といった形で他者に提供する方法は、事業拡大や新規市場開拓の有効な選択肢となり得るものと思います。

株式会社日立建機教習センタの共同出資事業に関する基本合意について

2019/5/31 株式会社アウトソーシング、アウトソーシング子会社である株式会社PEOおよび日立建機株式会社 (執行役社長兼CEO:平野 耕太郎/以下、日立建機)は表記のリリースを公表しました。

(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『アウトソーシンググループと日立建機は、今後、ICT施工の導入をお客さまに促進していただくためには、建設機械の操作に関する教習とともに、ICT施工の全体が学べる教習の提供が必要であると判断し、このたび、日立建機教習センタを共同出資会社とし、パートナーとして協業を開始します。

この協業では、アウトソーシンググループが培ってきた製造業向けの研究開発工程から量産工程までに至る知見と、日立建機のICT施工向けの製品・ソリューションを提供してきた経験とノウハウを生かし、日立建機教習センタが担ってきた教習に加えて、起工測量から、設計・施工計画、施工、検査、データ納品までの全工程について学ぶことができる教習プログラムを開発・提供していきます。』

自社商品のユーザー向け人材教育という視点からのビジネス展開の事例。

以前からこのような自社の顧客向けサービスや事業領域の拡大は行われていますが、人手不足でニーズが高まり、AIICTによって従来より高度なソリューション提供が可能になったことが今回の事例の背景にあるものと思います。

先日の『コマツの取り組みにみる人手不足解消からのプラットフォーム構築方法』と同じく、人手不足という社会課題への対応の一つである人材育成を軸にした事業展開の事例ですね。

次の展開としては、検定などのスキルレベルの明確化による人材採用などへも活用を目指していると考えられます。

自社の困りごとの解決策を新たな「知的資産」として活用する

『ミニメイド・サービスの資格ビジネス進出にみる、知的資産の転用方法』
でお伝えしたように、自社の事業で蓄積した知見とブランドを活用した事業拡大に、自社の知的資産を資格や検定などの人材育成の形で転用することは、非常に有効な手段かと思います。

同様に、人手不足のような、自社の困りごとを解決する対策は、他社にとっても価値を持つ可能性が高く、その対策を可能するために培ったスキルや仕組みなどの「知的資産」は、自社の新たな提供価値(強み)の基になりえるものです。

人手不足、働き方改革、環境問題、高齢化などの社会課題が自社に及ぼす影響に打つ対策の中で得た知的資産を、他者の困りごとへのソリューション作りに活用する手段として、人材育成という視点を検討対象にいれてみることをお勧めする次第です。

本ブログの関連トピックス

『ミニメイド・サービスの資格ビジネス進出にみる、知的資産の転用方法』

ミニメイド・サービスの強みは、その実績と経験に裏付けされた家事代行業界における「高級ブランド」であり、その強みをアピールするために、サイトにも工夫を凝らしています。

そのような「高級ブランド」イメージを毀損させずに事業を拡大するという課題に資格取得という方法を選んだとも言えますね。
しかも資格取得ビジネスにおいても、自社の知見・実績を強調し、自社ブランドの強化に役立てようとしている姿勢が伺える取り組みかと思います。

このように、自社の現在の強み(今回の場合はブランド)を殺さないで、自社の知的資産を他の分野に転用する方法として、同社の事例は参考になるものと考える次第です。

『ソウルドアウトのデジタルマーケティング人材育成プログラムにみる「人材不足」という市場機会』

自社の現在の顧客、あるいは自社の顧客の顧客や、自社の取引先などが持つ「人材育成」「人材確保」という課題に注目して、自社のスキルやシステム、専門家とのコネクションなどの知的資産を転用して相手のお役に立てないかと考えることは、今後ますます有望な新規市場開拓の手段となってきます。

『フードロス問題関連ビジネスにみる社会課題における「ユーザーメリット」の見つけ方』

ユーザーの現在の不便や無駄を削減することで、ユーザーメリットを出しながら、結果的に社会課題の解決にも繋げるという方向性として、資源の効率化、利便性向上、生産性向上といった切り口から社会課題に関するビジネスチャンスを見つけていくということを、知的資産経営報告書の価値創造ストーリーを検討するときにも意識してはいかかがと考える次第です。

SleepTechが話題になる予感ー集中力アップによる生産性向上というビジネスチャンスの見つけ方』

健康経営への取り組みにおいて、睡眠や集中力が注目されてきています。

個人の生産性向上から組織の生産性向上へ、さらに取引先や顧客などバリューチェーン全体の生産性向上に集中力をキーワードにして取り組んでみることは、既存事業の生産性向上だけでなく、社会課題への対応として新しいサービスや事業の創出にも結びつく可能性を持っています。

 

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