“工場丸ごと”のIoTソリューション、村田機械が提案にみる「効果の掛け算」
2018/11/9のMONOistでは、表記の題で、村田機械株式会社の「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」出展の様子を報じていました。(朴尚洙氏,MONOist)
(引用は『』でくくります。 太字と改行は筆者挿入、以下同様)
『村田機械は、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、さまざまなIoT(モノのインターネット)プラットフォームとつなげる「ムラテックIoTソリューション」をはじめ、工場をスマート化するためのIoTやAI(人工知能)の関連技術を一同に集めて披露した。』
村田機械のホームページでは、
『 「データ作成の手間と時間を省きつつ、歩留りと稼働時間を向上したい」
「薄板から厚板までオールレンジで活躍するマシンが欲しい」
「プレス成形や曲げ後の立体物に追加工したい」
「ユーザーフレンドリーなマシンが欲しい」
お客さまのさまざまな課題に、ムラテック独自の全体最適ソリューションをご提案いたします。』
として、同社の出展品を掲載しています。
MONOistの上記の記事では、
『 同社では、旋盤やターニングセンター、スカイビング加工機などの工作機械を展開している。その一方で「工作機械メーカーとしてつながる機械を提供していく必要もあるが、顧客の工場にある古い機械や他社の機械もつながらなければならない」(同社の説明員)」として提案しているのがムラテックIoTソリューションだ。
ムラテックIoTソリューションは、CNC装置の大手であるファナックが展開する「FIELD system」、三菱電機やオムロン、日立製作所などが参加する「Edgecross」、シーメンスが提供する「MindSphere」といった、工場で用いられるIoTプラットフォームとオープンにつながることを想定している。その上で、工場の現場で用いられているCNC装置の通信データを工作機械向けのオープン通信規格「MT Connect」に変換し、扱いやすくするための取り組みも進めている。』
と、標準化された通信規格を介して、大手の機器メーカーの工作機械ともオープンにつなげて工場全体の生産性を向上させるソリューションの提供を目指していることが窺われます。
これは、今までにも
「オプティムのAI・IoT・ビッグデータプラットフォームにみるポジショニングの取り方」
などで採り上げてきた、プラットフォームの構築とプラットフォーム間の競争におけるポジショニングのとり方に通じるものがありますが、
それ以外にも、顧客の工場の新型から旧型の機器まですべてを連結させるということで新しい価値を提供しようというところに興味を惹かれました。
● すべての機械の稼働状況および工場の機能、状況を見える化して一元管理
同社のソリューションからは、
無線LANで個別の機械だけでなく、工場の設備をつなぐことで工場全体の動きを見える化して一元管理しようという意図が感じられます。
また、IoTにより各機械が外部のネットワークに繋がることから、サイバーセキュリティにも配慮していると報じられています。
● 生産性向上等の効果は掛け算で効く
工場の工作機械や搬入装置などは、個別に機能するのではなく、生産工程に沿って、有機的に連携することが必要なのは、言うまでもありません。
その生産性は、いわば各機器の生産性の掛け算で効いてくるものかと思います。
したがって、いわゆるボトルネックとなる部分があり、そこの生産性が例えば0ならば全体が0になってしまう(工場が稼働しなくなる)というリスクもあり得るわけですね。
したがって、生産の各要素、工程間の繋ぎ、インターフェースの効率化も重要となってくるかと思います。
また、上述のサイバーセキュリティや、在庫の欠品リスク対応などのリスクマネジメントも生産性の検討要素として考えることを示唆している事例と思う次第です。
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