言語化へのAI利用による暗黙知の形式知化と活用の動き

【今日のポイント】
AIは人の暗黙知を代替して、標準化や共有を図る手段としても活用が進んでいますが、
自社での利用方法を探索する際「言語化、画像化による暗黙知の可視化」という視点からアンテナを張ることも、検討をお勧めする次第です。

【目次】

1.AIによる言語化や画像化を活用した暗黙知の形式知化への動き
2.言語化による暗黙知の可視化と標準化へのDX活用にアンテナを張っておく

 

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1.AIによる言語化や画像化を活用した暗黙知の形式知化への動き

Googleが、AIによってテキストから画像を生成するシステムを開発していることは、昨年2022年に各種ニュース報道されてすでにご存じの方も多いかと思いますが、
日本でもAIを利用したテキスト処理や言語化の技術の利用は進んでおり、その技術が暗黙知の形式知化などの分野でも活用され始めていることが以下の記事からも窺えるかと思います。

● 原豆乳製造の技術を次世代へ AIを活用し工場の技術継承の取り組みを開始

2023/2/15に、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社( https://www.pokkasapporo-fb.jp/ )は、表記のプレスリリースを公表しました。

https://www.pokkasapporo-fb.jp/company/news/release/230215_03.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『今回協力いただいた株式会社LIGHTz様で取り組んだ事例としては食品業界で初めてとなる、熟達者の知見をAI化した技術継承の取り組みを始めましたのでお知らせします。』
(中略)
『今回の取り組みは「ブレインモデル」という熟達者の知見や思考をデータ化したものを構築し、製造技術の知識共有プラットフォームを開発するというものです。
初めに原豆乳製造における熟達者の思考をヒアリングにより言語化し、次に作業工程・検討工程の見える化を実現する「IndstPark」というプロダクトを活用して、現場学習のソリューションを作成することで、製造工程の背景にある原理原則、工程の運用方法までを理解することが可能になりました。』

暗黙知の形式知における、言語化の重要性とAIの適用可能性増大の双方が窺えると感じる次第です。

 

● AIによる文章解析で多言語ドキュメントの作成を効率化する「Acrolinx」の提供開始
説明書や手順書の用語や文体を自動解析し、翻訳しやすい日本語を作成することで多言語翻訳を支援

2023/2/14に、株式会社日立ソリューションズ( https://www.hitachi-solutions.co.jp/ )は、表記のプレスリリースを公表しました。

https://www.hitachi-solutions.co.jp/about_hp/
(引用は『』でくくります。改行は筆者挿入。以下同様。)

『 グローバル展開を推進する企業はAcrolinxを活用することにより、コンテンツ作成において、ライターごとに異なる用語の使用や表現の統一を図れ、人による確認作業を減らして分かりやすさや正確性の向上を実現します。
また、翻訳しやすい文章かどうかの自動チェックにより、誤訳や手戻りのリスクを抑え、的確なコンテンツを短期間で完成させることができ、ライティングにおける大幅なコスト削減を実現します。』

幅広い種類の文書の作成において、自動化や文章チェックの支援ニーズが高まっている事が窺えます。

なお、文書のデジタル化における、アナログとの併用や、文書など商取引の資料の電子化を自社の知的資産構築の機会を捉える点については、以下の本ブログピックスもご参考になれば幸いに存じます。

『DXの推進に考える、アナログとデジタルの併用効果』
https://wp.me/p9D2bS-2dh

『商取引の電子化を知的資産構築のチャンスとして捉える』
https://wp.me/p9D2bS-26x

 

なお、言語化以外の方法でも、熟練職人の暗黙知をAIに代替させる実証試験が以下の記事のように進められており、様々な形でAIがスキルや技能、経験などの知見の共有と活用に利用され始めている事が窺えます。

● 製造業・熟練技能者の暗黙知をAIに代替させる実証実験
確かな成果を基に新サービスのβ版テスト販売を開始

2022/12/12の、三菱総研DCS株式会社( https://www.dcs.co.jp/ )の取り組みレポートの記事。

https://www.dcs.co.jp/technology/report/manufacture_metal/index.html
(引用は『』でくくります。太字と改行は筆者挿入。以下同様。)

『当社は、株式会社上島熱処理工業所様(以下、上島熱処理様)と共同で、金属熱処理工程における熟練技能者の暗黙知をAIに代替させる実証実験を実施。そこで得られた確かな成果を基に、新サービス「製造条件最適化ソフトウェア利用サービス」のベータ版のテスト販売を開始しました。』

 

2.言語化による暗黙知の可視化と標準化へのDX活用にアンテナを張っておく

以前の本ブログトピックス『業務の標準化と、事業環境変化への対応の両立のヒント』 https://wp.me/p9D2bS-2gc では、DXの推進自体が、従来業務の見直しと標準化を進める契機になることと、一旦標準化した後の更新のヒントについてお話しましたが、

今回取り上げた事例のように、標準化を効率的に行うために、DXを活用する動きも、今後さらに広がるものと思います。

その際に、暗黙知の言語化や画像・動画による可視化という視点も、業務の標準化や属人化の防止(知的資産経営における「人的資産の構造資産化」)におけるDXの利用の際に、重要性を増すものと、その動向にアンテナを張っておくことをお勧めする次第です。

 

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※>本ブログのトピックスの中で紹介している事例の中で取り上げているサービスや商品等は、解説のための参考として挙げたもので、
当研究所として推薦するものではありませんので、他の選択肢や導入の要否含めて、自社の状況に応じてご検討いただければ、大変幸いに存じます。

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